ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価
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書き遺された言葉と実話の力
山本幡男さんは、本作で描かれたエピソードのほかに、収容所内での同人文芸誌や壁新聞の作製、アムール句会の主催、俘虜によって旗揚げされた劇団の脚本執筆など、周りの人たちを励ますための活動をかなり積極的に行なっていたようだ。
それを踏まえると、山本さんが周囲を巻き込んで行なった活動が結構端折られている印象を受けた。映画の尺の問題などで仕方なくそうしたのかもしれないが。
元の実話や原作が心を動かすものであるほど、映像化によって何が削られ、何が付け足されるのかが気になる。そこから映画ならではの感動が生まれることもあるし、がっかり感が生まれることもある。
上に書いた実際のエピソードをもっと入れれば、山本さんが現地であそこまで慕われるようになったことにもっと強い説得力を持たせることが出来たのではと思った。句会で互いを俳号で呼び合うことで軍隊式上下関係が薄らぐ話など、きちんと織り込めば山本さんの功績がもっと鮮明になった気がする。
ボールを作ってみんなで野球をした、新谷に文字を教えた、という映画の主要エピソードだけでは、「流れでそうした」感が出て、実際の山本さんの功績の力強さを伝えるには不十分ではないか。
キャスティングについて。遺書を届けに来る順番のトリは、役者の技量で考えれば安田顕か松坂桃李にした方が締まった気がする。松田の語りが冒頭のナレーションに繋がっていることを考えると、松坂桃李をトリにして2022年には飛ばず、実話の後日談のナレーションでも入れてサクッと終わる方が好み。
ニノは何を演じても、よくも悪くもニノくささが抜けないなあと毎回思う。常に猫背だからか、口調のせいか。個人的には役によって雰囲気をがらりと変える俳優が好きだけど、ニノはそこそこの頻度でよい作品に出演するので、なんだかんだ彼の出る作品を観てしまう。
不満めいたことをつらつら書いたが、クライマックスで朗読される遺書の文面には胸を打たれた。熱い家族愛は70年の時間の隔たりなど関係なく心に迫る。自分までが山本さんに「幸せに生きよ」と励まされているような気持ちになった。
彼が書き遺した渾身の言葉たちに、俳優の演技と声で命を吹き込むために本作が作られたと言っても過言ではないだろう。
終戦後も家族に会えない辛さ
タイトルを見た時、ラーゲリという言葉が花の名前だと思ってたら、ロシア語で収容所だと知ったのは映画を見てから。
終戦後にも関わらず、ロシアから帰れず、ろくな食事も寝床も無い。
あまりにも劣悪な環境にも関わらず、主人公は楽しそうに歌を歌ったりして、ずっと楽観的に見えた。
年月が過ぎても帰れない。ロシア国内を移動するだけ。
主人公は希望を持って生きていたのに、待ち受けていたのは病気。
何もかもが救われない中で、最後はラーゲリを共にして、日本に帰ってこれた仲間から主人公が遺した遺書を家族に伝えに行く。
すごく辛くて涙無しでは見られませんでした。
少し気になったのはロシアで一緒にいた犬が船を追って流氷の中泳ぐところは少し不思議でした。
うん、
重くつらい話だったけど、実話ということもあり見入った。
しかし、マイナス10度、20度、それ以上のなか、あんな顔を出してて、顔やノドが凍らないのか、気になった(笑)
ハッピーエンドだったらよかったけどなー。
最後も、遺書を分割して覚えて遺族に伝える、という、すごい展開。
最後は、確かに見ててせつなかった。
北川景子がかわいくキレイだった。
話が微妙に違うお話。
話が微妙に違う。
この主人公は立派な社会主義者だった。外語大学に入学して社会主義活動で逮捕、そして、退学になるような筋金入りの信念のしっかりした社会主義者である。この映画で言えば、壇上に立って仲間を吊るし上げる側の立場だったはずだなのだ。
では、何故『ダモイ』出来なかったか?
