「消された手形」マイスモールランド 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
消された手形
父親が国にいられなくなったため日本に“難民”としてやってきたサーリャ一家。
サーリャの妹と弟は日本語しか知らず、サーリャ自身も幼い頃に日本にやって来たので日本での生活が長い。
そんな時、難民申請が不認定となり、生活に様々な制限がかかることになる。
そして、さらにある事件が起きて…
日本人として絶対に知っておくべき問題。
そして、その上で観ておくべき作品だった。
おもてなしの国、日本。
クーラーは効いてないけど飯は冷たい。
先日のニュースで初めて入管の問題を知った無知な者だけど、こうやって裏で苦しんでいる人が日本には沢山いるんだと思うと本当になんとかすべきだと願うばかり。
ただ、無力さも痛感した。
私1人の力ではどうにもならないし、自分も偽りの善意で歩み寄ろうとする傍観者の1人なのかもしれない。
もしも自分の友達や好きな人に苦しむ人がいたら何が出来るのだろう。
自分の出身も家庭環境も言えない。
ただ、言わないことでの心地良さも知っているし、お祈りの意味なんて正直分からない。
石を探す弟、サーリャと壁を感じる妹、家族みんなで日本に残りたいと思うサーリャ、娘たちの幸せを願う父親。
複雑だけど純粋なそれぞれの想いに何も言えなくなる。
敢えて最後まで描き切らない。
この問題が現在進行形で起きていることを示唆するようなラストがとても良かった。
唐揚げさんのレビューは、なんとなくその映画を見たくなるような魅力があります。まだ、見ていない映画のレビューを読みながら、いくつか「見てみたい映画」リストに載せたくなる作品が出てきました。
この「マイスモールランド」は見ていた映画です。好きな作品でした。