ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールドのレビュー・感想・評価
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エレナ・カンプーリスがブレイクしなくてもどかしい
観た人の多くがすでに語っているように、1980年代に個性的な音楽スタイルでややマニアックな支持を集めた英国のロックバンド「ザ・スミス」の楽曲が好きかどうかで、本作の評価も大きく違ってくるだろう。ギターサウンド主体の英国ロックで80年代に先行していたのは、セックスピストルズ、ジャム、ポリスあたりが思い浮かぶが、ジョニー・マーのギター奏法、アルペジオ(分散和音)を活用した印象的なリフがバンドサウンドの土台を作り、モリッシーのダンディーと軟弱がほどよくミックスされたボーカルで完成する、あのスミスの立ち位置は今思い返してもかなり独特だった。
そんなスミスにまつわる逸話、なぜかコロラド州デンバーで起きた「ザ・スミスのファンによるラジオ局ジャック事件」に着想を得て、フレットレスベースのイノベーターだったジャコ・パストリアスのドキュメンタリー映画も作ったスティーブン・キジャク監督が脚本も兼ねて作った青春音楽映画。事件そのものは他愛なく、結果的に犯罪性が低くて不起訴に終わったそうだが、若気の至りで何かやらかしてしまうのは、もちろん音楽ファンに限らずよくあること。「アメリカン・グラフィティ」や「ハイ・フィデリティ」などと同様、ラジオDJやレコードショップといったアメリカの音楽文化を下支えする存在をリスペクトして描いている点もアメリカ映画の伝統を感じさせる。
まあ今回は音楽的な話が多くなったが、音楽抜きにひとつ書き残しておきたいのは、本作でキャストの3人目にクレジットされている、シーラ役エレナ・カンプーリス(珍しい姓はギリシャ移民の父から)のファニーでキュートな魅力がこれまであまり評価されないようで、なかなかブレイクしないのがもどかしい!ってこと。「ビフォア・アイ・フォール」ではちょっと痛い感じの高校生を演じていて、さほど大きな役ではないものの印象に残るキャラクターだった。2022年米公開予定のSF映画「WifeLike」ではトップにクレジットされているので、日本公開を楽しみに待つか……。
10日前に女王が死んだ(17.9.2022)
ナイーブで心優しい若者は、いつだって退屈して、屈折して、絶望して、ドラッグに逃げ込んだり、パリへの夢に逃げ込んだり、軍隊に逃げ込んだり、アイラインを引いたり、The Smithsに逃げ込んだり、果てには自殺したりして生きてる(最後のは死んでるか)。
The Smithsが解散した日。奇跡の一夜の物語。音楽も含め感動します。
にわかむけ
むかし(80年代半ば)イギリスにスミスというオルタナ系のバンドがいて、ものすごい人気があった。
わたしもスミスを愛聴していた。
今の若い人が(たとえば)中島みゆきを歌ったりすると、おっさんが「おれたちの時代を歌ってくれてありがとう」とか言って、いわゆる「人生の先輩マウント」をとってくる。
そういう手合いがかならず湧いてくる。
が、わたしは昔洋楽厨でほんとにスミスを愛聴していた。
もちろん、だからといって一ミクロンもマウントするつもりはない。
そもそも、誰かよりはやく生まれた──がマウントになるとは思っていない。
このレビューを書くにあたって、じぶんの情報がさんこうになるかもしれない──と思って書いているだけです。
バンドのカリスマは、ボーカルと作詞のモリッシーという人だった。
若い世代の思いを汲み、皮肉っぽくて内省的な詩を書いて、絶大な人気をほこった。
が、非英語圏のわたしは、ギター兼作曲のジョニーマーのほうを買っていた。
かれはソングライティングのセンスが(ものすごく)良かった。
これいじょうないほどいい曲を書く人だった。
じぶんにはギャラガーやマクアルーンよりも上でマッカートニーみたいな人物だった。
スミスはイギリスではアイドル的な人気があった。行く先々でワーキャーの歓声につつまれた。つまり今で言うAKBとかと同じくらいの人気があった。