原作者が現場を見ていた訳ではないし、この映画の演出家が真実を分かるはずもない
映画や『原作』を参考に僕が推測する。『ソ連にうまく使われた。』若しくは、『日本には帰ることが出来ない』と彼自身が自己判断した。と言う事だと思う。
さて、日本国はソ連からの帰国者を社会主義者と恐れた事は事実である。レッドパージに関係する松川事件、三鷹事件、下山事件がそれで、ソ連から帰国した兵隊が国鉄の組合運動と関わって、ソ連のスパイとされた。言うまでもなく、朝鮮戦争とアメリカの遺物なのだろう。もっとも、主人公は同胞を吊し上げするような人間ではなかったので、後世にこう言った心温まる話として残っているのだと思う。
しかし、一方で中国のハチ◯ウ軍に所属して『日本軍と戦ったと言っている親方が国鉄の中にいた』と我が亡父は言っていた。この映画の同胞を吊し上げする側の人なのかもしれない。
しかし、
この映画ではソ連に抑圧される主人公ばかりを描いているが、誰もソ連の虐待行為を観ていないし、一般論で言えば、ロシア語の喋れる貴重な人材を、ソ連がほおって置くわけがない。ましてや『人民教育』と称して、社会に左翼運動を広めるオルグであるならば、彼は間違いなくソ連にうまく使われたと見て間違いない。
さて。このストーリーの1年後にグルジアのスターリンが亡くなり、その1年後にウクライナのフルシチョフが台頭して、日本とソ連は国交が結ばれた。ロシアとウクライナの争いがあっても、ロシアとの国交が断絶したわけではない。
日本はアメリカと日米安全保障条約を結ぶことになるが、主人公が遺言に残した平和な社会に日本はなったのだろうか?そして、なっていくのだろうか?
俳優さんたちが輝く名作
アマプラで別の戦争ものをみて落胆していたところそのまま流れたので鑑賞。これは私ごときが四の五の言う必要なし、とにかくみて損がないと思った。ストーリーとしてはそこまで輝かないが、俳優さん達の上手なこと!(一部の演者が雰囲気を壊していたが)途中からシンプルな人間模様の描写になるため、個々の俳優さんの力量差がもろに出てくるが、ほとんどの俳優さんの演技力が凄くて改めて「売れてる俳優さんには理由があるなぁ」と感心しました。特に初めて安田さんと北川さんが対面した時のお辞儀の場面の素晴らしい演技に鳥肌が立った。素晴らしい作品をありがとうございます!
美談の陰で埋もれてしまった知られざる犠牲者たち
本作は戦後80年近い今でもよく知られているシベリア抑留について事実に基づいて描かれたドラマ。なぜよく知られているかといえば日本人が被害者だからだろう。日本人が加害者である事実はこの国ではなかなか語られることはない。
本作は終戦間近、条約を一方的に破棄したソ連の満州侵攻により、それに立ち向かい敗れた関東軍の生存者が捕虜としてシベリアの強制収容所に送られるところから始まる。
大まかなストーリーは不当な抑留生活の中、帰国への希望を捨てず皆を励ました山本氏の姿が描かれ、最後には喉頭がんで亡くなった彼の遺書を仲間たちが当時の収容所の検閲から逃れるために内容を記憶して、遺族のもとに送り届けるという「ペルシャンレッスン」を彷彿とさせるとても感動的な実話による物語だ。
ただ本作はそのタイトルからして大衆受けを狙った娯楽作品なため誰にでもわかりやすいテレビ演出が使われている。このようなファミリームービーに細かいことは言いたくはないがさすがに映画を見ようと入れた気合がすべて削がれてしまった。要所要所で、はい、ここは泣くとこですよ、はい、ここは感動するとこですよと、終始なめられてる気がした。
映画館にわざわざ見に来る観客は映画を見ることだけに集中するので映像から登場人物の微妙な心理を読み解こうとしたり、テーマを探り当てようとするわけだけど本作はそんな鑑賞者に解釈の余地を与えてくれない。自分で見て考えるということをさせてくれないのだ。白々しい演出を見せられて見ているこちらが恥ずかしくなるくらいだ。だから本作は映画を見るのではなくテレビのスペシャルドラマを見る感覚で見た方がよかった。
