「国を失った民族」マイスモールランド Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
国を失った民族
埼玉県川口市で長いこと暮らしていたが、難民申請が通らず、仮放免となったクルド人家族の話。
母親は亡くなり解体屋で働く父親のもとコンビニでバイトをする女子高生の主人公と、中学生の妹と小学生の弟と暮らすクルド人家族。
国籍はわからないけれど、父親が出身国でデモに参加し、帰国すると逮捕されるという状況らしいが…そこの辺りはあまり明確にはされませんでしたね。
そういえば一緒くたには出来ないしクルド人ではないけれど、2021年の東京オリンピックの際にも抗議行動をして自ら難民になった人が居ましたし、出稼ぎ目的で難民申請している人も多数居るので、日本では難民申請がなかなか通らないという現状をどうこういうつもりはありません。
今作で描かれて居る主人公は難民の子であり、彼女のアイデンティティは父親のそれとは異なるのは明らかで、ましてや妹と弟はもっとでしょうね。
主人公の苦悩や決意、そして周辺人物の変化や揺らぎなどとても響くし、考えたり議論する切っ掛けや材料にはなるけれど、即、日本の難民認定法がサイテーとか、もっと受け入れてあげれば良いのにーとかいう人が溢れ返りそうな偏りも少し感じた。
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いぱねまさんのコメント
2022年10月12日
empathyとdiversityは共存できるようで実は矛盾してるかもしれないと各レビューを観て思いました
それよりも、今作品を懐疑的に捉える人達の"是枝節"に対する嫌悪感の滲ませに興味深さを感じる今日この頃ですw
失礼しました、返信無しで大丈夫です