「劇場で見るの一択しかない」BLUE GIANT bionさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で見るの一択しかない
感動する前に鳥肌がたった。体が先に反応するくらい凄い作品なのは間違いない。
サックスから発する音が、炎立つように湧き上がる。玉となった汗がシンバルの上を滑る。そこに上原ひろみ率いるトリオの演奏が7.1chで聞こえてくる。スタジオNUTが産み出す映像とプロミュージシャンが火花を散らして両者とも一歩も引かない。
ブルーノートもコットンクラブでもライブを聴いたことがあるが、客席に近いステージから音を浴びる感覚、ドラムの振動を胸で受け止める感覚は、恍惚となる。
それを再現してしまうとは。これは絶対劇場で見ないともったいない。加えて、ダイナミックなアニメーション表現が加わる。
氷やグラスに映るプレイヤー、スケッチ風のモノクロ映像、客席とステージのレイヤー重ね。シンバルを素早く叩くスティックの動きが残像を残す。鍵盤を叩く指の動きとピアノの音は完全にシンクロする。
声の演技は、山田裕貴も岡山天音も間宮祥太朗も見事。声優も俳優もクロスオーバーする時代に突入したのかもしれない。 特に間宮祥太朗。尖ってクールな沢辺雪祈のイケメン声、天狗の鼻を折られてどん底に落ちた雪祈の絶望の声なんて、ベテラン声優かと思った。
音楽が好きだったら、劇場で見ることの一択。
追記
Dolby Atmosでもう1回見たいと思い、バルト9で鑑賞。普通のスクリーンかと思ったら、改装したばかりのドルビーシネマスクリーンだった。映像はドルビーシネマでないものの、音響は文句なし。高音のノビ、低音の迫力といい、超満足。
映画館で売り切れになっていたサックスのキーホルダーを写真屋にてスマホの画像をパソコンで読み込んでオリジナルキーホルダーを作ってみました。サックスの形ではないのですが平らで両面に絵があります。