ゴヤの名画と優しい泥棒のレビュー・感想・評価
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後半は秀逸な法廷劇
1960年代。ゴヤの名画を盗み出し、社会福祉を要求する老人を描く物語。
実話を基にしたお話のようですね。
前半は冗長。コメディテイストですがまったく笑えません。
特に、主人公とその妻の相性が最悪で、両者に対して嫌悪感を持たざるを得ないものだったことが残念でなりません。
後半は法廷シーン。テンポも良くなり、ユーモアを交えた問答も秀逸で、楽しい気持ちにさせてもらいました。嫌悪感を感じた夫婦についても、好感を持って観ることが出来るようになりました。
後半だけならとても高い評価になるのでしょうが、前半の嫌悪感の印象も残り、私的評価は普通にしました。
なんか拍子抜け
もっと実話に焦点を当てた重厚な作品を期待したけど
なんか軽いノリですんなり終わった感じ
裁判のやりとりも英国の人にしか理解できないユーモアで
観て損したとまでは言いませんけど
邦題詐欺、の一つだわ
ただ、ヘレンさんは相変わらず好きです
変わり者だったんだろうな
こんなお年寄りが盗むのは現実的でないと思ったけど、そういうことだった。
実在していた人物とのことだけど、劇作家で、正義感はありながらも思想強めの人、変わり者だったんだろうな。
脇役で出てきた人らの立場がよく分からず、少しストレスだったけど、後半に一気に挽回。特に裁判中に夫婦で話すシーンにグッときた。こんな夫婦感は良いと思った。
評価:3.7
やむなく 愛の力です
前半、主人公の短絡的行動にイライラする。妻には同情を禁じ得ない。後半の裁判では一転コミカルで主人公の面白さ機転の効いた部分が現れ応援したくなる。市民の応援する気持ちも何処から来たのか分からなくもない。
鑑賞動機:ヘレン様8割、ブロードベント2割
オーラ極小の珍しいヘレン様。なのにばっちりはまっているのはさすが。おとぼけブロードベントとの掛け合いが喧嘩も込みで…よきかな。
後ろ暗いことを誤魔化すためとはいえ、二人がダンスするところの微笑ましさ好き。
本当の優しさがユーモアを生む。
本作の主人公はうだつの上がらないダメ親父。
自作の戯曲をマスコミに売り込んでは突き返され、雇われては余計なことをして首になる。
家庭を顧みず、受信料を払わないなど社会に悪態をつく。
さらには14万ポンドのウェリントン公爵様を「人質」にとる始末。
そんな英国の小汚い「アルセーヌ・ルパン」は嘘偽りのない思いやりがあった。
自らが不利益を被っても、身を挺して隣人を守ろうとする様は本物の紳士だ。
それは幼少期に遭難から救われた経験からくるものなのか?
あるいは亡き愛娘に対する贖罪からくるものなのか?
彼の哲学に本物の慈悲の心を感じ取れるあるからこそ、人々は彼を慕い、厳粛な法廷も笑いにつつまれる。
この年代に生まれ、この作品が「解禁」されたことに感謝したい。
一言「笑って泣ける裁判物って、初めて」。
冒頭から「あなたは有罪ですか?無実ですか?」「無実です」。
と裁判シーンから始まるところでグッと引き込まれました。
こんなじいちゃん、犯罪者には見えないけど??。
自称:老劇作家が、新聞の見出しにあったニュースを見て。
英ナショナル・ギャラリー所蔵の「ウエリントン公爵」画を、盗み出す。
ええ?とますます謎。キーワードは、国営放送の受信料。
後半は裁判。
ああ、そういえば前半であった伏線。
傍聴人・陪審員までも引きつける、時に笑いで味方につける、その話術。
それに影響されて、弁護士は劇作家の罪を軽くするのか。
最後は私も一緒に傍聴しているような、感覚でした。
British Movie。Blabo!。
監督ロジャー・ミッシェル。「ノッティング・ヒルの恋人」。
で、実話をもとにしてるっていうのも、驚き。
ラストに「わお!」というオチも、イギリスらしい。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「彼は隣人、ですよね」
ウェリントン公爵
国が税金から14万ポンドの大枚をはたいてゴアの筆になる「ウェリントン公爵の肖像」を買い戻したという。以前より「高齢者と年金受給者にはBBCを無料で視聴させよ」という政治運動をむなしく繰り返す貧乏老人ケンプトン・バントンは、この肖像画をちょいと拝借してBBC無料化キャンペーンをひろげようとするのだが....
