ベネシアフレニアのレビュー・感想・評価
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ジャーロ映画と生真面目さのヘンテコなミスマッチ。
アレックス・デ・ラ・イグレシアの映画だから、さぞやブッ飛んだ怪作になっているに違いない、という予想は、思わぬ形で裏切られた。運河の古都ベネチアを訪れる観光客を狙った連続殺人事件。街そのものが迷宮となり、奇妙な道化師が暗躍する……と、まあ、そんなイメージは間違っていないのだが、予想外に真面目な犯行理由と、行き過ぎたオーバーツーリズムを批判するまっとうなメッセージ。事件の締めも「これでいいの?」と思うほど地味。でも、だからといってつまらないわけではない。ホラーやスリラーとして振り切れない、どっちつかずの寸止め感がクセになるのは、ジャーロ映画と生真面目さの奇妙なミスマッチが新鮮なオモシロになっているからではなかろうか。
オーバーツーリズム殺人鬼
タイトルのフレニアはポルトガル語で狂乱と言う意味らしい、ベネチアは人口5万人の小さな水の都、訪れる観光客は年間2500万人だからすごい人気観光地だが住民にしてみれば迷惑千万、特に大型クルーズ船は船中泊だからお金も落ちないので嫌われており、近年は乗り入れが禁止されたらしい。観光客がくれば町の経済も潤うだろうから普通は大歓迎と単純に考えていた私にはベネチアの人がそんなに嫌っているのは知らなかった。
そんな、オーバーツーリズムを嫌悪する地元の仮面の男がスペインから来た観光客を惨殺するホラー映画。監督も地元民の観光客殺しを認めたくなかったようで実は秘密結社の陰謀に仕立てていましたね、社会問題をホラー化するのは難しいということでしょう。
当事者の顔は
Veneciafrenia
迷惑な観光客が、土地を荒らしては去っていく。開始から主人公の一行もステレオタイプに描かれるが、一方で殺されるほどか?とも感じさせる面がある
この映画では主犯格に「二面性」を持たせ、主張を展開している。過激派も存在は否定せず、しかし基本的には暴力に訴えず、抵抗する姿勢を見せたいのだと受け取った。
イサがこれだけ危険な目に遭いながらも、残る気なのかと婚約者に詰め寄られる時に、それが大切な家族、友人達のためである一方、この観光地に起きている事象に対して当事者になる決意をしたように感じられる。
観光地には客が当然必要であると主張し戦うタクシー運転手も、皆哀しく見える。
事前情報無しでジャンルも知らずに鑑賞
ヴェネツィアを訪れた観光客がいきなりピエロにどつかれ死亡!
なんじゃこのノリは。冒頭から全力疾走です。
そしてなんとなくダリオ・アルジェントな70年代風の音楽と字体と
共に夜道で出会ったらちょっとビビるフリークスのビジュアルが
怒涛の如く流れる最高にご機嫌なオープニングタイトル!
これは期待できる。
このオープニングタイトルだけでも観る価値有り。
さてヴェネツィアにやって来た次の犠牲者は若いスペイン人の男女5名。
ヴェネツィアを舞台にしたスペイン映画と知ったのは鑑賞後。
浮かれて馬鹿騒ぎするのは楽しい旅行だから仕方ないけれど
上陸して間も無くさっきのピエロに目をつけられ全員に死亡フラグ。
ただしハリウッド製ホラー映画と違いスポーツ系筋肉イケメン
金髪巨乳、なぜか事情に詳しいオタク君、生き残る地味な女の子
その娘をずっと想っていた気の弱い男のテンプレグループではないので
死ぬ順番は分かりません。初日の晩にペスト医師マスクの男の誘いを
断ったのは賢い選択だったが結局酔った勢いで追跡し怪しいクラブへ。
上映前の激しい点滅への注意喚起はここでしょうね。発作起きそう。
翌朝起きると男1名行方不明。昨夜クラブの奥で誘われていたよね。
言葉は違うし現地の人は非協力的だし警察もあんまりやる気ないし
大使館も当てにならない最高にストレスが溜まる状況です。
そんな中なぜか協力的な水上バスのダンディ親父と連んで仲間を
探すものの1人はピエロに誘拐されもう1人は串刺し+首チョンパ。
ピエロは相当頭の悪い快楽殺人鬼みたいで見せ物と偽って白昼堂々と
観光客を殺害するのだがそれに気付かずスマホで写真を撮りまくる
通りすがりの観光客も頭悪すぎ。さすがに気付くだろ?
