「“やめてあげて、子供になんてことするの”」世界で一番美しい少年 カメレオンさんの映画レビュー(感想・評価)
“やめてあげて、子供になんてことするの”
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ビスコンティによって”世界で一番美しい少年”として見出され、ベニスに死すで世界的に有名になった少年、ビョルン。ベルサイユのばらのオスカルのモデルでもあったと今回初めて知った。
その彼の50年後の姿は最初ちょっと面食らう。よくよく見ると造形は美しいままなのだけれど。
彼の生い立ちに大きく影響を与えた母の自殺や繊細な性格というものはあったにせよ、ちゃんと大人が守るべきだった。
ビョルンの娘が言った言葉が全てだと思う。彼の祖母に言ってあげたい、やめてあげて、自由にしてあげて、子供になんてことするの、と。
ベニスに死すで有名となるだけでなく、同性愛者の世界では美しさのシンボル、ステータスにもなってしまった彼。
そんな事情など知って知らずか、美少年として熱狂する日本人。まだ15歳の少年だというのに。CMだけでなく、日本語の歌で歌手デビューまでしていたらしい。まだ何も知らない少年を自らの利益のために連れ回し、傷つけてしまったかもしれないと感じている日本人がどれだけいるだろう。
日本語の発音の上手さや、50年ほど経った今でも口ずさめること、そして17歳の時のショパンの幻想即興曲の録音などから、音楽的な才能を伺い知れる。
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