ただし、音楽的な深度と、思想性もあわせもっていた。
AKBはどうなのか、解らないが、スミスの音楽は当時のイギリスの若者の生活に組み込まれ、かれらの心象を投影していた。
スミスを聴く人にとってスミスは「ソウルメイト」だった。
当時、アメリカではブリティッシュ・インヴェイジョン(英国の侵入)という現象がおこっていた。
アメリカの音楽チャートをイギリス勢が席巻(上位を独占)してしまう現象のことだ。
何度かインヴェイジョンはあったが、この80年代後半のがいちばん大きく長かった。
本作やチョボスキーの映画ウォールフラワーがちょうどその時代を描いている。
インヴェイジョン(侵入)の中には様々なイギリスのアーティストがいたが、もちろんスミスもいた。中心的な存在だった。
ただし。アメリカでもスミスは人気があったが、本作をごらんになるとわかるとおり、スミス好きは、アメリカではいわゆるギークと見なされた。(ゲイとも思われたはずだが、いまよりもゲイはタブーだったので、直結はしなかった。)
スミスの歌詞は内省的でひねくれており、アメリカのスクールカーストのなかで見た場合、スミス好きは間違いなくハミ出し者やオタクや文化部系だった。
モリッシーはクネクネしながら歌う人だった。その気配からも、とりわけ雄々しいアメリカ気質のハードロック系連中からは、スミスもそのファンも(ものすごく)嫌われた。
「軟弱なスミスなんぞ聞きやがって、キモい連中だぜ」──という感じだったと思う。
しかしガチムチなハードロッカーであっても、本質的な音楽愛好家からはスミスは悪く言われなかった。とりわけマーには(U2の)エッジのような敬意が払われた。
スミスを好きなひとはコアなファンになりやすかった。
「スミスもわりと好き」というのはなくて、のめり込むのがスミスファンだった。
(じぶんも経験があるが「スミスもわりと好き」と言うひとは、まちがいなくスミスを一曲も知らなかった。)
またスミスファンにはモッズやパンクやグランジのような外観(服装)の模倣がなかった。(モリッシーのメガネと髪型は真似されたかもしれないが)ファッションで特定しにくいのがスミスファンだった。
ジャケットはすべて古い映画のワンシーンをつかっていて、センスがよかった。
モリッシーの詩と賢いジョニーマーと映画のワンシーン──それらのパラメータから(じぶんもそうだったが)スミスを聴いているひとは自分が大人っぽくて世界を把捉できている──と思っていた。
おそらくすべてのスミスファンがそんなある種の優越をもっていたと思う。
したがって、前述のようにスミスをばかにする人がいても、その不分明を憐れんで、争いにはならない──という感じだった。
すなわち、それが優越だったとしても、一定の大人度がスミスファンにはあった──と言っていい。と思う。
(つまり個人的な認識においては、スミスファンはこの映画のような無軌道でだらしない人たちではなかった)
さて、映画だが「ザ・スミスファンのラジオ局ジャック事件」というのがあったらしい。その周辺のつれづれを、かなりダラダラの筆致で描いている。
ジョンカーニーとまでは望まないが、なんらかの同時代感覚を期待していたが、とくに感興するところはなかった。
スミスにご興味がわいたなら(他のアルバムもいいけれど)ラストのQueen Is Deadをきくといい。と思う。
スミスはじっくり、くりかえし聴いてよくなるアルバムを中心としたアーチストだ。
昔は曲単位でなくアルバムを通して聴く聴き方に意味があった。サージェントペパース~のようなトータルアルバムでなくてもそういう聴き方が不文律のようになっていた。
でも、すぐにいい感じの曲が聴きたいなら短いけれどPlease, Please, Please Let Me Get What I Wantを聴くといい。
かんぜんに余談だが、じぶん的にスミスのなかでいちばんお気に入りな曲はファーストの一曲目のReel Around the Fountain。
映画のなかで懐メロかけときゃ、旧世代が刺激される、ってわけでもない。
音楽映画見るたび、あらためてジョンカーニーのすごさがわかる。