ここら辺からペスト医師が率いる愉快なマスク仲間たちの目的が
分かってきます。てっきりカルト宗教の贄と思っていたら有志による
お行儀の悪い観光客排除を推進する町内会活動の一環とは!
殺人が明らかになった事で警察も動き出すが仲間を救出するため
先行してアジトに踏み込んだ主人公一行はやめときゃ良いのに
ピエロと対決しここでまた1人犠牲者。超痛そうな操り人形の刑。
通報で駆けつけた警察に撃たれてピエロは呆気なく死亡。
拉致された仲間も発見され一斉検挙かと思ったら被疑者自決で一件落着。
中盤までのオカルトチックで理不尽な流れは良かったのに
人間の起こした事件ってオチは残念。
「ミッドサマー」みたいに盛大でカルトな盛り上がりが欲しかった。
Kill Rendez-vous
観光客を殺す…!という予告を見て、あっ面白そうと思い鑑賞。
期待していたものほどではありませんでしたが、意外としっかりした物語にR指定のちゃんとしたグロさが備わっていた上位のB級作品でした。
序盤で颯爽とカメラで観光客がボッコボコにされて、そこから連れ去られるという前置きがいきなりド派手で良かったです。そこから豪華なオープニングと共に気持ちを高まらせてくれる作品になっていました。
ただそこからは少しのっぺりした感じ+ギスギスした雰囲気で物語が進むのでちょっと物足りなさが出てきます。道中、急に罪の無い観光客がぶっ刺されまくって連れ去られる絵面はエグかったです。ただ昼間にしたらバレるだろとは思ってしまいました。
仲間のメンバーが次々と連れ去られる中、手がかりを集めて犯人の元へ辿り着くという、まさかのサスペンスになってきたのには驚きました。正体も早い段階で明かしているのに、そこからさらに深掘りしていく様子は中々面白かったです。
殺す側の道化師たちもなかなかにヤバい奴らですが、それ以上にヤバさを感じたのは街中の人々でした。目の前でどれだけ血が噴き出ようとも、残忍に死のうとも、どれも演技だと信じて疑わず、道化師を祝福する異様さ。
ここが一番ホラーでした。
終盤の廃劇場での対峙の末に、手を刺されまくり、操り人形にされて殺されるという派手な死に方は見応えがありました。そこからの道化師はそこまで強くなかったのでちょっと残念でしたが。
観光客に好き勝手されたらそりゃキレたくもなるよなぁとは思いつつ、その怒りが最終形態になってしまったのが今作だったんだなと思います。少し綺麗に収めすぎた感が否めませんが、そこまで悪くない作品なのでオススメです。
鑑賞日 4/26
鑑賞時間 11:20〜13:10
座席 F-8
やっぱりピエロは怖い
快楽殺人というわけではなく、一応それなりに
犯行理由があるってところがまぁ面白い。
カーニバルの衣装を着て、街を散策したい。
あぁ一度は行ってみたいイタリア・ベネチア🚢
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水の都ベネチアの観光公害は、
実際に大きな問題になっているので
イタリア人の観光客に対する憎悪や敵意が
本物に思えてきます。
※スペイン製作ですけどねw
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ベネチアに上陸するなり、
頭の悪さ全開の観光客と化すイサたちに、
そういえば宮島でも
うかれぽんちな外国人おるなぁ。とか思ったし
なんなら日本人だって旅行先の諸外国で
ばかやってんだろうなぁ。と思うと
現地に住んでいる人たちにとって
観光客のおかげで経済回ると思う反面、
鬱陶しくも感じるだろうなぁ。とか考えながら
観ていると、過剰ではあるもののピエロの
復讐劇にも納得してしまいます🤡
(酒屋のシーンやホテルフロントでのシーンなど)
そしてやっぱり🤡って怖いです🤣
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操り人形とかすごく好みではありますが
ホラー映画を期待して観ると
どちらかと言えばサスペンス色が強く
何ならピエロも弱っちい🤣
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ちなみにカーニバルで着用する仮面は
ぜひ「ペスト医師」のあればいいな🐦
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