本作で描かれた事実自体は感動的な内容であることは間違いなく、書籍か何か別の媒体でこの事実に触れられたら良かったと思う。
本作はシベリア抑留を扱っているので当然捕虜の日本人は被害者として描かれている。しかし戦争全体を俯瞰してみれば戦争を始めた時点でどちらが加害者だとか被害者だというのはなくなる。強いて言えばどちらも加害者でもあり被害者でもある。殺した相手は誰かの父親であり誰かの息子である。殺した人間も誰かの父親であり誰かの息子なのだ。
戦争を始めた途端、どちらが正義、どちらが悪なのではない。すべてが悪に染まるのだ。白と黒の絵の具が混ざり合い灰色になるように。
当時のソ連は全体主義のスターリンの時代(日本も終戦迎えるまでは同じく)。終戦後でありながら捕虜に強制労働を強いるというのは明らかな国際法違反であり、その国際法違反を隠すために捕虜から情報が洩れぬよう収容所では執拗に検閲が行われた。
確かに当時のソ連の行いは日ソ中立条約を破棄しての参戦も含めて国際法違反である。それを声高々に非難する人は多い。だが、日本側も独ソ戦開始の時期に戦況次第ではともすれば中立条約を破棄してソ連に攻め込もうとする計画もあった(関特演)。
ひとたび戦争になれば取り決めた条約や法などといった秩序なんてものは霧消してしまうものだ。国際法違反だなどという批判は言い出せばそれはたちまち自分たちにも帰ってくる。
先の大戦での日本軍による真珠湾攻撃は手違いがあったとはいえ事前通告がなされず国際法違反と非難された。フィリピン侵攻でマッカーサー率いるアメリカ軍を撃退した時も米軍捕虜や現地人たちを収容所までの長距離を徒歩で移動させて多くの死者を出した、いわゆるバターン死の行軍である。また泰緬鉄道建設では過酷な労働を強いて多くの捕虜たちを死なせた。開戦時アメリカ在留邦人の強制収容だけがよく話題になるが、日本でも同様に敵国人は収容所に入れられ何人もが帰らぬ人となった。劇中にも描かれていた中国人捕虜を銃剣での殺傷訓練に使用したこと、北九州大学捕虜生体解剖事件などなど。
米軍による東京大空襲などの無差別爆撃、日中戦争では日本軍も重慶で無差別爆撃を行った。アメリカは二度原子爆弾を投下した。
これらすべてが国際法違反だ。そしてそれこそが戦争の真の姿だと言えるだろう。合法的な戦争、きれいな戦争などというものはない、ひとたび戦争を始めたらそれはすべてが醜い、関わった人間はすべて加害者となる。
この実話をもとにした作品には描かれていない多くの事実があった。それはシベリア抑留された日本軍兵士の中には多くの朝鮮人もいたということだ。抑留された日本兵60余万の中に数千人の朝鮮人がいた。
当時の朝鮮半島は日本による植民地支配下にあり、日本軍の戦況悪化に伴い朝鮮の人々も多く徴兵された。ソ連軍と戦った関東軍には多くの朝鮮人がいて、彼らも同様に収容所送りとなった。劇中の通り敗戦後でも日本軍の階級が温存させられたため彼らは日本人兵士よりもより過酷な状況を強いられた。
一等兵が軍曹から嫌がらせを受けるシーンが劇中あったが彼らはその一等兵以下の扱いを受けていた。そして解放後も彼らの受難は続く。彼らが故郷に戻ったころにはすでに祖国は南北に分断、ソ連の影響下にある北朝鮮と敵対関係にあった。
彼らはソ連から戻ったということでスパイとして疑われ長年名誉回復されず、肩身の狭い人生を強いられることになる。
確かに本作で描かれた物語は人間の尊厳を描いた美しい物語である。しかしその美談の陰に多くの知られざる犠牲者がいたのも事実だ。
最近でも特攻を題材にした作品が大ヒットしたという。戦時中の悲劇がただ娯楽作品として消費されてる実態には少々複雑な思いに駆られる。確かに作品を見て感動するのはいいことだけど、感動したといってそれで終わってしまうのは残念だ。できればこういう作品を見ることで知られざる歴史を紐解いていくきっかけになればいいと思う。
