劇場公開日 2022年10月8日

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「揺れ動く少女の心と家族との葛藤」アメリカから来た少女 caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0揺れ動く少女の心と家族との葛藤

2022年10月15日
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鑑賞方法:映画館

台湾の経済はそれほど貧しいとは思えないが、様々な国際情勢に左右される部分はある思う。
アメリカから台湾に戻ってきた13歳の少女ファンイーだが、アメリカに戻りたいと思うのは当然のことだとは思う。
母親の病気、離れていた父親との関係、慣れない学校生活など、ひとりでは背負いきれないストレスが少女の心を揺れ動かす。
主役のケイトリン・ファンさんはオーディションで選ばれ、演技未経験だというが、その表現力は素晴らしく、主人公ファンイーの感情の動きをよくとらえている。
この映画はSARSという題材を扱い、現在のコロナと結びつけることもできるが、ことさらに不幸を強調せず、親子の幸福感を描いているところが素晴らしい。
ロアン・ファンイー監督の長編デビュー作品。これからも、こんな心に残る映画をつくり続けてほしい。

#168

caduceus