「出町柳パラレルユニバース」四畳半タイムマシンブルース ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
出町柳パラレルユニバース
Disney+で各話配信されていますが、我慢できずに劇場へ。
超面白かったです!久々に声を出して笑えた作品でした。92分という時間にコンパクトにまとめられていながら、目まぐるしく駆け回る展開に、マシマシの情報量、それらが大きな危機に繋がる、上田誠さん脚本の「ドロステのはてで僕ら」と同じ様に一つ一つのギミックが終盤に一気に回収されていく気持ちよさを再び味わえて最高でした。
エアコンのリモコンにコーラをこぼしてしまい、そこからたまたま見つけたタイムマシンでリモコンを取り戻しにいくというスケールは小さめな感じですが、話が噛み合わない展開が面白さを引き立たせていました。
タイムマシンに乗る乗らないでシュールなショートコントの様な面白さを醸し出していますし、何気ないシーンが後半に回収され、不意を突かれて爆笑でした。カッパ像、ここ掘れワンワン、不自然な物音etc…これらが何気ないシーンとシーンを繋げて疑問点を解決していってくれます。ハイスピードで物語は進みますが、混乱せずナレーションの巧みさも相まって内容がスッと入り込んでくるのはもうお見事としか言いようがないです。
タイムマシンのシステムはとてもシンプルで、最大で99年前か後、日付の設定の変更は可能、基本的には同時刻に帰る、もしくは行くことができる、という感じでこの辺りもドラえもんのタイムマシンに近しいものがありました。タイムマシンを持ってきた田村くんがまたいいキーマンで、程よく掻き乱してくれるのも良かったです。
「私」役の浅沼晋太郎さんの超早口のプロローグに魅了されました。「生徒会役員共!」の津田タカトシでのキレキレのツッコミも好きですが、今作の止まらないセリフ量にニヤけが止まりませんでした。明石さんは無表情ながら行動量が凄まじいですし、自然と可愛らしさが出ているのも好きだなぁと思えるキャラクターでした。時々慌てる描写もまた良いです。小津をはじめ、周りのキャラクターも個性強めで、1発で覚えられる我の強さでした。本田力さんも1発で分かる声で、キャラにもマッチしているのでベストキャスティングでした。一人一人に何かしら大きい役割を与えて無駄にしていないのも好感を持てます。
小さいながら壮大なスケールになっていった物語の締めはとてもカッコいいセリフで締められるという熱いシークエンスがそこにはありました。ゆるゆるっとしていた展開からは想像できないスタイリッシュさでした。まるで田村くんのように…。
劇場のスクリーンを活かした演出も好きでした。枠に押し付けている感じとか好みの塊です。
主題歌はアジカンの「出町柳パラレルワールド」
アジカンサウンドがこの映画を彩ってくれてとても良かったです。近いうちにライブに行くのでこの曲が聞けることを楽しみにしながら生活できます。
今年ベスト候補です。悪魔合体は心震わせてくれるな〜と。もう一度劇場で観るのもありですし、配信限定の話を含めて一気見もありだなーと。いや〜素晴らしかった!
鑑賞日 10/4
鑑賞時間 13:05〜14:45
座席 H-1