「1984版との比較」デューン 砂の惑星 PART2 じゅんぢさんの映画レビュー(感想・評価)
1984版との比較
1.脚本 2024
ストーリーは正直、ひとつの映画としては両作とも面白いものではない。ダイジェスト的で分かりやすい1984、原作に忠実で叙事詩的な2024と、その時代を反映して対象的なものとなっているのが興味深い。
2.演出 2024
バランスが取れているのは圧倒的に2024。しかしハルコネンやスペースギルドなどのヴィランに偏愛を感じる1984も魅力をある。
3.視覚効果 2024
CGがほとんど無い1984だが、思考機械(AI)を禁止している世界観においては1984のアナログ感が妙にマッチしている。
4.キャスト 2024
これは2024の圧勝。ただしフェイドだけは1984のスティングが個人的には好み。
5.美術、デザイン 2024
1984もスタッフは頑張っている感じがするけど、撮影がイマイチなので良いデザインが映えない。
6.衣装 1984
クオリティは互角。しかし貴族階級の女性衣装の絢爛豪華さは1984が上。さらにフレメン族のスーツデザインは差が無く、1984版の凄さがわかる。
7.音響 2024
これは2024の圧勝。ただ1984版のデビッド・リンチ音響とも言うべき工場サウンドは独自性を感じる。
8.音楽 1984
TOTO、ブライアン・イーノを起用した1984の映画音楽はその突出したクオリティで砂漠の世界を音楽で完全に表現している。そのため2024版はそれに一部似てしまった音楽になっている。
9.撮影 2024
砂の惑星の空気感を感じるほどのカメラは2024版の最大の見どころ。アカデミー賞の候補になると思う。
10.結論
映画のバランスクオリティは2024版。でも好みは1984版です。