それでも希望はあった
日本の敗戦が濃厚になった時に中立条約を破り、日本に戦争を仕掛けてきたソ連。
そして捕虜になる軍人と一般人。
ラーゲリと呼ばれる収容所に連れてこられて、過酷な環境下での労働を強制される日々。
そのような中でも生きる希望を捨てず、良いものは良いと言い、駄目なものは駄目だと言える教養と勇気。
仲間を思いやり、見捨てない優しさ。
収容所職員に暴行を受けても、虫が湧く牢獄のような営倉にぶち込まれても、曲がることのない精神力。
生きるにはどんなに小さくても希望が必要だという信念と実行力。
過酷な労働に耐える体力。
そして、共に生き、頼る事が出来る仲間たち。
どれか一つ欠けても、この結末には至らなかっただろう。
この先を生きられない。そして妻子に会えない悲しさ悔しさは計り知れない。
それでも、貴方はそこで生きていた。生きていたんだ!希望を持って、生きていたんだ!
シベリア抑留の悲劇
シベリアに抑留された日本人たちの悲劇を描いた作品
最初は山本が絶望した周囲の人間を励ます展開なのかなと思ったらだんだんと周りの人間が山本のために生きるこういう構図が人間って変わることができ先人たちの芯の強さを感じた。
山本がガンで命を落とすも最後に妻の元に現れるシーンは、地獄の黙示録のクラシックを流すヘリ、炎628の主人公がヒトラーの写真に向かって撃つとヒトラーの子供時代の写真に戻り撃つことをためらう、ラストエンペラーの子供が一瞬目を離すと消え去る溥儀のような、戦争映画でたまにある超現実的な演出だなと感じた。
山本の「生きて帰る」というメッセージを描きたかったのだろうか・・・
話題になってた割には…
話題になっていて気になっていたので鑑賞。
エンタメとしてはあんまり…だったけど、歴史を知るという観点としてはとてもいい映画だと思う。
とても納得できない状況下におかれながら希望を失わずに生きていった精神力の高い人だったからこそ、みんなが助けてくれたんだろうなと思ったが最後の亡くなり方が本人も周りのみんなも一番納得できなかっただろうな…と。
戦争に興味のない今の若者に戦争の凄惨さを分かってもらうために見てもらいたい。
頭の中にあるものだけは決して奪うことはできない
シベリア抑留について正直あまりよく知らなかった。これほど長い期間、過酷な環境で生きてきた人々がいて、多くの方々が命を落としてきたというのは、知っておくべき出来事だ。
そんな中でも希望を捨てず、人としての尊厳を保ってきた山本幡男さんという方の実話を描いた作品。かなり脚色はあれど、山本さんの遺書を暗記して山本さんの家族に伝えたというエピソードは事実というのがすごい。
ショーシャンクの空という映画を思い出した。舞台もストーリーも違うのだが、刑務所という中でも人としての尊厳や希望を捨てない主人公に重なる。頭の中にある音楽は誰にも奪えない、というのは、まさにこの映画の中でも語られていたことだ。頭の中にあるものは奪えないのだ。
この映画では歌がよく出てくる。
彼らは持ち物を検査され幾度も没収される。
しかし、歌だけは決して奪うことはできない。それは自由の象徴である。
ショーシャンクでも、音楽は自由を意味していた。
そして、歌はまだ希望を捨ててない証でもある。
この映画はまさに、歌うことをやめなかった=いつ帰れるかもわからない絶望の中でも帰る希望を捨てなかった男たちの戦いの物語だ。
愛と友情
私自身4人の子を持つ親であり、現在何不自由なく生活できていることにありがたみを感じさせられる作品でした。
この作品を見る中で、
家族を持つ一人の父親としての「中野祐治」と、
仲間と共に事業に取り組む事業家としての「中野祐治」と
2つの観点で想うところがありました。
父親としては、
普通に家族と共に居れることのありがたみであったり、