いろいろなお笑いが入っていて、とても面白い映画でした。犯行の手口から検察側がプロファイリングする犯人像と、筆跡からプロファイリングする筆跡鑑定士(?)の犯人像に笑いました。裁判でのバケツ屋の証言も傑作。最後「ハットトリックだ!」→「古代の足が...」→「イェルサレム」の大合唱になるところも感動的でした。こういう右翼も左翼もなく、誰もが歌う国民的アンセムがあるのっていいよね。
映画中ではゴヤのこの絵は名画とは言われていないぞ。
NHKでは無理だろうな
主人公は年金生活の理想主義者で、BBCが年金生活者から受信料を聴取するのはおかしい、と思っていた。
ゴヤの名画に税金が投入されたことに反発、その絵を盗んでしまう。
後半の裁判劇が秀逸で、陪審員じゃなくても・・・。
元祖N党
「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル監督の遺作と紹介されていた。
検索したら没年月日が2021年9月22日となっていて、ミッシェル監督が本作について語ったインタビュー映像をみつけた。
『主人公のケンプトンはニューカッスルの住人でタクシーの運転手だったが失業して“活動家”になった。
偏屈な典型的イギリス人で、ある社会運動をはじめる。
年金生活者へのテレビ受信料の無料化だ。
街頭で演説して署名をあつめるが運動は行き詰まる。
受信料の支払い拒否によって投獄もされる。
そこで彼はナショナルギャラリーから絵画「ウェリントン公爵」を盗み出す。ナショナルギャラリーで盗難なんて前代未聞の出来事だ。
彼は盗んだ絵画を“人質”として自宅のタンスに隠し、匿名で新聞社と政府に返却条件を書いた奇妙な脅迫状を送る。
「慈善事業に寄付すれば絵画を返す」という内容だった。(後略)』
(ネットにあったミッシェル監督のインタビュー動画より)
実話にもとづいておりBBCに対して無料化を求める件から、今話題のN某党を思い浮かべた。
ただ映画は権力に抗う庶民の構造をもっているものの、時代背景が1961年であることに加え、そもそもミッシェル監督が笑いとペーソスの作家なこともあり、社会性は副次的な扱いになっている。
にしても映画はN某党をほうふつとさせた。
インタビューにもあるとおり、主人公ケンプトン・バントン(Jim Broadbent)は既得権益(受信料の支払い)に抗って捕まり投獄される。出所後も高齢者からの受信料徴収を止めろと懇請しながら社会運動するが、妻にも叱られるし、世間からも変人扱いされるだけ。そんなとき息子がナショナルギャラリーからゴヤの「ウェリントン公爵」を盗んでくる。
そこでバントンが画策したのは、絵画の時価14万ドルを銀行に預け、利子で3,500戸分の受信料を賄うことだった。善良性が陪審員を説得させ、絵画の額縁以外の窃盗が無罪放免となる。そんな粋な裁量がなされるいい時代だった、わけである。
現代ならどうやるだろう。
権力とたたかうなら正攻法は無理。だから“絵を盗む”ような奇策にでるしかない。きれいごとでは、やられてしまう。だから折衝を逐一動画や音声に残して、拡散させる。あるいは、権力者の醜聞を暴露して浄化する。・・・。
『ケンプトンは謂わば悪ガキで、英雄とよべる人物じゃない。娘の墓に供える花も盗むような男だ。トイレットペーパーもくすねている。ネルソンマンデラみたいに清廉潔白じゃない。でも憎めない男だ。(中略)
ケンプトンは不朽の活動家だと思うね。ああいった人物はどの世界でも必要なんだ。常に権力に立ち向かって、すべてに疑問を投げかける人間がね。』
(上同インタビュー動画より)
時事だから余計にそれを感じたのかもしれないが、映画はじっさいN某党のようなものを描いていたと思う。とくに党首にも増して今話題の暴露系配信者。世間の向かい風も激しい。
よくある皮肉に──
「かれを支持している中核層は40、50代のおじさんであり、じぶんの失敗した人生を悔やむあまり、一文無しから短期間で国会議員に成り上がったダークヒーローに、じぶんを投影し、せめてもの慰めとしている。」
──というのがある。
そのとおり。わたしはじぶんの失敗した人生を悔やんでいる。悔やんでも悔やみきれない。そんなところへあらわれた黒いおっさんがバタバタと既得権やいけすかない有名人を切りまくっていくではないか。・・・。
毒をもって毒を制す──非倫理でも、権力という巨悪に対抗するなら、ありだ。
だいたいにおいて、いわゆる“普通”の候補者は当選してもいい働きをするのかダメなのかが解らない。彼/彼女がたんに1,500万の国会議員給与を目的としているのではないと見定める根拠はなにもない。それならば醜聞を晒すと脅しまくる、悪党を政治家にして、なにが問題だろう。無用な有名人にセカンドキャリアを与えるよりよっぽど有益だ。
選挙が毎回、体制側にまた一人加勢させましょう──の様相になっていないだろうか。政治家選びはわたし/あなたの友達選びじゃない。外も内も悪党のほうが、行儀良く真面目そうに見えながら実は悪党──という所謂“普通の政治家”よりはるかに期待できる。──という話。
ところで、じぶんは政治の話はぜんぜんしていない。知らないし、できないし。無力な庶民として、強権が崩れ落ちるのを見るのが愉快だという話をしている。つまり、いささかも思想や主義主張を表明せずとも、またそんなものが一切なくても「権力に一矢報いる」という基準で判断するとき、ドバイ潜伏中の国会議員はかんぜんにありだ。
なおエンドテロップには「2000年、75歳以上のテレビ受信料は無料となった」とあった。
イギリス人の反骨心をユーモラスに!!
