「北ヨーロッパは民話の宝庫」LAMB ラム mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
北ヨーロッパは民話の宝庫
北方になればなるほどキリスト教、特にユダヤ教的要素は薄れていくが、その習合性は他にもまして独自のものになる。この作品のように登場人物にはキリスト教や北方神話の主人公などの名前が象徴的に使われており、一見すると神話だ宗教だと気色ばむかもだが、そこにあるのは遊牧放牧の原始的な民話ベースにおける豊穣に対する民族レベルの憧憬と現実を象徴的に表現した物語であったと言えよう。パンやサテュロス、はたまた山羊か羊か、堕天使か・・いずれも迫害の対象となった閉鎖的集団への警戒物語であり、忌避の物語であり、一方で継承された生と死の物語でもある。
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