【”涙が流れる歌は、いつか君の人生を救う!”ザ・スミスのジョニー・マーが奏でるメロディとモリッシーの詩が、自分自身や将来について思い悩んでいる若者達が自分を探し彷徨う物語とのシンクロが絶妙な作品。】
ー 今作は、アメリカコロラド州のデンバーが舞台である。
ザ・スミスのファンは、英国と日本が中心であると思っていたので少し驚くが、コロラド州のデンバーで、実際に有った”ザ・スミス”のファンがラジオジャックした事件が下敷きと知り、納得する。
スーパーで働くクレオ(ヘレナ・ハワード)は、大好きな”ザ・スミス”解散のニュースが流れても普段と変わらない日常に傷つき、レコードショップの店員ディーン(エラー・コルトレーン)に「この町の連中に一大事だと分からせたい」と訴える。
ディーンはクレオをデートに誘うが、友達ビリーが軍隊に入るので仲間(シーラ、パトリック)と集まるからとクレオは出かけていってしまう・・、とサイトに記載されている通り、物語は始まる。ー
◆感想<Caution! やや、内容に触れています。>
・冒頭、”Bigmouth Strikes Again” が大ボリュームでかかった際には、一聴した瞬間でスミスに嵌った中坊時代に心は飛ぶ。
そして、今作では20曲以上の、ザ・スミスの曲が流れるのだが、重要なシーンで流れる曲は歌詞が字幕で出る。
”Bigmouth Strikes Again”は、この場合、”実際に有ったラジオジャックの物語を、又やるよ!ってことかな・・、”と私は解釈し、心躍りながら、ついでにお客さんが二人しかいなかったので、マスクの下で一人カラオケしながら、今作を観賞した。
・突然、銃を突き付けられた、地元のヘビメタ専門のラジオ局のDJが、ディーンの指示通りにザ・スミスの曲を流す中で印象的なのは、”This Charming Man"が流れたシーンである。
”吊るされたDJ"はこの曲を聴き、”お!”と言う顔をし、使われている楽器をディーンに聞くのである。
そして、彼らは、ブリティッシュロックとメタルの壁を越えて、音楽を愛する者同士、心が通じていくのである。
- ファンの方はご存じの通り、”This Charming Man"はザ・スミスの中でも特に愛されている、3分間ポップの傑作である。ジョニー・マーのポップセンスが光る逸品でもある。-
・マドンナソックリの恰好をしたシーラ(エレナ・カンブリーズ)がボーイ・フレンドとの関係に悩むシーンで流れる”Sheila Take A Bow"の挿入のタイミングと、詩の内容と劇中のシーラの想いも絶妙なシンクロニシティである。
- スージー・スーにそっくりのゴシック・ロック好きのお姉さんの姿も、少し嬉しい。-
・”全世界の万引き犯たちよ、団結して引き継げ!”とモリッシーが謳いあげる、”Shoplifters Of The World Unite"は、正に今作のヒロイン、クレアの事を示しており、ディーンの行為はクレアの想いを引き継いでいるのである。
徐々に、ディーンのザ・スミスを愛する心と、局の外で”ザ・スミスは永遠だ!”と書かれた言葉を掲げる若者達の姿を見て、DJが言った言葉が素晴しい。
”涙が流れる歌は、いつかお前らの人生を救う!”
・警察に捕まったディーンの保釈金を親の財布から抜き取り、警察に駆け付けるクレア。だが、既にディーンはDJの粋な計らいで出所しており、クレアはディーンとキスを交わし、二人は車で警察を後にするのである。
そして、最後に流れる”How Soon is Now?”
”私は、物事を間違った方法で行っていますか?私は人間であり、愛される必要があるのです・・。”
スティーヴン・キジャック監督、見事過ぎるぞ。
<今作は、ジョニー・マーが奏でる唯一無比のメロディに乗せて、オスカー・ワイルドが大好きなモリッシーが書いた、ナルシスティックで、シニカルで、メッセージ性溢れた歌詞を、自分自身や将来について思い悩んでいる若者達が自分を探し彷徨う物語に見事に取り込んだ、ザ・スミスファンには、タマラナイ作品なのである。>
ザ・スミスが好き、もしくは好きになれれば良い映画に思えるだろう!!
