「ライブシーンに全振りして正解な作品」BLUE GIANT やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
ライブシーンに全振りして正解な作品
JAZZは正直あまり馴染みがないのですが、一人の音楽ファンとしてライブシーンが圧巻と感じました!音楽も疾走感に溢れ耳障りよく躍動的でもあってJAZZ初心者でもすんなり入ることが出来ました。もしその場にいたら控えめにですが自然と足を踏み鳴らし、軽く手拍子したくなるだろう素晴らしい演奏でした。ちょっとJAZZライブは参加したことがないので流儀が分かりませんが(笑)。
特に、ライブシーンの演出上良く分かってるなあと感じたのは、観客のノリや反応がこと細やかに、そして心情描写も豊かに描けていたことです。決してモブも背景になっていなかった・・・これは本当に大切なことです。
ライブの独特のあの熱狂的な雰囲気作るのは演奏者はもちろんですけど、そこで彼らと一体となって全身で音楽を浴びて心躍らせる観客です。
丁寧な描写により、映画の中の観客の気持ちに容易に心情をシンクロ出来た時点で、この映画は8割方成功したんじゃないかな、と思いました。
また、原作は未読で映画独自の演出か、原作由来かは分かりませんが、演者のバックグラウンドストーリーをライブシーンにオーバーラップさせる手法は斬新!心地よいビートに刻まれながら、走馬灯の様に回想シーン(といってもストーリーでは初出)が流れる様はスピード感がありつつも親和性が高かったと思います。
最後のライブは決して泣く様な曲じゃないのに、心が揺さぶられ、ライブ会場の客・・・といっても彼らに近しいファンの心情に複層的にシンクロしてしまい、ずっと涙が溢れて止まらなかったですよ。
音楽の力が凄まじい映画です。必見!
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