ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
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レディ・ガガの演技が圧巻
すべてが快楽的なトスカーナ調
よく一族経営の崩壊は耳にするけど、GUCCI一族の場合は、御曹司マウリツィオが殺害されたこともあり、とても衝撃的だ。それも殺害を企てたのが妻だからこそよけいにミステリー。
脱税、著作権侵害、持ち株の売却、不倫、殺人とくれば、ドラマの材料には事欠かない。
アル・パチーノとジャレッド・レトが掛け合う、GUCCI一族のダメ親子ぶりがとても印象的だった。
もう一つは、マウリツィオ(アダム・ドライバー)とその妻パトリツィア(レディ・ガガ)と彼の不倫相手(カミーユ・コッタン)の三角関係。殺害の付箋にはなっているが、あまり深刻さがない。
妻が不倫相手を「快楽主義者」とののしるシーンや、不倫相手が彼に、「過ちじゃないわ 選択よ」と言い切るシーン等、ゲームに興じる三人という感じでこちらも印象に残った。
要は、すべてが快楽的なトスカーナ調なのである。リドリー・スコットは、あえてGUCCI一族の原点を大事に温存させてたような気がする。
快楽は追うべきではないが快楽を追わないと感性は死んでしまう。そんな言葉がぴったりくる。
彼の絶妙な演出で、GUCCI一族の栄枯盛衰を心ゆくまで堪能できること間違いなし。
なぜイタリア訛りの英語で演じるのか
実話に基づく興味深いお話。面白かったです。
個人的にはレディ・ガガは外見・歌唱共に全く魅力を感じないが、女優としては大したものだと思った。彼女にはちょっとかわいそうだが実物のパトリツィアのほうが全然きれいだ。実話の映画化は本物より女優のほうがきれいなことがありがちだが。
イタリア人家族がミラノで会話するシーンをイタリア訛りの英語で演じるのって全然意味ないと当初は思うんだが、たぶん彼らがNYに行ってアメリカ人と話すシーンでは訛ってないとそれらしくないからって理由で、徹頭徹尾イタリア訛りで喋ってるんだな。2国を舞台にした演出の苦労は偲ばれるが、結局ミラノのシーンではリアリティを損なっているわけだし痛しかゆしだねえ笑。(聴く人が聴くとレディ・ガガの訛りはロシア訛りに聴こえるそうだ笑。私にはよくわからなかったが)
マウリツィオの着こなしはいつもおしゃれだった。大いに参考になる。
華やかなブランドイメージの影
創業者はやり手だったが、脱税等に手を染めてしまった。 2代目は弁護...
超豪華な事件再現VTRを見ているような不思議な感覚
グッチ一族凋落の事件を、実話を基にしつつもフィクションとしてドラマチックに描いたサスペンス。
主役のレディー・ガガ(パトリツィア)の演技が素晴らしいとは聞いていましたが、本当に良かったです。
彼女の大きな魅力である目力の強さを遺憾なく発揮していましたね。
アダム・ドライバー(マウリツィオ)の表情もとても良い。父であるロドルフォに向ける目で、厳格な父親から抑圧されて内向的になっていったのが分かるようになっている。
ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、アル・パチーノと他のメンツも目で語るのがとても上手い。
本作は俳優陣の目を見る機会が多かった作品でした。
そしてリドリー・スコット監督による登場人物の内面を描き出すライティングも絶妙。顔にかかる影すらも表情として切り取る監督の手腕は流石だと思います。
シーンによって色のトーンも変わり、言葉数が少なくとも映像だけで心情を語らせるのが本当に上手いなと。
地味だけども登場人物が歳を取っていくメイクも素晴らしかったです。
最初の20代の時にパトリツィアとマウリツィオが出会う時の肌は若々しいですが、徐々にシミやシワが増え、数字として何年経ったかを書かなくても時間が進んでいるのが分かるのがいいですね。
映画らしい映像美が楽しめました。
しかし、シナリオは個人的にはちょっと微妙だったんですよね。
主人公のパトリツィアに全く感情移入できないのが大きな原因。
