「キボンヌ(・ω・;)」ラーゲリより愛を込めて Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
キボンヌ(・ω・;)
ハルビンで捕虜ととなり戦後シベリアの強制収容所に抑留された兵士の話。
ハルビン特務機関に所属し家族と共にハルビンで暮らしていたロシア文学好きの主人公が家族とは離れ離れになり、戦後のシベリア抑留で強制労働を強いられる中で、仲間たちを励まし親交する姿をみせるストーリー。
どこまでが事実かは判らないけれど、ロシア文学が好きでロシア語を話せたり、Oh My Darling Clementineが大好きで英語で歌ったりという、この時代には珍しかったであろうインテリな主人公が、妻との約束を果たそうと生きる術を模索しつつも、仲間を励まし気遣い人間として生きることをみせていく姿は胸熱だし、南京虫の刑はおぞましいし、実際、軍曹みたいないつまでも上下関係を引っ張る人もいたんだろうね…。
過酷な状況に置かれても、人を惹きつけ巻き込み動かす、所謂求心力を持った主人公のお陰で、変われた人に、生き残れた人に、自分に戻れた元上官にと、とても人間味の溢れたドラマだった。
ところで、あれだけ引っ張ってみせたんだからクロの行方も知りたかったし、その他の人物も字幕でも良いからもうちょいその後を教えて欲しかったよね…主人公以外の人物はフィクションなのかな?
この犬は、結局、船に引き上げられて、舞鶴までみんなと一緒に帰ってきて、舞鶴で誰かに引き取られて平和に暮らしたようです。ネットで「シベリア 抑留者 クロ」で検索すると、この話、今も出てきます。船の舷側に縄梯子をたらして船員が降りて行き、氷の上にいるクロに手を差し伸べている写真があります。クロの必死さ、船員のやさしい手、こんないい写真、誰が写したのでしょう。私は、明日、映画を見に行きます。
事実に基づく話とありましたが、Bacchus様のレビューと一緒で1度は仲間を売った、裏切った兵士が自分たちは家畜ではない!と仲間を護ろうとする姿があり、大変人間味のあるストーリーでした。ロシア兵にノートを没収されそうになり、遺言書を頭の中のデータ、記憶に残すところ、二宮和也演じる一等兵に最期に名前を呼んだ場面が
深く心に残りました。