ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
全298件中、221~240件目を表示
レディーガガ、圧巻。そして、ブランドビジネスの化けの皮を剥がす。
GUCCIの創業家の実話ということだが、要は、能力のない3代目とファミリーが会社を手放したという、
いかにもよくある話。
殺人までは、行き過ぎだけど、それ以外の部分は、どこにでも起こる、相続のゴタゴタと、お金に目が眩んだ2代目、3代目とその家族ということ、
それが、世界的に有名なラグジュアリーブランドだというだけで、ドラマティックに見えているだけのように思う。
レディーガガの熱演と、GUCCIのアーカイブ的なコレクションは、見どころなのかも。
日本は、世界の中で、最も古い会社があり(創業578年の金剛組という建築会社)、創業100年以上、200年以上続いている会社が一番多い国だそう。
長く続ければいいってもんじゃないのかもしれないけど、長く続けるということは、ただお金に目が眩んで、会社を大きくしたり、
ファミリーだけで、会社を独占しても、人が続かないということが起こるように思う。
長く続いている会社ほど、会社の規模は小さくとも、本業から外れず、ものづくりにこだわっていたり職人を大事にしていたり、
グローバルに展開するより自分たちのできる範囲内を理解し、無駄にビジネスを広げないということにこだわっているように感じる。
結局のところ、今のGUCCIに伝統なんてないし、見え方として、トム・フォードのグッチが、アレクサンドロ・ミケーレのグッチに変わっただけ。
ビジネスとして、GUCCIという屋号を買った会社が儲けているというだけだし、今のラグジュアリーブランドビジネスっていうのは、そういうものの上に成り立っているだけなんだよね。
多分、あと2、30年後は、そういうブランドビジネスに全く興味のない世代が主流になってくるんじゃないかな。
だからこそ、考えさせられるのは、200年も300年も続いているっていうことから学ぶところはあるんだろうなと思う。
平家物語を語り継ぐ琵琶法師
グッチ家の崩壊
スキャンダラスなゴシップは
リドリースコットが描くドラマチックなワイドなシネマショーでした。ソープオペラ的な。。
脚本はいいと思うんだけど、編集が良くないのか、主役はなんだろうと迷っちゃう作り。映像と音楽のセンスは素晴らしく良かったです。ただ、ファッションへの理解はイマイチなのか色彩が良くないのが残念。トムフォードは褒めたそうですが、、、。そっかぁ
イギリス人の監督にシーズンごとに流行りが変わるイタリア随一の高級ファッションは理解しきれないね。ただ、リドリースコットが作るとゴシップさえも大作っぽさが出るところが凄い。
家族経営しかしたがらないイタリアブランドらしい栄枯盛衰物語、今やアメリカ人のトムフォードが作り上げたGUCCIだけどね。
カールラガーフェルドのシャネル、トミーヒルフィガーのラルフローレンなどなど、エンブレムだけの帝国だらけ。
どうせゴシップなら、それら現在の立役者の物語が見たい。
有害な女らしさを描いた令和の怪作
これは悪女による傾国の物語だ。正確には傾いたのは国ではなく会社だし、最終的にグッチ一族がグッチからいなくなったのは悪女と関係ない部分ではあるが。
しかし作中で描かれる乗っ取りプロセスは傾国の悪女そのもの。時には自ら手を下し、時には夫を唆し、次々とグッチ一族を会社から追放する。その基準は自らの欲望の障害となるかどうかでしかない。恩義があろうが容赦なく切り捨て、思い通りにならなければ愛する人ですら殺害する。
悪女としかいいようがない。権力者にそっと耳打ちして忠臣を始末する様は妲己や末喜のを彷彿とさせる。その悪女を見事に演じきったレディーガガの胆力。悪女に騙されても仕方がないかな、と思わせるアダム・ドライバーの役柄。見事なキャスティングだった。
しかしTRUST WOMAN時代においてこのような「有害な女らしさ」全開の映画を作ったリドリー・スコットの慧眼に感嘆させられる。
この映画では、パトリシア・グッチは純然たる被害者なのだ。被害者が自らの権利救済のために家父長制に染まった男連中に復讐するのは成功譚ではあるが、悪女列伝ではない。途中で夫のマウリツィオから悪行(のように描写されたパトリシアの言動)を詰められるシーンがあるが、あれはハラスメントであり、女性を傷つける悪しき行為だ。パトリシアが己の被害に涙するのも仕方ないだろう。
