消えない罪のレビュー・感想・評価
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おいらのサンドラを泣かす奴は unforgivable ❗
サンドラ・ブロックファンでございます。NETFLIXで12月に公開される映画ですが、本日映画館で観賞できました。
本題は The unforgivable. unforgivable は、許されない、容赦することができないという意味の形容詞です。邦題は「消えない罪」
サンドラさすがです。
刑務所から出てくる場面から始まる設定はオーシャンズ8と同じですが、全然違います。こういった設定でのマジのサンドラも大好きだし、コメディアンヌのサンドラも大好きです。
魚の下おろし工場で一緒になるブランク(ジョン・バーンサル)といい感じにななります。サンドラをトラックの助手席にのせて送ってあげる場面。エンジンをかけたときに、スピーカーから爆音のロックが流れます。魚の加工工場で働きながら、オヤジバンドのドラムをやっているブランク。残念ながらバンド演奏場面はありません。この曲好きって?と聞かれて、サンドラはドラムは好きよと答える。その時だけサンドラの笑顔が輝きます。魚加工場は刑務官が紹介してくれた職場ですが、大工の腕前に自信があるリース。たまたま電動ノコギリの音が聞こえてきた建物に入って行きます。そこはホームレスの簡易住居を作っているNPO法人でした。素人仕事を見抜いたサンドラは一時間余りで自分の実力を示して、副業にありつきます。そこでは寝泊まりできるし、屋上でバーンサルと植物を育てるシーンなどがとてもよい。送ってあげた夜に恋の炎で寝付かれないブランクはドーナツと新しい防寒コートを買って届けます。しかし、報復を予期して、常に警戒しているルースはでかいレンチを手にして、迎え撃ちにしようとします。緊張するシーンです。
ファミレスでのデートで、ブランクがパンケーキを注文するのですが、ルース(サンドラ)は警官殺しで懲役20年で、仮釈放中だとコクってしまい、店を飛び出してしまう。その後、職場で膝蹴りの得意なおばさんにボコられ、携帯電話は魚臭い水の中に。蓋を開け電池を取り出して拭くのですが、壊れたままに。私も経験があります。海釣りに行った次の日ぐらいに携帯が壊れます。乾かしても、なかなか復帰しません。塩水はダメです。殴りかかってきたのは、たぶん殉職した警官が身内にいるおばさん。ブランクが誰かに話してしまった。ブランクも刑務所から一年半前に出てきた身だと、後で謝るのですが、もう遅い。リースはせっかく作ったハウスの壁に当たり散らして壊してしまいます。この悲しいシーンはサンドラのアクションが炸裂するシーンです。ジョン・バーンサルも好きなのですが、これは許せない! unforgivable でした。自分も同じ立場なのに思慮が無さすぎ。それだけに、私はブランクが unforgivable でした。おいらのサンドラを泣かす奴は unforgivable です。
リースの妹役はどこかで見たな~と思ったら、オーストラリアはタスマニアでの黒歴史の映画【ナイチンゲール】の主演のアシュリン・フランチオージでした。そのほかの脇の俳優さんたちも皆よかったです。とくに、ロブ・モーガン、ヴィンセント・ドノフリオ、 ヴィオラ・デイヴィス。音楽はハンス・ジマー。完璧です。
パンケーキ🥞をみると、どうしようもなくなってしまうルース。いいお姉さんでした。泣けました。
ストロベリーホイップクリームパンケーキを食べる子役の子がキャサリンにそっくりな子なのにも感心しました。
右頬から鼻の傷もリアルでした。
想像すればする程きつい
いい意味で期待を裏切る良作
海外の批評が良くなかったため期待していなかったが、想像よりずっと良かった。
イギリスのミニドラマ版を観ていたのでストーリーは分かっていたが、それでもドキドキしたし新鮮にみられた。上手くまとめていたと思う。しかしほぼドラマと同じストーリーってのはびっくり。ハリウッドの御涙頂戴にはなってなかった。(まぁドラマ版のご都合主義な展開もそのままだったが。)
化粧っけなしのサンドラ・ブロックの賞狙い演技かな?と思いながらもすぐに惹きこまれた。彼女は大泣きしたり恫喝したりする派手な演技よりも今回の主人公のように、ブレイクに罪を打ち明けて店から出るシーンで涙を一瞬で堪えて感情に蓋をする演技や、ケイティが記憶を無くしていることを悟り、決意と共にパンケーキを食べるケイティを眺める切ない笑顔の演技が抜群だと思う。
胸を締め付けられた。
フラッシュバックが多様されていて気が散る、登場人物が多い割に各自を描き切れていないという面もあるが自分には許容範囲内(ロブ・モーガン演ずるヴィンセントとヴィオラ・デイヴィス演ずるリズがもうちょっと深みある役だとなーとは。)
主人公の身勝手さが思わぬ事件を起こしてしまう点は後味は悪いが、それでもラストには涙。ドラマ版よりかなりあっさりめの終わり方も逆に良かった。
重低音の重苦しい響きは「砂の器」を思わせて
