「この作品を観る人たちに、日本にいるクルド人のことをできる限り柔らかく伝えようとしている、クルドを知るための入口のような作品かと思います。奥はとても深そうです。。」マイスモールランド もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品を観る人たちに、日本にいるクルド人のことをできる限り柔らかく伝えようとしている、クルドを知るための入口のような作品かと思います。奥はとても深そうです。。
クルド人という言葉は知ってはいるのですが
実際のところは全く知らないと言って良いです。
日本で暮らす彼らをどう描くのか気になり鑑賞。
日本に逃れてきて生活を始めた親子。
埼玉の高校に通うサーリャ。
小学生に編入した際の担任にあこがれて
日本で教員になりたいと願う。
東京のコンビニでバイトをするサーリャ。
バイト仲間で同級生の聡太とも仲よくなり
夢を語り合うほどに親しさを増していたが…。
父の出していた難民申請が却下されてしまう。 むむ。
「働くことも認められず、
県外に出てもいけない」 えぇ… どうやって暮らせと…
隠れて働くしかない父。 だが…
父は捕まり、収監されてしまう。
大学への推薦も取り消されてしまうサーリャ。
…
とまあ
難民の実態を、なるべく暗さを抑えながら
描いている作品。 というイメージ。
クルド人。クルド民族。 彼らのことを
ほとんど知らないということを知る作品でした。
◇
ウクライナ難民が受け入れられている今
クルドや他の地域の難民たちの扱いは
何か変わったのかどうか。
民族の問題 って
奥は深く、理解が難しいことが多いのですが
考えることは、止めちゃいけない …とは思います。
そうそれはそうと
この作品、フランスとの合作なんですね。
ちょっとびっくりしました。
プロデューサーにフランス風の名前がありましたが
どういう関わり方なのか
ちょっと興味があります。
◇ あれこれ
記憶に残った場面
収監された父に面会に行った際
空調が効かず、冷えた食事。 それらを
「 素敵な 「オ モ テナシ」 」
と皮肉るサーリャの父の言葉が印象的。
なんかこう 哀しい…。
クルド人
現在では4つの国に別れてしまった地域に
もともと住んでいた人びと。
「中東の火薬庫」 とも言われている地域とか。 …
元住んでいた土地を取り返したい人もいれば
たどりついた新しい土地で暮らしたい人も。
この作品は後者のお話な訳ですが
やってきた人を受け入れる - それだけの事が難しい。
という、その現実が悲しい。 う~ん。。
それにしても、クルド人って3000万人もいるそうで。
ちょっとした国家ひとつ分。 びっくり。
クルドの星
という漫画のタイトルで ※(作:安彦良和)
クルドという名前を知っていましたが
読んだことがありませんでした。
フィクションなのかもしれませんが
読んでみようと思い立ち購入しました。
ヒロイン役
の、嵐莉菜さん
顔だちの整った美人さんです。
ハーフなのかと思ったら、ルーツが
日本・ドイツ・イラン・イラク・ロシア
の5カ国だそうで。
なんとインターナショナルな。
同級生との会話での 「マジか」 というセリフが
なぜか記憶に残ってます。
(顔だちは外国人、会話は日本人的 …だからか?)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。