「誰かを犠牲にした幸せは報いを受けることになる」LAMB ラム tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かを犠牲にした幸せは報いを受けることになる
羊から産まれたものの正体を明らかにしないまま、日常を淡々と描いていく静謐な映像が、緊張感とサスペンスを高めていく。
それの正体が判明した後は、いくら過去に子供を亡くしているとはいえ、その子と同じ名前を付けて、それを我が子のように育てようとする姿は、やはり異常に思えてしまう。そもそも、それを、可愛いと思う前に、不気味で気持ち悪いと思う方が、普通の感覚というものではないだろうか?
しかしながら、夫が言うように、本人が幸せならばそれで良く、第三者が、人の幸せにとやかく口を挟むべきではないのかもしかれない。
ただし、妻は、それを我がものとするために、本当の母親を亡きものとし、やがて、その報いを受けることになる。
どこか寓意が感じられるラストだが、他者の犠牲の上に成り立つ幸せは、決して許されるものではないということか?
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