「事前情報無しでジャンルも知らずに鑑賞」ベネシアフレニア シゲさんの映画レビュー(感想・評価)
事前情報無しでジャンルも知らずに鑑賞
ヴェネツィアを訪れた観光客がいきなりピエロにどつかれ死亡!
なんじゃこのノリは。冒頭から全力疾走です。
そしてなんとなくダリオ・アルジェントな70年代風の音楽と字体と
共に夜道で出会ったらちょっとビビるフリークスのビジュアルが
怒涛の如く流れる最高にご機嫌なオープニングタイトル!
これは期待できる。
このオープニングタイトルだけでも観る価値有り。
さてヴェネツィアにやって来た次の犠牲者は若いスペイン人の男女5名。
ヴェネツィアを舞台にしたスペイン映画と知ったのは鑑賞後。
浮かれて馬鹿騒ぎするのは楽しい旅行だから仕方ないけれど
上陸して間も無くさっきのピエロに目をつけられ全員に死亡フラグ。
ただしハリウッド製ホラー映画と違いスポーツ系筋肉イケメン
金髪巨乳、なぜか事情に詳しいオタク君、生き残る地味な女の子
その娘をずっと想っていた気の弱い男のテンプレグループではないので
死ぬ順番は分かりません。初日の晩にペスト医師マスクの男の誘いを
断ったのは賢い選択だったが結局酔った勢いで追跡し怪しいクラブへ。
上映前の激しい点滅への注意喚起はここでしょうね。発作起きそう。
翌朝起きると男1名行方不明。昨夜クラブの奥で誘われていたよね。
言葉は違うし現地の人は非協力的だし警察もあんまりやる気ないし
大使館も当てにならない最高にストレスが溜まる状況です。
そんな中なぜか協力的な水上バスのダンディ親父と連んで仲間を
探すものの1人はピエロに誘拐されもう1人は串刺し+首チョンパ。
ピエロは相当頭の悪い快楽殺人鬼みたいで見せ物と偽って白昼堂々と
観光客を殺害するのだがそれに気付かずスマホで写真を撮りまくる
通りすがりの観光客も頭悪すぎ。さすがに気付くだろ?
ここら辺からペスト医師が率いる愉快なマスク仲間たちの目的が
分かってきます。てっきりカルト宗教の贄と思っていたら有志による
お行儀の悪い観光客排除を推進する町内会活動の一環とは!
殺人が明らかになった事で警察も動き出すが仲間を救出するため
先行してアジトに踏み込んだ主人公一行はやめときゃ良いのに
ピエロと対決しここでまた1人犠牲者。超痛そうな操り人形の刑。
通報で駆けつけた警察に撃たれてピエロは呆気なく死亡。
拉致された仲間も発見され一斉検挙かと思ったら被疑者自決で一件落着。
中盤までのオカルトチックで理不尽な流れは良かったのに
人間の起こした事件ってオチは残念。
「ミッドサマー」みたいに盛大でカルトな盛り上がりが欲しかった。