今作で描かれるてる人間ドラマ自体は、かなりオーソドックスなもので、若者たちの苦悩や葛藤を描いているティーン映画と同じようなもの。ところが今作において特徴的であり、逆にそこに魅力を見いだせるかどうかによっても楽しい映画となるか、退屈な映画となるか……両極端にわかれる作品だといえるだろう
それはすごく単純なことで、ザ・スミスの魅力にハマるかハマらないかによるということだ。
映画的魅力というより、好きな音楽ジャンルであるか、もしくは好きではなかったジャンルやアーティストに触れることで好きになれるかどうかが重要な映画だといえるだろう。
実際にあったとされている、ザ・スミスのファンの青年がラジオ局をジャックして、ただひたすらザ・スミスの曲をかけさせたという事件をベースに描かれているらしいが、事実は不明確である。
『ビッグバン・セオリー』の中でもネタにされていたジョー・マンガニエロが演じるラジオDJ・ミッキーは、メタル好きであって、ザ・スミスには全く興味がないという立ち位置であり、私たちの視点に一番近いキャラクターである。
このミッキーは、ザ・スミスの曲を聴いているうちに魅力に気づいていき、心が揺れていくのだが、その部分にいかに感情移入ができるかどうか……というのが最重要な評価分岐ポイントといえるだろう。
ザ・スミスに限ったことではなく、様々なアーティストに影響された若者たちは多く存在しており、何に影響されるかは本人の自由であって、きっかけ程度ならいいが、強要されるものでは決してない。いかに、自分の趣味・思考を相手や世間に押し付けることの難しさもメタ的に提示しているようである。
『ハイ・フィデリティ』スタイルで、レコード的の中で仲間内でうんちくを言い合うオタッキーな音楽マニア映画ならキャラクター側に感情移入させられたのだろうが、良くも悪くもザ・スミスの楽曲の印象が強く残ることで、人間ドラマがどうなっているのかが、どうでもよくなってきてしまうのは難点だ。
『スコット・ウォーカー 30世紀の男』『BACKSTREET BOYS: SHOW ‘EM WHAT YOU’RE MADE OF』など多くのミュージシャンのドキュメンタリー作家でもあるスティーヴン・キジャクだが、劇映画はあまり向いていないのかもしれない……
スミスを知ってようと知ってなかろうと
The SmithsファンのThe SmithsファンによるThe Smithsファンのための映画。
スミス解散の時にデンバーで起きたラジオ局乗っ取り事件という実話を題材に、スミスの曲を全編にフィーチャーし、モリッシーやジョニー・マーのインタビュー映像も交えながら構成した青春ドラマ。
正直にいうと本当にそれだけの単純なドラマではあるんだけど、80年代にイギリスではなくアメリカの地方都市でスミス聴いてたやつなんてひねくれ者の変わり者しかいなかったはずで、まあそういうちょっとひねた若者の青春にはなんか思い入れがあって好きになってしまう。
わたし自身、後追いで聴いたとはいえスミスは大好き、だけどスミスばっかり聴いてたわけじゃないから何曲かはガッツリ分かるけどあとはああこんな曲あったねえくらいの緩いファンではあるんだけど、冒頭から"Bigmouth Strikes Again"で完全に映画の世界にハマってしまい、最後までワクワクしながら観てしまった。
ああ、この子たちもちょうどわたしと同じくらいの年頃だし、今頃50くらいになってあの頃を思い出して、めちゃくちゃしてた自分に赤面したりするんだろうな、なんて思うと全くもって他人事ではない。若かったしなあ、無茶なお酒の飲み方したり、セックスのことばかり考えてたり、同性愛めいたことにドキドキしたり、あったなあ。みたいな。それがスミスとどう関係あるかって言われるとあまりなかったりするんだけど、そこはそれ。時代の思い出がその時代に熱狂してた音楽に結びつくことはよくあることで、ましてやそれがスミスみたいな80年代を間違いなく代表するバンドともなると、最大公約数的な思い出の拠り所にはなるのよ。
だから、スミスを知ってようと知ってなかろうと、そういう青春ドラマってだけでも十分楽しめる映画ではあったと思う。
スミスファンじゃなくても楽しめた
80年代の独特の雰囲気と流れてくる音楽、オトナでも子どもでもないティーン世代のどうしようない不安感や絶望感。
もう少し前なら痛くて恥ずかしくて思い出したくないような青春時代だけど、完全大人になった今ではw 懐かしくも共感する部分も沢山あり、面白かった。