…と、ハリウッドのポリティカル・コレクトネス好きたちはそう解釈する。「女の遊びじゃないんだ」という言葉も飛び出したことだし、間違いないだろう。普通の人達からしたら悪女以外の何物でもないが。とにかくこれで堂々と「有害な女らしさ」を描けるというわけだ。
パトリシアの卑劣な乗っ取り作戦は「ハンバーガー帝国の秘密」を彷彿とさせる。しかしあちらと異なるのは、徹底的に目的が名誉であることだ。金ではない。自分がキラキラしていることが何よりも大事だった。金はその要素のひとつでしかない。
その欲深さがこの映画を上等なサスペンスへ昇華させている。美女の強欲が物語の魅力として異質な光を放つ瞬間を見せてもらった。
面白い。だがサスペンスではないのにサスペンスと煽らないで欲しい。
GUCCI&実話を元にしたサスペンスと聞いて楽しみにしてました。実話ベースのGUCCI一族の話、としては面白いので、このポイントだったら4点でした。
しかし煽りのキャッチコピーに「サスペンス」と書いたのはいただけません。
その気持ちで楽しみにしていたので、肩透かしを食らったのですよね。日本プロデューサーがいらん事してますね。
GUCCI一族の物語としてコメント。
これは自分の好みの問題ですが、もう少しパトリツィアとマウリツィオの心の変化を丁寧に描いて欲しかったですね。どこから富と権力に囚われていったのか?どこから軽蔑し始めたのか。ここら辺がふわっとしているので、全体としては面白いものの、思い出に残るシーンはあまり無いなぁ、という印象です。
余談ですが、実話のパトリツィアの獄中生活や生き様の方が、人間離れしてて面白そうなんだよなぁ。。
期待を裏切らない!
華麗なる一族の滅亡
私のような庶民には一生縁がないのですが、それでも名前だけは知っている、世界的な有名ブランドのGUCCI。もちろん創業者のことも、お家騒動があったことさえも全く知りません。そんなGUCCI一族の破滅の歴史を描いた本作。事実をもとにして作られたということもあり、なかなか興味深かったです。
ストーリーは、運送会社の娘パトリツィアは、GUCCI創業者の孫マウリツィオを射止め、結婚後は穏やかな生活は送っていたが、マウリツィオの伯父アルドの勧めでGUCCIに入社したところから歯車が狂い始め、ついにはアルドも彼の息子パオロも排除するものの、夫マウリツィオとも険悪になり自身も捨てられてしまい、最後は…という創業家の末路を描きます。
上映時間159分という長い作品でしたが、テンポよく展開したおかげで、途中でだれることなく集中して鑑賞できました。むしろこれだけの内容をよくこの時間にまとめたと思います。一方で、野心が芽生えたきっかけ、それが抑えきれなくなった理由、邪魔者を排除する狡猾さや冷徹さなどを、もっともっと生々しく描いてほしかったし、そのためにはこの尺をもってしてもまだ足らなかったのではないかとも思います。
主演はレディ・ガガで、かわいらしく、美しく、憎らしく、恐ろしくパトリツィアを熱演しています。音楽に疎いので、鑑賞中は彼女と気づかなかったのですが、女優としてもすばらしい才能の持ち主だと感じました。マウリツィオ役はアダム・ドライバーで、純朴な青年が恋に落ち、操られるように野心を抱くも、その才なく失意のうちに退陣させられるまでの変容を見事に演じています。脇を固めるアル・パチーノもいい味出していましたし、ジャレッド・レトの演技も秀逸でした。もっとも、鑑賞中は彼が演じているとは気づきませんでしたが…。
それにしても、金が人を変えるのか、その人自身にもともと眠っていた欲望なのか…、しだいに狂気に侵されていく姿が恐ろしくも痛ましいです。富さえ手に入れなければ、権力さえ目の前にちらつかなければ、本当はつつましやかな幸せで満足できたはず。貧乏な家に生まれ、才能も出世欲もない私は、きっと幸運なのだと思います。
駆け上がる強い意志のある上目遣いにやられた
底なしの欲望
グッチの富と名声が欲しかった女と、彼女に踊らされた創業者一族の話。
GUCCIというブランド名ぐらいは知っているけれど、一族の話どころか事件のこともまるで知らずに鑑賞。
1978年、父親の経営する運送会社で働く女パトリツィアがパーティーで偶々出会った弁護士を目指す学生のマウリツィオと出会い、近付き巻き起こって行く。
名前を聞いて最初からGUCCIを手に入れる気満々でマウリツィオを落としにかかり、まんまと操って行くけれど、マウリツィオが擦れてしまったのは計算外?
