劇場公開日 2023年2月17日

「『坂道のアポロン』と比較してみたい」BLUE GIANT Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0『坂道のアポロン』と比較してみたい

2023年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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自分は音楽は聞きますが、ジャズは全く解りません。所持してるiPhoneには約650曲のアニソンが‥‥w(ソレ以外の曲は入っていません)。そんな自分なので、実は本作品の音楽の描写については何とも言えません。
よってこの作品は、原作ファン、ジャズファン、最低でも音楽をこよなく愛し、多少楽器も弾ける方ならワリと楽しめるかと思います。映画館の音響で聞くソレは心地よく響くモノがあるでしょう(音自慢の箱なら尚更)。一方で音楽には殆ど興味がなくアニソンすら聞かない方はどうかな?と(そんな人最初から観ないw)。

ですが、アニヲタの目から見るとチョッと微妙かと思われます。
動画のCGが劇場版としては稚拙で手描きキャラと相似しておらず、魅力に欠けた事。加えて楽器の質感が弱く、シーンによっては木管の様にも見えてしまう一方で、ピアノやドラムが部分的に生映像?と見紛う箇所が散見されます。この辺は、京都アニメーションという一流処の手による『響け!ユーフォニアム』なる作品を観てしまってるが故に、どうしても評価が低くなります。
また、演奏の力強さ・音の迫力・カッコ良さを表現する『演出描写』のギミックが、あまりスムーズではなく好みではありませんでした。総じて、動画のクオリティがあまり高くなかった事が残念です。中の人は及第点ですが‥‥

ストーリーはどうでしょう? 実はコレもかなり駆け足のせいか淡泊、ご都合気味でありふれたネタにしか映りませんでした。主人公の大や雪祈が冒頭から凄腕なのは、深夜アニメで見飽きた『俺TUEEE』の流派にも似たテイスト。雪祈や俊二はまだ多少の紆余曲折の描写がありましたが、大は最初から最後まで挫折知らずの真っ直ぐなド天才。若干面白みに欠け、キャラ付けに他に何かネタが欲しかったです。
個人的には『澪』や『ぼっちチャン』の方が、ウザいけどアニメらしい質感を感じましたw

そんな訳で『観覧客を選ぶ作品』である事は間違いありません。原作ファンは勿論、ジャズ好き・音楽好きはマスト。ビジュアルやストーリーなどクオリティにイササカ事欠く内容でも『耳』で楽しめる事ができる人でないと、満足感は得られないのではと。
本作品は、その位の熱量をお持ちの貴兄には楽しめるかと思われます。ガンダムパイロットの『イオ・フレミング』みたいな?w

余談ですが、同じジャズを扱った『坂道のアポロン』と云う作品があり、コチラは地元作品なのにチャンと観ていないので、本作品を期に俄然興味が出た次第です。相乗効果ですね〜。

Geso_de_Nyoro