「「ある視点部門」作品を見ると、いつもこうなる。」LAMB ラム にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
「ある視点部門」作品を見ると、いつもこうなる。
甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい、
熱い、冷たいとか、
まったりしてるとか、香ばしいとか、かぐわしいとか
芳醇とかもちもちとか・・・
日本語には味を表現する言葉が豊富で、
それは日本人の食に対する姿勢や
食文化そのもののレベルの高さが伺えるそうな。
カンヌのある視点部門の作品はなるべく追うように
しているが、そのほとんどが
「おもしろい」や「つまらない」という基準では
言い表せない作品ばかりだ。
そして、この映画。
見終わった後、さまざまな感想、考察が
頭の中に渦巻いて、
多分、今日思ってる感想と、明日思う内容は
違うんだろうなぁという複雑な思い。
そしてそれこそが、「映画」を見終わった後の
だいご味だと思っていつも見ている。
台詞や音楽は極力少なく、説明もなく、
しかし映像的にはしっかりと描いており、
ほとんど退屈せずに引き込まれてしまった。
現代社会を投影した話にも思えるし、
”母”という生き物の生きざまにも思えるし、
人と動物の境界線の話にも思えるし、
北欧神話の逸話にも思えるし、
何かのメタファーにも思えるし・・・。
「おもしろい」と「つまらない」の中間にある
全ての感情を包含している。
自分のなかの”ある視点”を変えれば
また別の感想が生まれる。
誰かと朝まで飲みながら話したくなる。
まさに”映画”の持つ魅力のひとつ。
である。
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