(アメリカでもないし、流石に映像ほど、弾けても遊んでもなかったけど)
私的はDJミッキーと同じ気持ちだったかもしれないw
全体的にオシャレな映画だと思いました。
スミスファンでも楽しめません
普段レビューなんて書かないのですが、この映画にはどうしても言わせてください。
・スミスのファンではないので楽しめなかった
・スミスのファンなら楽しいのだろう
というレビューがたくさんありますが、誤解です。
私はスミスの大ファンですが、全く楽しめませんでした。
むしろ大ファンだからこそ余計に腹が立ちました。
どうしようもない若者たちがどうしようもない一夜を送る、
その背景に脈略もなくスミスの音楽がしつこく流れる、それだけの映画です。
スミスのメンバーも、スミスのファンも冒涜していると思います。
登場する若者たちは、皆うだつが上がらず、目的もなく集まってバー、ディスコ、ホームパーティーをはしごします。このように知的水準が低く徒党を組みたがる若者というのは、スミスのファン層から一番遠い人種だと思います。
スミスの音楽は、モリッシーの内省的・抒情的な歌詞とボーカル、ジョニーマーの変則的なアルペジオ・カッティング・リフの混在した繊細かつ緻密なギター、それと絶妙に絡み合う独創的なアンディルークのベース、潔いほどに淡々と正確にリズムを支えるマイクジョイスのドラムで構成されています。
曲の一部を切り取り、歌詞の一部を字幕にして垂れ流しても、その魅力は何も伝わらないと思います。
曲を使用する許諾は事前に出したのでしょうが、出来上がった映画を見たら、メンバーもそのことを後悔するのではないでしょうか。モリッシーとジョニーマーのコメントを聞きたいです。
The Smithを好きならもっと楽しめたのに!
バッチリ同世代を生きたバンドなのにThe Smithは聴いてこなかった。おじさんになってから聴いてみようとしたが、それでもあまりハマらなかった。
でも、ヘビメタ専門ラジオ局に乗り込んでThe Smithをかけろとジャックするという、この映画の設定がいい。たしかにヘビメタ聴くような連中とは対極に位置しているやつらが主人公。しかも、実際にあった事件だって言うんだからそれも驚いた。
ただ、The Smithのことを知らないと面白さは半減してしまう。セリフに散りばめられた曲名、PVをイメージしたシーン、そしてインタビュー映像。The Smithが好きならテンション上がってしまうだろうなーなんて思いながら観てしまった。なんでThe Smithを好きじゃないんだろう?なんて変な思考回路に陥ってしまいそうになる。
それでも、マドンナ風のファッションやマドンナの曲名でからかわれるシーン、会話に登場するバンド名(それほど売れなかったやつ)なんかは十分に楽しむことができた。
好きなものに突き動かされた衝動は、たとえ犯罪行為だとしても(殺人とかでなかれば)ドラマになる。
このバンドをよく知らない人にとってはムズカシイ。寝ました。
1983〜87って
私、高校生から大学の初めで、初心者ながら
洋楽よく聴いていた。
小林克也の「ベストヒットUSA 」のチェックも怠りなかった。
特に1986頃って、ちょうど、レコードからCDへの移行期
あっという間だったよなぁ、昔は「貸しレコード屋」あったくらいなのに
CDへの切り替え、1年くらいで完了したような・・・スマホの普及より断然速かった。
カセットはしばらく生き残ったけれども。
もっとも、大学入ってからはあんまり洋楽聴かなくなったけれども・・
しかし「ザ・スミス」全く記憶にない。
でも、アメリカの山間部、コロラド、デンバーという背景と
ラジオ局ジャックという分かりやすいと思われたストーリーで
公開2週目だか3週目だかで空いているだろうと思い鑑賞した。
15人くらい観客がいて意外に健闘していた。
ただ、私が基本音楽は超初心者だから・・・
「ザ・スミス」やっぱり聴いたことないし
申し訳ないけど、歌詞がウリなのかもしれないが
日本人にわかりやすい、ポップな曲。乗れる曲が皆無・・・
音楽ツウには高評価なのかもしれないが、
ど素人の私にとっては、つまらない曲ばかり(スミスのファンの人ごめんなさい)
せめてジャンルは違うけど「キングクリムゾン」のような突き抜けた感じが有れば良いのだけれども
所詮、高校時代、ビートルズから洋楽に入ったど素人の音楽ファンの私
にはハードル高すぎた。つまらないことこの上なく
最初の30分だけで、あとは最後まで熟睡できました。あぁ!よく寝た!
