「不思議な魅力のミニシアター向け映画」LAMB ラム ヨークさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な魅力のミニシアター向け映画
まあ、そういう因果応報だよねっていうお話。
超自然な環境で超常現象が起きる。
都会育ちとしては山と川の広大な緑しかない圧倒的自然がもう不安になるのです。警察も救急車もすぐ来てくれないしAmazonですら配達に来てくれなさそう…!それどころかネットすらないのでは?と全く別角度から勝手に不安を煽られる舞台設定。
情報がポスターしか見てなかったので途中までアイスランドと分からず、序盤で羊飼いの夫婦に訪れた僥倖にはかなり驚いた。それを当たり前に、そして嬉しそうに受け入れてる夫婦。え、何、どういう世界線?と思いつつ観ていると食卓を囲むシーンなど今度はコントのように見えてきて笑いを堪えながら鑑賞。
ただそれもしばらくすると慣れてきて、次は何が起こるのかと期待していたけれども特に変化は起きず。
このあたり、展開の無さに退屈する人は多いような気はする。
そして物語は唐突に終わる訳で、引っ張った割には…と思ってしまうあっさり塩味仕上げ。
おそらく、あまり理詰めで考察するような類の映画ではなく、あの圧倒的な超自然環境でおよそ科学の力が及ばない超常現象が起きたら怖いよねっていうのを実現させた作品。
雰囲気映画と言うと軽いけれど、そういう映し出される空気感を楽しむものなのかなと。
ホラーとしては弱く、ましてやミステリーでも無い。娯楽映画としては物語の起伏に欠ける。でも一部の人を魅了するものは持っている。そんな映画。
この手の映画は日本劇場未公開となりそうなのになぁと思って調べたら配給がA24で、なるほどと合点がいきました。やはりまだA24自体がファンを握っているという事なのでしょうか。
個人的には、映画館で観てなければほぼ確実にヨギボーの上で観ながらスヤスヤと寝落ちしてると思います。あの羊のように…