途中で我慢出来ていれば、もしかしたら今もとも思ったけれど、そんな性格だったら最初からいってないか。
字幕での補足だったけれど、グッチ夫人と呼びなさいなんて、正にそれが彼女の思想を象徴しているよね…。
そして描かれていなかったけれど、なんでバレたんでしょう?
レディ・ガガ濃すぎ
80年代のスタイリッシュさが出てて、良い雰囲気の映画です。音楽も当時のものが満載。
ただ、レディ・ガガが濃すぎで、2時間半もあるので、お腹いっぱい。豚骨ラーメンとモツ鍋を同時に食べた感じ。10分のミュージックビデオのパワーが2時間半続く。周りが良い俳優なのでもったいない。
ファミリービジネスの物語か、悪妻の物語か、軸を寄せた方が良いと思う。
レディ・ガガの存在感でバランスが崩れたことが理由かも。
オペラを途中で終わらせるところは秀逸で、良きシーンである。
日本のことが時々でてくるが、あの時代はパワーがあったことを思い出させてくれる。現代ならば、中国がでてきて、ニーハオと言うのだろう。
いろいろ批判的なことを言いましたが、基本的に好きな映画です。
ストーリーよりも演技
レディ・ガガでお腹一杯ですわ
高級ブランドの歴史と衰勢
ちょっと長すぎたかな
リドスコでは下位。
サスペンス要素は薄め…
役者たちの存在感がとにかくすごい。
レディ・ガガの貫禄にも驚きなんだけど、アダム・ドライバーの「なんだかデキそうで、結局何もできない感」やアル・パチーノ御大の現役感にジャレッド・レトのダメダメ感。
あと、音楽。
現代的なポップスと、オペラを印象的に配し、おそらく作中でGUCCIというブランドが暗中模索する「伝統か流行か」を見せながら、エンディングテーマでは…という辺りもニクい。
一度は豪族の名を捨て、市井の生活に入ったマウリツィオが同僚達やパトリツィアと過ごした楽しげなシーンが、後になって皮肉に思い浮かぶ。
どの時代のどの国にも存在する「同族組織」の内紛を、さすがの大巨匠だけあって上映時間の長さはほとんど気にならないくらい、ドラマとして見せてくれるが、楽しみにしていたサスペンスというよりは、社内(家族内)政治ドラマって印象が強くて、少し物足りなさを感じてしまった。
【蛇足】
以前も書いたコトがあるけど、あの有名映画評論家は、ラジオ番組の映画紹介コーナーで、公開前にこのストーリーのほぼ全てを話してしまった。
「当時ニュースになった事実だからネタバレにならないと思うけど」って、どういう感覚で映画紹介してるんだろう。
皆さんもお目当ての作品を観る前は、M氏の映画紹介にはくれぐれもご注意下さいませ。
全298件中、221~240件目を表示