劇場公開日 2022年12月9日

ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価

全407件中、41~60件目を表示

2.5シベリア抑留の過酷さを希薄化させたのどかな収容所生活のせいで感動も稀薄化

2024年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

1 シベリア抑留とは
第二次世界大戦後の日本兵のシベリア抑留(一部はモンゴル抑留)については多数の手記、体験記が出版されており、小生も石原吉郎『望郷と海』、胡桃沢耕史『黒パン俘虜記』を読んでいる。ただ、この映画の原作は知らなかった。

この抑留はナチスのアウシュビッツ収容所等でのユダヤ人迫害と並び称せられることもあるが、ナチスの場合はホロコーストが目的だったのに対し、シベリア抑留はスターリンの行った思想弾圧・国土開発目的の強制労働に連なるものという相違がある。
だからシベリアでは日本兵、ドイツ兵捕虜のほか、ソ連邦内のロシア人も多数強制労働させられており、それは後日、ソルジェニーツイン『イワン・デニーソヴィチの一日』『収容所群島』として実態が明らかになる。

2 移送や抑留の実態と過酷な生存競争
ホロコーストではなかったと言っても、シベリア抑留も悲惨を極めるものだった。以下、石原の著作からその処遇を紹介しておく。

まずシベリア移送では椅子も何もない貨車にすし詰めに押し込まれる。車両には水桶が置かれており、次はいつ飲めるかわからないという不安にかられた兵士たちは我先に飲みまくった。
すぐに尿意、便意を催した兵士たちは、今度は排便桶に群がるが、小さな桶はあっという間に溢れ、流れ出した糞尿にまみれながら兵士たちはパンを齧った。ここで人間の尊厳とやらは、ほとんどの人から消し飛んでしまう。

収容所に着くと、極寒と貧しい食料の下での強制労働が開始され、これに耐えられない人間はバタバタと死んでいく。石原によると人間の第一次淘汰だという。その淘汰が何次か続き、労働に耐えられる人間だけが残った段階で数が落ち着いていく。

乏しい食料は元日本軍の上官たちが上前をはね、さらに乏しくなった食料を2人のコンビで均等に分割して食べる。この分割は命がけであり、相手が誤魔化さないか血眼で監視しながら食事する。作業用具の良し悪しも作業効率の大きな決定要因だから、作業開始の際は良い用具の奪い合いである。
また、作業現場との往復では、凍結した雪に足を滑らせて列からわずかでもはみ出ると、ソ連兵が面白半分に射殺するから、誰も皆列の内側に並びたがり、ここでも競争がある。

朝起きると、隣で寝ていた仲間が冷たくなっている世界では、すべてが死に直結する真剣な問題で、仲間同士で生存競争を繰り広げるのである。そこでの仲間の信頼とは何か。収容された者は根源的な人間不信と自己嫌悪に投げ込まれざるを得ない。
厳寒に閉ざされた自然の中で膨大な人間の犠牲と相互不信の上に成り立った世界、たとえ生命は取り留めて生還できたとしても、精神の大きな部分を欠落させられる世界、それが強制収容所なのだ。

3 映画で描かれたのどかな収容所
シベリア抑留とは2に記載したように過酷極まりない場所である。ところが映画化された作品を観るに、確かに人がバタバタ死んでいくようなのだが、厳寒の中で木材を伐採したり、岩石を掘削したりさせられる強制労働の困難さがいささかも伝わってこない。非人間的な処遇もろくに伝わってこない。

胡桃沢の著作では慢性化した飢餓状態の結果、便所代わりの土の穴に入って、糞尿に浸かりながら底に落ちた馬の死体の骨を折り取って、骨髄液を啜る凄まじいシーンが描かれているが、そんなものはカケラもなく、人間同士の生存競争も面白がって日本兵を射殺する看守もいない。

