「ルキノ・ヴィスコンティの呪い」世界で一番美しい少年 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ルキノ・ヴィスコンティの呪い
もっともっと早くに呪いを解いて自由にさせてあげていれば・・・
呪いが50年!!
長過ぎた。
『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンは、その一作で映画史から忽然と姿を消している。
その間に何があったのか?
そしてビョルンの生い立ち、母親、祖母、妹そして娘さん。
汚部屋を掃除してくれる恋人。
妹の証言。
父親を全く知らないこと。
母親が10歳の時に自殺したこと・・・、
1971年。
『ベニスに死す』の美少年を探して、ルキノ・ヴィスコンティのオーディションが、
スウェーデンであった事。
ヴィスソンティに一目で気に入られた事。
人形のように言われるままに動いたこと。
2019年。
アリ・アスター監督の『ミッドサマー』でビョルンは衝撃のスクリーン再登場を果たす。
まったく「世界一美しい少年」の50年後の姿だとは誰一人気付きもしなかった変貌である。
50年間、まったくその姿を現さなかったから、死んでるとばかり思っていた。
そして白髭の仙人は飄々とそこに居た。
欲もなく、
名誉も金もなく、
美しさのカケラもなく、
多分、流されていたのだろう!
漂流して、いたのだろう。
このドキュメンタリーで、「あの人は今・・・」となったビョルン。
今度はこの波に乗れるのだろうか?
サーファーとして、波に立つことは出来るのか?
幸せを祈ります。
過去鑑賞
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CBさんのコメント
2023年6月12日
そうなんですね。ミッドサマーに出てたんだ。今さらながらに、観たくなりました。仙人なのか…なんかわかるなあ。この映画観ると、悪意があるわけじゃなくても、酷い話だもんなぁ。仙人にもなるわ…