したがってストーリーもよくわかりませんでした。
ちなみに最初地震があって、大したことないのに
鉄道じゃあるまいし「安全確認」で20分近く中断。トロい映画館の対応が私をイライラ💢させた
ので、この映画を観たことは記憶に残ること間違いなし。皮肉ですね。
当たり前ですが、前提として「ザ・スミス」ファンを対象とした映画です。
このバンド知らない人はハードル高いし、寝れること必至。
子守唄状態でした。ありがとう「ザ・スミス」!おかげで安息日にぐっすり眠れた!
(ファンの人ごめんなさいね🙇♂️🙇♂️。)
ひたすら不快
この映画でザ・スミスというバンドの曲を知り大嫌いになりました。周りの人がクソみたいな陰気なバンドというのがよく分かります。そんなバンドのメッセージを真に受けるのもクズばかりで、タイトルにもなっている「世界中の万引き犯よ」というのも万引き犯で世界征服をして戦争をなくそうとかほざいているのですが、遠くの戦争より身近な万引き犯の方が真面目に働いている人達の生活を脅かす卑劣な悪党であり、それを子孫に受け継いで行こうって永遠に善良な人を苦しめたいのかと正気を疑います。解散して良かったよ!
主人公はスーパーで働いて特にお金にも困っていないのに知り合いの店から呼吸をするように万引きをするクズ女。音楽語る前に音楽万引きしてアーティストに敬意払わないような事するなよ。
ザ・スミスは海賊盤でこれからもみんなに聴かれていくとか言う音楽店員も・・・いやまあ万引き奨励してる奴らのレコードなんか海賊盤で十分だけど、他の曲もDJを吊せもうDJはくだらない曲しかかけないから全員吊るしてディスコも燃やせとかカルト教団じゃないですか。
もうとにかく不快な時間でした。
何に限らず音楽に興味のある方ならぜひ。
今年197本目(合計261本目)。
大阪市では先週が正規の公開日だったのですが(12/3)、他映画の上映の関係で変な時間にばかり追いやられていて(22時からとか無理…)、やっと「普通の時間」に見ることができました。
私自身は名前は知っている程度で、本事件も実話をある程度参考にしているとのことですが、音楽は好きなほうで(エレクトーンを15までやってたので)、そういう意味では音楽映画は優先的にチョイスするようにしています。
映画といえば映画なのでしょうが、全体的に、ザ・スミスの曲が流れるところやその歌詞(の日本語訳)が多く流れるので(ほかは、ラジオ局で監禁?されているラジオ局の人と犯人とのやりとり程度)、真の意味で映画か?というと微妙ですが、そこはまぁ、あまり問題じゃないんでしょう。
今(2020~2021、もうすぐ2022年ですね)はコンピュータの発達もあり、いわゆるボーカロイドやコンピュータグラフィックを活用した音楽などが全盛を極めているところもありますが、こういう「昔ながらの音楽」をベースにした音楽を聴くのは好きだし、そういうように育ててくれた親(特に父親)には感謝です。
映画の特質上、「ストーリーというストーリー」が存在せず、よって「ネタバレが何で何がネタバレでないのか」という観念が存在しにくいのでストーリーの感想も述べにくいところですが、本映画(のような映画)は結局ストーリーをどうこう評価するより、昔ながらの音楽の良かった時代を懐かしむ映画なのだろうと思います。
ごくごく若干、音楽の楽譜に関する知識があれば有利かな…と思いますが、字幕1個分だけですし、「あれば有利か?」程度でしかなく(なくても何ら問題ない)、そこまで多く引きませんでした。
レコードといえば大阪市でも今でも売っているお店はありますが、黒い円盤とよくイメージされるレコードではなく、あの当時は緑色やら赤色やらのレコードってあったんですね…(日本でも、レコードからCDになる過渡期に、「レコードもどき」が幼稚園や小学生向け学習雑誌などの付録についてきたりはしていた模様)。
特に減点対象とすべき点はないのでフルスコアにしました。
悲しいのはitunesでザ・スミスと入れると、これでもかって出てくるところですね…(ボーナスが出たばかりだけど全部買うと破産しちゃいそう…。ザ・ベスト、みたいなものってあるんでしょうか??)。
#96 イギリスが舞台かと思ったら
アメリカはコロラド州デンバーなんていう田舎が舞台で出鼻をくじかれた。
だって1980年代のアメリカってめっちゃダサいイメージしかないもん。
