「なんとか生きて生きてほしい」ラーゲリより愛を込めて ももえもんさんの映画レビュー(感想・評価)
なんとか生きて生きてほしい
この映画の反響を聞いて興味を持った時には、すでに劇場での上映が終わっていました、、。
Amazon primeの配信を心待ちにしてようやく、2024年1本目の鑑賞作品となりました。
配信が始まってすぐに観なかったのは、戦争を題材にされていて軽い気持ちではみることができないと思っていたからです。
鑑賞後、題材の重みや俳優さん方の熱演に圧倒され言葉がすぐ出てきませんでした。
まずこの話は、戦後の物語となります。
シベリア抑留を強いられ、愛する人と再開、日本へ帰るダモイを希望に生きた人、戦後帰ってこない愛する人を待ち続け、いつか再会できると希望を信じて生きた人、それぞれの想いが描かれていました。
実直で終始柔和な表情を見せる優しい人柄の山本と、帰らない夫を信じて待ち続け、子供には明るく振る舞いながら不安な表情を見せず1人で4人の子供を育てたもじみ。
山本が戦地へ行く前2人の海で話すシーン、2人がお似合いすぎて、、。
また映画最後の、結婚を偶然お互い口に出したシーンはそれまでの2人の境遇を見た後のため号泣必至でした。。
(もちろん、山本の死を知り堪えきれず庭でもじみが泣くシーンもきつかったです)
自分が心の支えにしていた人の死を聞いた時、自身は何のために生きているのだろうか、これから生きている意味はあるのだろうか、言葉にして説明せずとも無念の想いが伝わってきました。
俳優さん方は実際に戦争を経験されていないのですが、ありありと本物を見ているように私は感じ、作品に対する本気、真剣さ、向き合い方が伝わってきました。
頭で理由を考えずとも、心に直接感情が伝わってくるようで、涙が堪えきれませんでした。
感じ取った自分の考えをそのまま文章にできず、はがゆく感じます。
ただ、出演された全ての俳優さん方が素晴らしく、ストーリーも理解しやすいものとなっていたと思います。
戦争の映画は永遠の0しか観たことがなく、このジャンルは正直敬遠していました。
しかし、このような内容の話は聞いて知っておくべきと思いますし、ラーゲリはおそらく多くの人が観ることができる内容となっているのではと思います。
戦争に対する危機感と、その無情さだけは戦争が無くなっても忘れてはいけないと思いました。
主題歌Soranjiの題の意味、映画を観てようやく分かりました。
ミセスはやはり凄すぎると思います。
何回もこの歌を聞きましたし、この映画も繰り返し観ていき、また周りの人にも勧めたいと思います。