「何故週末の淀競馬場へ行こうと思わないのだ?」四畳半タイムマシンブルース たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
何故週末の淀競馬場へ行こうと思わないのだ?
四畳半原作者の森見登美彦とタイムマシンの上田誠は共に1979年生まれで同時期に京都で学生生活を過ごしておりこのコンビが生み出す前時代的な下宿屋を舞台としたあまりにも狭い世界の仲間内でのくだらないあれやこれやが今の若者に受け入れられるとは到底思えないが大学寮で4年間をそれこそ樋口師匠のような8回生と共同生活で過ごした私にはすごく懐かしい(彼らは20年も年下なのに!)青春なのである。寮の食券は朝昼晩3食で500円だったがそれも買えなくなると皆で飯を炊いておかずは冷や奴のみだったが何故かサッポロジャイアントだけはしっかりあったことよ。せっかくのタイムマシンを壊れたクーラーのリモコンを取りに一日前に帰るという無駄遣いがありあまる若さと時間を無為に浪費するモラトリアム時代とシンクロしなんでも描けるはずのアニメという最強の武器を手にしながらこんなくだらない小さな世界に閉じこもっていることがなさけなくも尊い。志が低くて何が悪いのだ。
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