映画らしい映画を観た。
その満足感でいっぱいになりました。
公共放送BBSの受信料の無料化運動に取り組む
ケンプトン・バントン。60歳。
映画はゴヤの名画「ウィリントン公爵」をケンプトンが
盗んで隠した顛末と、返却して裁判にかけられる過程を
とても楽しく描く。
ケンプトンの狙いは、盗んだゴヤの名画に14万ポンドの金を要求する。
それを年金生活者の受信料に肩代わりしようと言う企みです。
ところが追い詰められてゴヤを返しに行き、
捕まってしまう。
特に裁判場面でのケンプトンの受け答えは実にユーモア溢れて楽しい。
しかし本当の犯人は?
と言う種明かしもあって、二重構造の仕掛けになっている。
この作品は監督のロジャー・ミッシェルさんが2021年に急死なさって
遺作になりました。
ロジャー・ミッシェル監督作品では、
「ノッテングヒルの恋人」1999年。
「チェンジング・レーン」2002年。
そして2018年の「ブラックバード家族が家族であるうちに」
が、とても印象深いです。
急逝が惜しまれます。
また制作総指揮のクリストファー・バントンさんが、
事件の犯人のケンプトン・バントンの孫に当たるとか。
汚れ役の妻ドロシー役のヘレン・ミレン。
もっぱら議員宅の家政婦や、家でも掃除に料理と、
いつものカッコよさもオーラを封印。
それにしても、自分の利益より、年金老人の貧しさを憂える
バントンに、良く別れもせずに連れ添いましたね。
息子のジャッキーを見ても、父親の闘争心(反骨)は濃く深く
受け継がれているのでした。
「テーマ」は反骨・・・ですね。
実は私目、BBC放送、嫌いじゃないです。
アガサ・クリスティのドラマ化作品、
ケネス・ブラナーの刑事役のドラマ。
そして「SHERLOCK/シャーロック」
数々お世話になっています。
(受信料も支払わず、)
他の方が高評価で驚いたけど、俺的にはムムムて感じ・・
欧州映画?フランスとかベルギーとか?の作品には、こう言う時間の流れ方?ペース配分の仕方?が有るんだろうけど・・
俺的には非常に退屈な流れだったかなぁ?
英国の国立博物館から盗まれた十四億円のゴヤの絵画『ウェリントン公爵の肖像画』。
この絵画を盗んだお爺ちゃんの物語。
ベースは実話で、実際のお話しらしいんだけど・・
何が伝えたかったんだろう?
主人公の奥さんが、空気読めない『四角四面の真面目な』→悪い人!みたく描写されてるけど?
どうだろうか???
何処にも?誰にも感情移入出来ないまま・・
そのまま物語は結びへ。
ちょっと苦手な作品だったかも?
全然内容も被らないんだけど、何故か?ガーリースーサイズや邦画マザーウォーター見た時の事を思い出しました。
ノッティングヒルの恋人を撮った監督の遺作だとか?
ーーーーー
あえて色々書きませんが、自身の苦手なジャンルや監督を再確認出来ました。
お母さんに感謝
初老なのにとんがってるとっつぁんと息子のコンビネーションは確かに流石なのだが、やはりここはお母さんでしょうね。
最後に刑務所に迎えにきてくれたシーンは、なんか、ちょっと泣けました。
一方その頃ニューカッスルでは
同日にベルファストを見た。両方とも60年代の話で、衣服や生活感が似通っている。
ベルファストでは宗教をめぐり暴動が起き、少年と家族がイギリスに移住を余儀なくされていたころ、イギリスの田舎町に当時を賑わせた絵画泥棒がいた。
優しい気持ちにさせられる話なだけに、つい比べてしまって、北アイルランドの厳しさをより強く感じてしまう結果に。
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