問題作であることは間違いない
人によっては観たら死にたくなる映画かもしれない。当方がそうだった。
映画の前半はサンドラ・ブロック演じる主人公ルース・スレイターに感情移入して世の中の全部が敵に見える。こんな世の中に生きる意味はない。主人公はどこかで死ぬ勇気を手に入れるべきだ。そう思ってこちらも死にたくなる。
しかし後半になって、ルースが自分の欲求を満たすために他人の迷惑も顧みないで頼みまくる姿に、徐々に嫌気が差してくる。ほぼ他人に命令するかのような厚かましくも図々しい態度である。こんな主人公は早く自殺するべきだと思ってしまう。そして自省すれば自分もルースと変わらないことに気づいて死にたくなる。
世の中が腐っているのか、自分が腐っているのか、それともその両方なのか、いずれにしろ死にたくなるのである。それだけ心を揺さぶってくる映画であり、サンドラ・ブロックの演技は凄かった。
タイトルの「The unforgivable」は直訳すると「許すことのできない人々」となる。刑法上の罰を受けて刑期をまっとうしても、世間は許さない。法律と人心は違うのだ。殺人罪で服役した者は、出所してもまともに生きていけない。であれば、殺人罪の刑罰はすべて死刑にすればよさそうなものだが、世界は死刑廃止の潮流である。
ルースは模範囚で刑期を短縮され、20年で出所した。ルースの命を支えたのも税金である。つまり刑務所が税金で運営されている以上、受刑者は税金で生かされている訳で、そのことも、犯罪者を許さない理由のひとつになっていると思う。
ネットの時代だから、名前でサーチすれば前科などはすぐに明らかになる。出所した死刑囚の就職は困難を極める。社会復帰などという言葉は世間を知らない法律家のお題目に過ぎない。
現行犯を除いて、すべての容疑者には推定無罪の原則が適用されることを人々は忘れている。警察に逮捕された瞬間に犯罪者となってしまうのだ。法律家は冤罪の場合に取り返しがつかなくなることを恐れて死刑を廃止したいようだが、40年も50年も収監されたあとで無罪になったとしても、人生は取り返せない。いっそ死刑にしてほしかったとなるのではないだろうか。
警察は検挙率を上げたい。一度、窃盗犯がでっち上げられている可能性の高い現場に遭遇したことがある。横断歩道で信号待ちをしているときに、横で待っていた自転車の中年男性に二人組の警察官が自転車の登録性はありますかと話しかけた。男性は不快感を隠そうともせずにないよと答えた。警察官は笑顔で、ではちょっとご同行願えますかと言った。笑顔ではあるが、有無を言わせない口調である。男性は仕事で忙しいと抵抗したが、結局は連れていかれた。
様々な問題が想定される作品で、それらの問題を一身に受けたようなルースの無表情が大変に重い。喜怒哀楽や警戒心、敵愾心などを全部合わせたら無表情になるのではないかと思わせる無表情なのだ。
犯罪は独善と不寛容である。子供を虐待する親は、子供が自分のものだという独善から、最悪の場合は子供を殺してしまう。ルースにも同じ独善があったのではないか。
鑑賞後に、解決されない問題が心にわだかまり続ける。名作ではないかもしれないが、問題作であることは間違いない。
妹の妹に誰もが救われた気がします
乱暴な言い方ですが、20年前のあの殺人は事件ではなく、事故です。
姉が守りたかった生活、そのために自らの本気度を鼓舞するために用意した銃。
5歳の妹は状況を理解することはできなくても、ただならぬ雰囲気に突き動かされてとった行動…それが真実のすべてだと思います。
もし、あの時、姉がもう少し法的責任の社会通念(5歳の幼児に殺意など認められないはず)に思いが至ったのならば、そのまま警察に事実を伝えれば良かったのに、と客観的には思うけれど、あの時の姉にとって、あれは妹に傷を残さないための唯一の選択肢だったのだと思います。
20年前の事件を担当した弁護士(映画にはまったく出てきません…日本だったら国選弁護士ということになるのだと思いますが)がもしひとかどの優しさと真実への探究心があったなら、こんなことにはなっていなかったのに。
妹の妹(義理の妹のほうです)の姉へのリスペクトと思いやりと優しさがこの映画のすべてを浄化してくれました。
フラッシュバック
氷の世界
荒涼、殺伐、といった雰囲気の映画を見たくて見たら、その通りだった。様々な人間関係の描写は素っ気ないけど、よくわかる。役者の演技はみんな素晴らしい。ただし、肝心の「姉妹」の関係が親子と勘違いしそうになる。緊迫する場面は、フラッシュバックが必ずはいったり、スリラーっぽくなる傾向があるので、少し興ざめする。
結局、荒涼、殺伐とした世界で主人公が生きていく世界には、本当の悪人は一人も登場しない。よくよく見れば、みんな、いい人しかいない世界が描かれるが、それでも最後の場面は感動する。自らの存在価値の確認を求める彷徨の物語。
サンドラ・ブロックの終始憂鬱なお顔が印象的
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