「制作側vs.視聴者の処理能力合戦」地球外少年少女 後編「はじまりの物語」 toさんの映画レビュー(感想・評価)
制作側vs.視聴者の処理能力合戦
後編はほぼセブン(AI)に関わることの話になり、確信に迫っていきます。用語も1話1話新たなに出てきて、理解する前に話が進み、映像も先へ先へ進むので、高速で走る新幹線の窓から覗く景色を見せられている感じに陥ります。
まあそれだけコトが切羽詰まった状態なのだろうと。前編で語られた謎の部分も次々明らかになっていくので爽快感というか、すっきりするが頭がついていかない。字幕がほしい。
後編をより楽しむためには、前編で出てきた用語をしっかり理解すること。
ピアコム、UN2、インプラント、セブンポエム、トゥエルブ、ジョンドゥ、彗星等々。後編はいい意味で女性陣が活躍します。
少しネタばれ
ブライトとダッキーの協力から話が加速し、流れる映像で理解していく感じになり、キャラがセリフで説明してくれるのですが、情報量が多すぎて処理できません。情報の渦にのまれている疑似体験ができます。ダッキーのようにAI制限のリミッターを解除しなければリアルタイムで理解することは不可能です。
那沙があの結末になったのも全てセブンポエムによる予言、ルナティックが予知していたから起こってしまったのか。別の解釈をしていたのなら別の結末、結果にはならなかったのか。
セブンポエムどおりにコトを起こす(彗星を落下させ、人口を減らす)には一人死ななければ予言どおりにはならない。
那沙自身が予言を信じ、命を犠牲にしてまでも予言どおりに実行する。ある種の狂気的な信仰心。セブンポエムに生き、セブンポエムにより死んだ。ある意味幸せだったのかもしれない。
結末については登矢のセブン内の最後の判断までは、セブン自身予想出来なかった。なぜなら「人間」を理解した登矢の判断行動まで予期できず、セブン自身もルナティックするときに全ての最後の判断を登矢に託したのだと思う。
監督とプロデューサーの制作の苦労話(15分程度)が聞け、通常料金で見れたので得しました。それだけでも見に行った価値があった。制作スタッフのことや作品ができるまでの過程、新たなテーマの宇宙作品について語られました。
今後ムック本等で裏話を公開していくようなので、気になる人はもうしばらく楽しみが味わえます。
苦労話で語られていたボツになった13作が気になる。なくなくカットした部分やシーンもDVD等で完全版で見てみたい。
今なら名古屋のミッドランドスクエアシネマに地球外少年少女のパネルに監督のサインがあるので見てみては。