その代わり、何となくのどかな収容所生活が繰り広げられ、語学力と教養に恵まれた主人公は文盲の仲間に字を教えたり、野球の試合を開催したり、率先してソ連兵に抗議したりという間延びした美談が続くのである。
自然も労働も人間関係も過酷さとは縁遠く、まるで『大脱走』とか『ショーシャンクの空に』ではないか。これがシベリア抑留の実態をどこまで表現しているのだろう? いや、そもそもこれはシベリア抑留の映画なのだろうか??
だから最後に収容所の仲間たちが、主人公の遺書を手分けして暗記して、故国の家族に伝えようという連帯感が理解できない。遺書の切迫感も理解できないのだ。

石原の前掲書には、夥しい死の中で他者の死を引き受けるかのように、進んで苦しい仕事や役割を担う勇気ある人間が描かれており、本作の主人公に酷似している。しかし、同著では人間不信の洗礼を受けたペシミストと規定しているのに対し、この映画では正反対に最後まで希望を失わないオプティミストとされている。小生には石原の描いた像の方が納得できる気がする。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
徒然草枕

2.0がっくり

2024年1月28日
スマートフォンから投稿

レビューがめっちゃ良いから期待して見たけど、全然泣けなかったし、展開も予想できるありきたりのものばかりでいまいちでした、、泣

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ひ

5.0改めて悲惨な戦争を風化させてはならないと感じた

2024年1月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

感動。その一言に尽きました。
山本幡男という人物は、苦労を強いられながらもたくさんの方に希望を与えたことを知りました。
そして改めて悲惨な歴史である、戦争というものの恐ろしさを思い知りました。絶対に同じような過ちを犯してはいけない。今だにこの地球では戦争というものが行われています。日本人はこのような作品から戦争というものの恐ろしさを学ばなければいけません。今後、戦争体験者の方々が少なくなっていくことは事実です。戦争という恐ろしい歴史を風化させないためには、このような作品から学ぶことも重要だと感じます。

また、二宮和也をはじめとする役者さんの演技力の素晴らしさも実感しました。自然と当事者意識を持たざるおえず、涙無くして見ることはできませんでした。

この素晴らしい作品から学ぶことはたくさんあります。今後も日本が過ちを犯さないことを願います。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
chico

5.0これほどテンポ良く感動できる史実を題材にした映画は始めて。

2024年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

二宮和也が演じる山本は、無実でシベリアにある収監所(ラーゲリ)に勾留される。
戦時下ならではの理不尽な仕打ちに、多くの仲間が人間性を失っていく。
それでも山本は人間として生きること、希望を持ち続けることを訴え続けてた。
当時の厳しい現実・その中で伝えたい人間の美しさをしっかりと伝え、かつ
非常にテンポよく話が進んでいくため、集中が途切れることなく最後まで視聴できた。
今を生きる若い方に向けて見てほしいという思いがもしあるのなら、
その点に関してこの映画の脚本は出色の出来栄えだったと思う。

私は33歳で、若くもなくかといって壮年というわけでもないが、
ぜひ10代〜20代の方にもみてもらいたい。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
けみちゃ

5.0今までで。

2024年1月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

評価がいいとは観る前から知っていて鑑賞した。
でも思っていた以上にいい映画でした。

出てくる役者さんが誰1人演技くさくないし見飽きなかった。
後半は泣きっぱなしで嗚咽するほど泣いた。

観る時は次の日予定がない日に観るのをおすすめします。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
かがわ

3.0イケメンすぎる

2024年1月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

良いお話だし、豪華な実力ある俳優陣なのですが、それが過ぎている。収容中だと言うに顔が綺麗すぎる。身だしなみも整い過ぎている、リアリティが欠如していて感情移入出来なかった。最初から最後までお芝居だなと思ってみてしまった。勿体無い。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
シマケン

5.0最高の作品

2024年1月10日
iPhoneアプリから投稿

泣きじゃくった。自分にとって、この作品を超えるものは、なかなか観れないと思う。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
yuu

4.5戦争を描いた映画では良作

2024年1月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

実際は戦後のシベリアの話ですが、
戦争というものがどんな影響を及ぼすのか?
という点において広く人に伝えられる映画だと思います。
むごたらしい話をできるだけ見やすく、わかりやすくしているので、こういった作品が苦手な方でも見れると思います。