作中でのモジミの一心に山本を気遣う想いと帰ってくると信じる固い絆をみて、そうした家族との絆を作れているか?と振り返る機会になりました。
また、事業家としては、
仲間を信じることの大切さと友情、仲間の支えとなり共に乗り越えていく姿勢から共感することが多々ありました。
仲間は家族とはまた違う形で大切な人たちです。
事業立ち上げの駆け出しの頃から楽しいことも辛いことも共に分かち合ってきて乗り越えてきたからこそ今では親友を通り越して、心友だと心から感じています。
山本はダモイ(帰国)すること叶いませんでしたが、その姿勢・想いの強さは確実に仲間に伝わっていて、無事にモジミや子供たちのもとに遺書が届けられた
と、そう思わせるものでした。
これからも仲間と共に目指して、障害を乗り越え楽しむことを共有し、より豊かになっていきます。
『仲間愛・家族(夫婦)愛』、希望が持つ力強さ
タイトル内の「愛を込めて」という文言から、「よくある純愛系映画かな」と思ってこの映画を観始めましたが、ストーリーが進むにつれて、ただの純愛映画ではなく、仲間愛や家族(夫婦)愛、そしてどんなに過酷な環境下でも希望を持ち続けることの大切さを伝えてくれる映画だと感じました!!
舞台は第二次世界大戦後のロシアの強制収容所(ラーゲリ)。
シベリアで終わりの見えない強制労働を強いられ、誰もが”日本へ帰る”という希望が持てない過酷な環境の中、主人公である山本(二宮和也)は空襲で離れ離れとなった家族との約束である”日本への帰国”を信じて生き抜く姿を通して、たった1つでも希望を持つことの力強さを感じました。
そして、その主人公の姿を見て変わっていく収容所の仲間達や、日本で待つ主人公の妻(北川景子)の様子も描かれていて、1人の人間が持つ影響力や、信じることの偉大さに気づかされる映画でした!!
映画のラストで、主人公の想いを収容所の仲間達がそれぞれ主人公の家族に伝えるシーンがあるのですが、現代のように簡単に自分の考えを発信したり、記録に残したりができない時代・状況だからこそ、主人公が残した一言一言の言葉や文字に乗せる気持ちの重さをとても感じましたし、それを一言一句間違えずに丁寧に主人公の家族へ伝える仲間の姿を見て、主人公への想いの強さをとても感じました!!
10代や20代にぜひともオススメしたい映画です!!
なんとか生きて生きてほしい
この映画の反響を聞いて興味を持った時には、すでに劇場での上映が終わっていました、、。
Amazon primeの配信を心待ちにしてようやく、2024年1本目の鑑賞作品となりました。
配信が始まってすぐに観なかったのは、戦争を題材にされていて軽い気持ちではみることができないと思っていたからです。
鑑賞後、題材の重みや俳優さん方の熱演に圧倒され言葉がすぐ出てきませんでした。
まずこの話は、戦後の物語となります。
シベリア抑留を強いられ、愛する人と再開、日本へ帰るダモイを希望に生きた人、戦後帰ってこない愛する人を待ち続け、いつか再会できると希望を信じて生きた人、それぞれの想いが描かれていました。
実直で終始柔和な表情を見せる優しい人柄の山本と、帰らない夫を信じて待ち続け、子供には明るく振る舞いながら不安な表情を見せず1人で4人の子供を育てたもじみ。
山本が戦地へ行く前2人の海で話すシーン、2人がお似合いすぎて、、。
また映画最後の、結婚を偶然お互い口に出したシーンはそれまでの2人の境遇を見た後のため号泣必至でした。。
(もちろん、山本の死を知り堪えきれず庭でもじみが泣くシーンもきつかったです)
自分が心の支えにしていた人の死を聞いた時、自身は何のために生きているのだろうか、これから生きている意味はあるのだろうか、言葉にして説明せずとも無念の想いが伝わってきました。
俳優さん方は実際に戦争を経験されていないのですが、ありありと本物を見ているように私は感じ、作品に対する本気、真剣さ、向き合い方が伝わってきました。
