「普遍的な人間ドラマ」モスル あるSWAT部隊の戦い tkryさんの映画レビュー(感想・評価)
普遍的な人間ドラマ
かと。
イラクの内戦のなかでISISと戦うSWAT部隊のお話、と聞くと日本人には馴染みの薄い、縁遠い話かなと思いがちです。
しかし本作は、大義や宗教といったものために戦う兵士の物語ではなく、愛するものために戦う普遍的で人間味のあるドラマです。
観客は主人公ともども「目的」を知らないまま戦地を駆け回るわけです。
当初はISISへの復讐かと思いきや…最後の着地は見事です。
もちろん戦争の「リアル」は存じ上げませんが、ついさっきまで談笑していた同僚が一瞬にして銃撃され息絶えていく様や、混沌とした戦場にて敵味方を見失う様など、戦争ってこういうモノなんだろうなと思った次第です。
個人的に冒頭のモスル空撮ショットが本作の導入として上手いと感じました。
冒頭からラストまで話の筋は一本でシンプルですが、絶え間ない緊張感で観たあとは脳が疲れました。
一見、社会派っぽい題材ですし、その面から観ても基本は問題ないですが、ハリウッド戦争アクションとして娯楽映画としても本当に良くできている作品です。
今も世界のあちらこちらで内戦が進行しておりますし、そんな中で呑気に親ガチャとか言ってる日本人こそ観ておいたほうがよいでしょうね。
毎年8月の終戦記念日あたり、太平洋戦争の大いなる犠牲を悼むのも大事だと思います。
それと同じように現在進行形で起きている世界の紛争に目を向けてもいいかもしれません。
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