自分のことは一切顧みず、「私が正しいのになぜ話を聞かないのか」の一点張りで、自分の見たいものしか見ず、欲しい言葉しか聞かず、思い通りにいかなければヒステリックに喚き散らし、最後には泣き落としで情に訴えかけようとする姿は見ているだけで辟易とします。
マウリツィオも流されるのか流されないのかイマイチわからなくて失策ばかり。
なんだかな〜の連続でした。
というかグッチという世界最大級のメゾンを作り上げた一族だけあって登場人物全員我が強く、誰にも感情移入することが出来ませんでした。
誰にも共感出来ないまま最後まで進むせいで、現実で起こった話(もちろんちゃんとフィクションになってるとはいえ)なのにスクリーン越しに知らない世界を見ている感覚がとても強く、失礼な話になりますが自分はバラエティでよく見る事件再現VTRの超豪華版を見ているように感じてしまいました。
パトリツィアが野心が高く頭を使って他人を蹴落としながらグッチの名を使い富と名声を欲するキャラならまだ良かったのですが、身の丈に合わないプライドの高さに意地悪いだけの嫌な女性だったのがな。
後世に語り継がれるような稀代の悪女だったらまだ良かったのですが……。
まぁ、色々書きましたが決してシナリオの出来が悪かったというわけではなく、ただ自分に刺さらなかっただけなんですけどね。「事実は小説より奇なり」というには一歩足りなかった感じです。
Netflixの『ザ・クラウン』のような史実とフィクションを織り交ぜた上流階級のスキャンダラスな一面を描く作品が好きな人は好きになれると思います。
My son is an idiot. But, he is my idiot!
レディーガガ最高🎶
ガガ~ん!
予告編も観てなかったので、まさかの展開に口をあんぐり開けて魅入ってしまいました。イタリアが舞台でアル・パチーノが出てくると、ついつい血のにおいが漂ってきてドキドキしました(汗;)。この世界を支配する富と名声は、凡人にはあまり縁がありませんが、手が届きそうになると途端に人を狂わせ、取扱注意となりますね。それをリアルに体現したレディー・ガガはまさにはまり役でした。イタリア系ということもあって、顔立ちがピッタリだし、ファッションや化粧映えがして、名優揃いの中でもひときわ輝くオーラは、ただならぬものがありました。「エリザベス・テイラーより私の方が面白い」というような勝ち気な台詞にも説得力がありました(笑)。
グッチとは
ブランド=人
一族での経営では「格式」を重んじることでグッチブランドを表現するロドルフォ・グッチ、「格式」の門(購買層)を広げることでグッチブランドを、資産を増やすことでグッチを展開したいアルド・グッチ、「格式」に「+アイデア」で新たなグッチブランドを形成したトム・フォード。そのトム・フォードを選んだ(?)マウリツィオ・グッチは、何をもってグッチを守ろうと、グッチたる所以を掲げたのか。全く映画ではわからなかった。
「グッチ愛」は、ロドルフォ・グッチに1番感じられた。やはり創業者に近いほど愛着はあり、遠い孫世代になるほど愛着は薄くなっている気がする。
最後の方では、グッチのブランドを守るためではなく、資産を守るために奔走していた気がする。今のグッチはどう考えてブランドを展開しているのか。そこが気になる。
マウリッツォ・グッチのような思考でブランド展開されているとしたら、なぜ買っているのか理解に苦しむ。今のグッチのホームページを見てどんなコンセプトでデザインを起こしているのかを見て、買うか決めようと思った。
ガガの芝居も見応えありました。面白いです。
人間模様
グッチの御家騒動を実際にインタビューや取材を基にして作られた作品。
グッチが創業がどんどんと発展していく中で様々な人間模様が垣間見る事ができた。
欲のままに人を動かして自分の全てを手にしようと動くレディーガガのよく深さが何とも言えないくらいのいい脚色を描いてた。
ストーリーとして見ると見応えのある作品だなと感じるけど、これが実際に起こった事と考えると人間の欲とは、人をここまで変えてしまうのか?という怖さを感じる作品だった。
腹タルタル
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