頭で理由を考えずとも、心に直接感情が伝わってくるようで、涙が堪えきれませんでした。
感じ取った自分の考えをそのまま文章にできず、はがゆく感じます。
ただ、出演された全ての俳優さん方が素晴らしく、ストーリーも理解しやすいものとなっていたと思います。
戦争の映画は永遠の0しか観たことがなく、このジャンルは正直敬遠していました。
しかし、このような内容の話は聞いて知っておくべきと思いますし、ラーゲリはおそらく多くの人が観ることができる内容となっているのではと思います。
戦争に対する危機感と、その無情さだけは戦争が無くなっても忘れてはいけないと思いました。
主題歌Soranjiの題の意味、映画を観てようやく分かりました。
ミセスはやはり凄すぎると思います。
何回もこの歌を聞きましたし、この映画も繰り返し観ていき、また周りの人にも勧めたいと思います。
亡くなっても無くならないものもある。
シベリア抑留生活をことを描いた作品。
シベリアに送り込まれ、ソ連の支配下のもとで強制労働をさせれる。そこで亡くなる人多く、そこでの日本人同士の人間模様と残された家族、そして生還したあとのことまでが描かれ、これが事実に基づくものだというのが怖いくらい。
その中で山本が仲間に与えた影響は計り知れず、抑留生活の過酷な環境下で生きるということを必死に伝える姿は信念がなければできない。
それが遺書を覚えて、生きて帰った人が口頭で伝えるということにつながったんだろうなぁ。
酷いシベリア抑留
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終戦間際に満州にいた日本兵がシベリア抑留され強制労働の日々を送る。
二宮もそんな中にいて、持ち前の公平さと優しさで仲間達から慕われる。
仲間を思っての主張も強く、懲罰房に入ることもよくあった。
数年が経って帰国できることになるが、二宮らは帰れなかった。
濡れ衣でスパイ容疑をかけられ、戦争裁判で有罪となったため。
こうして強制労働も9年くらいが経ち、二宮は病の床につく。
仲間らがハンガーストライキを起こしたおかげで二宮は特別に病院へ。
そこでガンと診断され、余命3ヵ月を宣告される。
仲間らは二宮に遺書を書かせた。でも文書はスパイを疑われ没収される。
なので4人で分担して遺書を記憶したのだった。で10年経ちようやく帰国。
で4人がそれぞれ二宮の家を訪問、遺書の内容を伝える。
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事実に基づいた話だからか、そんなに面白くなかったな。
あの過酷な環境下で、みんな自分のことで精一杯やと思うんよな。
そんな中に二宮みたいなヤツがいるなんて、何かリアリティが薄い。
あとハンガーストライキの件も本当にあった話なのだろうか?
即座に殺されてもおかしくないのに、ちょっと考えにくいけど・・・。
あと遺書を分担して覚えるクダリも、ホンマかいって思ったわ。
4人で1/4ずつ覚えるより、全員が丸々覚えた方が良くない?
それなら1人だけでも帰国できたら全部伝えられるわけやし。
1/4ずつ覚えて、全員が運よく帰国できて、全員が二宮家に来た・・・。
おれが冷めてるだけか?ちょっと都合よ過ぎませんか、ってなってしまう。
それにしてもソ連ってホンマに利己的で冷酷でクソなイメージよな。
北方領土の件もそうやけど、とにかくろくなもんじゃない。
そして昨今のウクライナの件でも、何も変わってないのよな。
やっぱニノの演技ってすごいわ
戦争系は心が痛くなるからあまりみないようにしてきましたが、戦争について考えさせられる映画です。
特にニノの死ぬ間際の演技が、声が出せない演技がすごい。泣けます。
希望を捨てたり、持ちづらい昨今
これをみて、自分は甘えてたな。
希望持って生きよう!