当時の日本はすでにレコードがなくなりつつあったけど、カセットテープまであったなんてビックリ。
そして登場人物達の閉塞感もイギリスとは向かう方向が違う感じ。だって本当に You can't go anywhere な人が多そう。
よって途中寝ちゃいました。
そして出口がよく見えないまま若者達は一皮剥けたのでした。チャンチャン。
【僕たちの閉塞感】
この作品を観て、ザ・スミスに改めて興味がわいた。
作品中で使われる曲も、まあ、オルタナティブ・ロックに影響を与えたと言われるように、当時の他のロックバントと趣は異なるけれども、少しだけ知ってることもあって懐かしさも感じた。
ただ、あのラジオ局のDJと同じで、改めて聞いてみて、なんか良い感じじゃん!みたいなところがあるのだ。
ザ・スミスは、当時は、何にでもアンチな感じで、映画にもあるように、「The Queen is dead」というアルバムを作ったり、ブームタウンラッツのボブ・ゲルドフがリーダーシップを取っていたアフリカ救済のバンド・エイドを揶揄したりと、そのせいもあって、ちょっと胡散臭い感じがあったように覚えている。それで、日本では人気が出なかったのかもしれない。
このラジオ局ジャック事件も、記憶にあって、ザ・スミスファンも無茶苦茶だななんて思っていた。
ただ、この映画を観てみて、ザ・スミスにも、ザ・スミスに共感を覚える人たちにも、共感するところはある。
僕たちは、自由主義の国にいて、中国やイスラム諸国のような国家・宗教主義的な窮屈さはない。
じゃあ、それで良いじゃない、贅沢!と言う人がいるとは思うが、よく考えると、法律や様々なルールのほか、こうあってほしいとか、こうすべきだという家族や周囲の期待だけじゃなくて、流行や同調圧力だって、僕たちの身動きを窮屈にしてるじゃないかと思う。あのバカみたいな校則や、#MeTooや#KuTooで再考させられることもそうだ。それに、ネット右翼みたいな民族主義者の主張もバカげてて面倒くさい。ひどいもんだ。
横尾忠則さんが、何でもコンセプトありきのアーティストが多くなってきていて、実はコンセプトの中でしか自由じゃなくて、枠の外には無限の自由が広がっているのに、それは広すぎるのだろうか?限定は自由の放棄じゃないのか?というようなことをおっしゃっていて、確かにそうだななんて考えると、暴力や暴言・誹謗中傷はよくないとは思うけど、せめてマーケティングにリードされるような流行や、思考を強要される同調圧力からは解放されるべきだなんて思うし、そんな、啓蒙があっても良いような気がする。
そんな、ことで、機会があったら、ザ・スミスをもう少し聴いてみたいと思った。
TheMisfitsとBlackFlag
ノイズになるのは本作の監督自身、ストーンズのドキュメントを撮っていたり70年代のベーシストやミュージシャンを題材にした作品もありながら、アイドルである庶民的なバックストリート・ボーイズに我等が日本代表?のXJAPANの作品と幅広い音楽ジャンルのドキュメンタリーを撮っているが、劇映画デビュー作として実在のバンドでもあるTheSmithsの解散を絡めながら当時のファンをアメリカ側から描いた本作、この監督は一体何が好きなのかが分からなくて不信感しかないと、個人的に。
TheSmithsの楽曲が全編に流れる中、歌詞に字幕が入る割に場面毎に意味合いがあるように思えなくてただ単に曲を垂れ流しにしている感じ。
曲も使い放題、バンドの映像や当時のモリッシーのインタビューなどが映し出される訳だからTheSmithsの公式になるドキュメンタリー映画を作れば良かったのに。
リアルタイムでアメリカにどれだけTheSmithsのファンがいたのだろう、メタルやハードロックは苦手だがNewYorkDollsやTheStoogesが最高なのは間違いない、TheMisfitsとBlackFlagを聴いているなら本場イギリスのファンはDischargeやChaosUKも聴いていたのだろうか??
四人の若者達が悩んでいる意味が理解出来ないしTheSmithsのファンなのにディスコの音楽で踊っているし、メタルDJに銃を突き付ける"6才のボク"はTheSmithsの解散と音楽を言い訳にして恋を実らせているだけのようにも!?
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