劇場公開日 2021年12月17日

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「世界で最も美しい少年は60歳代後半になってもまだ美しかった」世界で一番美しい少年 いも煮さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5世界で最も美しい少年は60歳代後半になってもまだ美しかった

2021年12月18日
iPhoneアプリから投稿

というのがビョルンの現在を見ての感想。

昭和40年代は現在より画像情報は圧倒的に少なく、カラーテレビがやっと普及し始めた頃です。
金髪碧眼の西洋人がフツーにいる今の日本と違ってまだまだ青い眼の人が物珍しかった時代。

ビョルン・アンドレセンが日本に与えた衝撃はそりゃあ大きかったのですよ。
だいたい当時の美しいと思えるものは外国(主にヨーロッパ)にしかなくて、だから美しい男女が必要な少女漫画はみんな外国が舞台。少女漫画を通して外国人の名前をたくさん覚えたもんです。

トーマス・マンの「ヴェニスに死す」のタジオは原作を読んで脳内再生していた美少年の数倍上をいく美しさでスクリーンに登場したビョルン。当時の日本人が魅了されるのも無理はない。
チョコレートのCMで彼が白樺の陰から顔を出す、それだけで熱狂していました、私。

だから本作を見てビョルンその人がこんなに苦しんでいたなんて、またこんなに悲しい出自の持ち主だったなんて驚いたと同時にとても申し訳ない気持ちになりましたね。

けど、映画『ベニスに死す』は絢爛豪華が大好きなルキノ・ヴィスコンティの歴史に残る名作であることには変わりない。タジオが居なかったらあの映画は成り立たなかったし、ビョルンが発見されなければ完成されなかった作品です。
彼の人生を振り返ると辛く悲しいものだったかもしれませんが、あの1作を世に残すためには絶対必要だった人、ビョルン。
お母様がいたら映画に出されなかったでしょうし、またビョルンが発見されたとしてもあのような陰のある瞳の少年には育っていなかったと思うのです。

消費する側の意見でしかないけど、この世に存在してくれてありがとう、と言いたいです。

いも煮
琥珀糖さんのコメント
2022年12月19日

今晩は 琥珀糖です。
フォローありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

私も、いも煮さんのレビューに同感です。
不幸な生い立ちですが、彼の美しさなければ
「ベニスに死す」が永遠に輝き続けることは
なかったかもしれませんね。

琥珀糖
talismanさんのコメント
2021年12月20日

コメントありがとうございます。今でもビョルンの佇まいは美しくて後ろ姿も歩き方もおんなじだなと思いました。お母様、本当に似てましたね。ちっちゃい時に母親も父親も居なくなってしまうのはつらいと思いました。

talisman
talismanさんのコメント
2021年12月19日

私も彼は美しいと思いました。歩き方、佇まいは少年の頃と同じでした。

talisman