極限状態で信念を貫いた強さに感動する映画
シベリアに拘束された日本兵たちの生き様が儚くて美しくて切なかった。
極限状態でも自分の信念を貫けるのか?
自分の頭脳は自由だと言い切れるのか?
二宮くん演じる主人公の真の強さに感動すると同時に、偉大すぎて涙が出る映画。
帰国後、1人1人が思いを紡いだ姿もまた感動で、戦時中はこうやってアナログに人と人とが繋がって想いをつなげてきたのだと思うと、もっと今の私たちは泥臭くできることがあるなと感じた。
希望って苦しいものでした
タイトルのラーゲリより愛を込めての時点で、絶対バッドエンドなのに希望ってどういうことって思い、気になって見てみました。
希望って言葉の意味を、知るきっかけになった映画でした。
希望って耳障り良くて、よく聞く、言ってしまえばありふれた言葉でした。そう思ってしまうのは、私が絶望の淵に立ったことがないからなのだと思います。
平和な世の中で育ってしまったからだと思います。
本当の希望は、絶望から生まれ、絶望に押しつぶされそうになり、そして、その希望に人は支えられるのですね。
言葉の意味以上に学べました、、。
そして、主題歌の『Soranji』も諳んじるからきてることは予想していましたが、ラストに向かうシーンで合点がいき、そこでまた辛くなってしまいました。
絶望の中から希望を見出す姿に、とても心が苦しかったです。
とても辛い映画で、苦しくて、痛かったです。
希望は山本さんから伝わり、広がり、届いたところで少し苦しみから解放されました。
最後に妻が思い出した山本さんの姿が求婚のときだったのところが素敵でしたね。
戦時中ではなく、希望にあふれた山本さんらしい姿を想像した奥様にも、感動しました。
離れて生きるということ
「日本で落ち合おう」という約束を胸に、強く生きる夫婦の話
山本(二宮)の生命力と影響力が凄まじい。
だが、希望を失ったものに希望を持たせるのは可能なのだろうか。
帰ることよりも家族に会うことを希望にしていた相沢や松田。
文通が可能になったことで、会えない事実を知ってしまう
悲しみにくれ自暴自棄になる中で、「生きてればいい事がある」なんて言えるのだろうか?
診断されて帰ってきた元気の無い山本に対して怒る相沢、ごもっともだと思う。
見えない、知らないからこそ信じ続けていられるものもある
病状が見えた途端に落胆する山本に希望が~と語る資格はなかったのでは?
シーンによって髭があったりなかったりしたのは何なんだろう。髪変わらないなら髭も変わらなくて良くないか?
中島健人の演技が素晴らしかった。
クロの存在のメッセージ性は何とも言い難いものだが、。
リアリティが欲しい
泣くために見た訳ではないが、全く泣けない。
シベリア抑留、悲惨で壮絶だったと想像します。
ですが、皆さん服が綺麗、シミひとつない。
雪の中遺体を埋葬する際も、ほんの少しだけ土をかけるだけ。俳優さんを労ったのか、、
ロシア人からの虐待も、見た目にも分かるほどソフトタッチ。整えられた頭髪に髭、不潔さや汚らしさ皆無の捕虜。
また、北川景子が色白で綺麗なこと、真夏の炎天下で秋刀魚を置き、知り合いとお話しなんかも、魚腐るよって、そっちが気になる。
抑留中に現れる黒い犬もちゃんと調教され、毛艶も最高。野球の玉拾いまでしてくれる有能ぶり。
最後の遺書も、手紙のやり取り出来るなら、郵送もあったのでは⁉︎そもそもペンとノートが与えられてるなら、それは記録を残せと言ってるような物と勘ぐりたくなる。
兎に角、映像にリアリティを感じない。
中で歌われる歌も、オーマィダーリンを繰り返すが、何故この歌?何故日本の歌でない?
歌に意味があるにしても、この時代に英語の歌を皆が歌うのには違和感を感じる。
いや、オープニングシーンからそんな臭いはしてたが。
全106件中、1~20件目を表示