北川景子さんの演技が素晴らしく、泣かされました。

出演者の演技はもちろん素晴らしかったのですか、わかりやすくするため?の演出でところどころ萎えたので、0.5引きました。
…歯がきれいすぎるんだよなぁ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
うおろん

4.5「希望」を持って生きる

2024年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

過酷で絶望の淵に立ったとしても、「希望」を持って生きることの大切さを受け取りました。涙なしには見ることができない、とてもいい映画でした。
とにかく、俳優としての二宮和也さんの演技が圧巻で、素晴らしかったです。

第二次世界大戦終結後のシベリアの強制収容所(ラーゲリ)での
日本人捕虜の過酷な環境について取り上げた作品で、内容自体は正直重いです。

ただ、現代においても国際的にいろいろな状況がある今だからこそ、
多くの方に観ていただきたいと感じました。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
鈴木七緒

3.0山本さんの影響が描ききれていないかな…

2024年1月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

単純

エピソードの羅列に終わった感じがしている。
何かのエピソードを重点的に描いていれば説得力が上がったかもしれない。
原作を読んでいないので視点がズレているかもしれないけれど、山本さんの遺書を記憶して伝えるというエピソードはデジタル全盛の今の時代や稗田阿礼の口誦が同時に頭に浮かび、経験や記憶や思いを伝える、というところはいつの時代も普遍的なのだと趣深かった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
うつつのつづき

4.5想像を超えた出来

2024年1月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

二宮さん演じる「山本」がかっこいい。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
とたすけ

3.5実話をもとにした物語

2023年12月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

第二次世界大戦終結後のシベリアの強制収容所(ラーゲリ)での日本人捕虜の過酷な労働・生活について取り上げた作品である。

主人公である山本幡男が周囲へとかける言葉や振る舞いに注目して見て欲しい。

今から80年ほどの少し昔の出来事ではあるが、戦後の混乱した日本の外でこのような悲惨な出来事があったことをこの作品を通じて多くの人に知ってもらいたい。

実話をもとにした戦争映画ということで一つ一つのつながりはとてもよかった。しかしながら、捕虜たちが死んでいく姿や日本人捕虜の過酷な労働の様子にリアリティが感じられなかった。緊迫感や明日への生活も不安だと感じることの出来るシーンをより多く入れることで収容所での過酷さがもっと伝わるのではないかと感じた。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
Apollo

5.0ラーゲリより愛を込めて

2023年12月24日
iPhoneアプリから投稿

戦後、日本兵が満州からの帰国を中断されソ連の収容所に送り込まれ帰国できるまでの20年近くを描いた話

 主人公、山本幡男の姿に感動した。何があっても「希望」を持ち続けること、その大切さに気付かされた。 松田、相澤、しんちゃんや周りの日本兵が山本によって変わっていく姿も感動した。
 とにかく最初から最後まで泣きっぱなしだった笑笑

コメントする (0件)
共感した! 2件)
H.M

4.0キャストにお金掛けすぎたか…

2023年12月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

後半のお涙ちょうだいにおおいにハマり号泣出来た。釣られ泣きなので、スコア的には中加算だろうか。作品的には特筆することは他にはなく、キャストのギャラに予算の大半が割かれたであろう事が容易に想像出来る。

個人的には歴史的背景が非常に興味深く、1956年までシベリア抑留があった事実に改めて驚いた。そして作中でも共産/社会主義の国家思想の一部を垣間見れるが、流石は日本映画、忖度ありきで相当なソフトタッチだ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
Iwarenkon

3.5いいお話です

2023年12月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

・戦争は悲劇だと改めて思う。
・小瀬村晶の音楽が映像にあっていてよかった。
・妻役の北川景子は美し過ぎて、役にあってないと思った。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ひろ4

3.5実話の重み でも映画はちょっとずつズレててビミョー もったいない

2023年12月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

そりょあ泣きますよ
いい話だから
でも
怖くて辛くて悲しい
映画の出来云々より、実話の重みですね
映画はもっとシンプルでいい
ラストはいらないだろ
ドラマ主演の寺尾聰を出すなら他でもなんとかなったろうに

