劇場公開日 2024年3月15日

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「丁寧な映像と重厚なサウンドの見応え十分なスペースオペラの第2弾」デューン 砂の惑星 PART2 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5丁寧な映像と重厚なサウンドの見応え十分なスペースオペラの第2弾

2024年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作は原作既読でSF映画のオールドファンにとっては期待値が圧倒的に勝り、ある程度の内容であっても割と前向きに捉える傾向にあるようだが、作品になんのリテラシーもない人がいきなり観ても、映像や音楽が良いということ以外は尺が長く内容が伝わりにくい退屈な映画という印象のよう。
現に自分の周囲でパート1を観た人達からどこが面白かったのか何度か聞かれる事があった。
自分が思うに、やはり状況や設定の説明が圧倒的に不足していることがその要因だと思う。
特にベネ・ゲセリットとはどういう集団でどのような能力を持っているのか、また何を目的としそのために今まで何をしてきたのか、さらに何故クイサッツ・ハデラックの誕生を望むのかあたりは少なくともしっかりと説明すべきだと思う。
また途中途中で入ってくるフレメン語や別の呼称があること(ポール・アトレイデスとムアディブさらにリサーン・アル=ガイブ、惑星アラキスをデューン、スパイスをメランジ、サンドワームをシャイ・フルードなど)も物語をわかり辛くしている要因だと思う。

一方、映像作品としては精神性や宗教感を織り込んだ砂漠を舞台とした壮大なスケールの大河ドラマに相応しいド直球の映像美とハンズ・ジマーの重厚なオーケストラでエンタメの極みのような劇場鑑賞作品に仕上がっている。
更に本作で追加キャストとなったクリストファー・ウォーケン、オースティン・バトラー、レア・セドゥ、フローレンス・ピュー、アニャ・テイラー=ジョイなどメジャー俳優の惜しみない起用も映画としての格がまた一つ上がった気がした。
特にオースティン・バトラーの存在感は光っており、サイコな敵役として強烈な印象残してた。

砂の下に隠れていた兵士が出てくる描写は影の軍団のようで最高に好きなシーン。

若干原作と異なる展開もあり気にならなかったわけではないが、パート3はやはり期待してしまう。

カツベン二郎