そして、日本人は肝に銘じておかなければならないのは
すぐ北に、隙あらば領地を広げようとする旧ソ連のロシアがいると言う事です
実際、攻めてきた国です
他にも、北朝鮮や中国
のほほんとはしてられない

戦争なんて旧時代の遺物の無い世界を真剣に目指さないといけない
言うは易し行うはがたしだけど

シベリア生活はたくさんの人が死んで行く過酷な環境だったんだけど、リアリティがなく、飢餓感などの死の切迫感を感じられない
演出が軽いというか、泣かせる話に持っていく過程にしかみえなかった
塚本晋也の”野火”のような背中に冷たい物が走るような演出が無いと戦争の悲惨さがでない

ついでに言うと、エンディング曲
わけの分からないポップ調の歌より”いとしのクレメンタイン”でよかったんじゃないかな
オーマイダーリン、オーマイダーリンってね

それと
二宮和也のメイクはなんだろう
著名人でもないんだから、似せる必要は無いと思うんだけど
最初、誰かわからなかったよ

コメントする (0件)
共感した! 5件)
nakaji

3.0シベリアの強制収容所

2023年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

終戦時、ソ連は満州の日本兵をシベリアの強制収容所に送った。
すでに戦争は終わっており、捕虜を返さないのはおかしかったが、国交が正常化されていなかった。
主人公(二宮和也)は生きて帰ることを信じ、仲間達を励ましていた。
政治というのは、戦争が終わったあとも国民を苦しめる。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
いやよセブン

4.0語り継がれるべき物語

2023年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

幸せ

通算400作目の映画です。

第二次世界大戦後、シベリアの収容所に捕らえられた日本人捕虜・山本幡男の実話の映画化。雪深い山の奥地の収容所に多くの日本人が入れられ、奴隷のような重労働や何一つ自由のない理不尽な生活を強いられている中で、山本幡男は帰国して家族に会えることを信じて、シベリアで生き続けたという実話とは思えない実話です。見ている途中で感情移入してとても心苦しくなりますが、今の時代に生きているからこそ知るべき戦争の真実がありました。

「人生には希望が必要だ」山本はそう言い続けていました。どれだけ苦しいことがあろうと、希望だけは捨ててはならない。そういった山本の真っすぐな思いが仲間たちの心に希望の光を与えていました。見ているだけでつらい場面は正直頻繁にあります。でも、そればっかりでもありません。ささやかな楽しみも全力で楽しんでいる山本たちは本当に希望を失っていないんだと少しばかり嬉しくなります。それと同時に泣けてきます。物語が進むにつれどんどん泣かせるシーンが増えてきます。でも「お涙頂戴」ではありません。自然と胸を打たれて涙を流せる映画です。山本は、妻も、子どもたちも、仲間たちも同じくらい大切に思っていました。そんな山本の姿勢まで鮮明に描きだしていて、これでもかと泣かせに来ていました。これで涙が我慢できるわけがないですね。そして、ラストまで感動が消えることはなく、悲しくも美しい幸せな物語だったと思います。

戦争とはいつの時代も人々を不幸にしてしまいます。今現在も戦争をしている国があります。そして、この映画でも描かれている世界大戦を知らない世代が増えています。戦争の悲劇、歴史を誰の記憶からも消さないためにも、語り継がれなければならないのです。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ニンフィア好き

3.5俳優陣がとにかく素晴らしかった

2023年11月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

予告から少し期待しすぎた部分があり、私自身は泣けなかったが、考えさせられる部分があって胸にじんわりと広がるものがあった。俳優陣の演技が素晴らしく、物語に引き込まれました。特に二宮さんの演技は素晴らしく、悲惨で残酷な状況が苦しいほどに伝わってきて大変素晴らしかったです。だけど全体的に若干急ぎ足で話が進んでるような気がしたのと、実話を元にしているから仕方の無いことかもしれないけれど蛇足が多いなと私は感じました。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
おさかなさま

2.52023 133本目

2023年11月11日
スマートフォンから投稿

悲しい

ある程度予告編などで結末が予想できるかなと。
二ノ宮君の演技は素晴らしかったです。

あと、あの犬も。良かったぁ

コメントする (0件)
共感した! 3件)
しゅん13