ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
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ストーリーよりも演技
レディ・ガガでお腹一杯ですわ
高級ブランドの歴史と衰勢
レディー・ガガ
外国語は勿論、発音音痴である私でも、ガガさんのイタリア訛りの英語は解りました。一言、凄いなと。
変わってしまったのは、パトリツィアではなくマウリツィオの方なのですね。そして全てを理解していたのは
パトリツィアで、GUCCIを心から愛していたのも彼女だったとは、皮肉ですね。
しかし紛い物があるとのことで、自分の財布を見直してしまいました。それなりの値段でしたが。
とにかく最後まで観ないと本質が掴めない、前作最後の決闘裁判と同様、流石リドリー・スコット監督。
ま、映画は最後まで観ないとわからないものですが。今作も好みが別れるのでは。
ちょっと長すぎたかな
リドスコでは下位。
サスペンス要素は薄め…
役者たちの存在感がとにかくすごい。
レディ・ガガの貫禄にも驚きなんだけど、アダム・ドライバーの「なんだかデキそうで、結局何もできない感」やアル・パチーノ御大の現役感にジャレッド・レトのダメダメ感。
あと、音楽。
現代的なポップスと、オペラを印象的に配し、おそらく作中でGUCCIというブランドが暗中模索する「伝統か流行か」を見せながら、エンディングテーマでは…という辺りもニクい。
一度は豪族の名を捨て、市井の生活に入ったマウリツィオが同僚達やパトリツィアと過ごした楽しげなシーンが、後になって皮肉に思い浮かぶ。
どの時代のどの国にも存在する「同族組織」の内紛を、さすがの大巨匠だけあって上映時間の長さはほとんど気にならないくらい、ドラマとして見せてくれるが、楽しみにしていたサスペンスというよりは、社内(家族内)政治ドラマって印象が強くて、少し物足りなさを感じてしまった。
【蛇足】
以前も書いたコトがあるけど、あの有名映画評論家は、ラジオ番組の映画紹介コーナーで、公開前にこのストーリーのほぼ全てを話してしまった。
「当時ニュースになった事実だからネタバレにならないと思うけど」って、どういう感覚で映画紹介してるんだろう。
皆さんもお目当ての作品を観る前は、M氏の映画紹介にはくれぐれもご注意下さいませ。
ドロドロ・・・
ひっでえ話(映画の出来は素晴らしい)
2022年劇場鑑賞14本目。
グッチの創業者の話だと思っていて、弁護士志望の若者がどうしてカバンのデザイナーになるんだ?と思っていたらもうブランドが確立された後のお家騒動の話でした。
なんとなく聞いてはいたのですが観る頃にはすっかり忘れていて、誰だこのボディはめちゃくちゃエロいけど顔から高慢がにじみ出ている女優は?と思っていたらレディ・ガガな事を終盤で思い出しました。アリー スター誕生の時ともアーティストの時とも全然違う引証で相変わらずすごいですね。
長めの映画なのにテンポよく進んでいき、えっもうこんな時間経った?と思いながら観ていました。時計気になるほどには集中切れてたので☆5は違うかなという感じではあります。
アル・パチーノ出てこんなんされたらゴッドファーザーですね。ジャレッド・レトなんていたっけ?と思っていたらあんなダニー・デービトかやりそうなおっさんだし、サルマ・ハエックなんていたっけ?と思っていたらキャシー・ベイツがやりそうなおばさんの役だし、きりっとした高貴な老人の役がハマるジェレミー・アイアンズは死にかけてるし、アダム・ドライバーだけイメージ通りの裏切りクソ野郎を安定して演じさせてもらってた感じですね(ほめてます)。
グッチは無理でもラコステなら…
グッチが初めて日本で店舗を開いたのが1964年、銀座みゆき通りだそうです。アルドが言っていた富士山の麓というのは、バブルの頃のこと?
その当時にアルドの日本語の挨拶を受けたデパートや不動産関連の日本企業の人たちもこの映画を見たら泣けてくるんだろうなぁ。三井のアウトレットなどを経営してる人たちの中なんかにもいそうですね。
個人的には昔も今も高級ブランドとは縁がないのですが、アルドが連行される時にワニのマーク🐊を着ていた時は、思わず心の中で叫んでました。
ラコステのパーカーなら私も持ってる❗️
私はアルド推しで決まりです。
(いや、そういうことをいう映画じゃないのは分かってるんですが)
グッチ帝国の海外拠点網(NYや東京)を整えるとともに、収益基盤のひとつの柱を築いた男。
それだけに典型的な自信と驕りからくる落とし穴を体現。寂しく表舞台から去っていく。
自分には縁遠い世界の話でも、アルドのあけすけで隠そうともしない感情表現にはなんとも言えない親近感を抱いてしまいます。
死ぬまでに一度はグッチの財布とか持って見たいけど、財布の値段より多くの現金を入れることは死ぬまで無理な気がします😂
名演の二人
こんに⤴ちは〜
ガガ様に魅力された
GUCCIへの熱い風評被害
【高級ブランドは知的財産で儲かる】
こんな事件が起きるのは、高級ブランドが知的財産で儲かるからだ。
映画でも語られるように、グッチの価値は600億ドルと見積もられているが、これを円換算すると7兆円弱になる。
グッチを保有する世界的な高級ブランド・グループのフランスのケリングは株式を公開していて、時価総額が円換算ベースで12兆円弱なので、グッチのブランドとしての重要性が分かると思う。
現在、高級ブランド市場は、三つの高級ブランド・ビジネス・グループがリードしている。
ケリングの他には、フランスのLVMHとスイスのリシュモンなのだが、円換算ベースの時価総額は、それぞれ、46.5兆円、8.8兆円にのぼる。
ファストファッションの日本のファーストリテイリングが約6.4兆円で、ZARAを展開するスペインのインディテックスが約11.4兆円であることから、如何に高級ブランド市場の利益率が高く、そして、如何にこの三つのグループが、高級ブランド市場を牛耳っているのか判ると思う。
因みに、日本の時価総額第一位は、トヨタで、38.5兆円なので、LVMHの強大さも理解してもらえるのではないか。
KENZOは今やLVMH傘下だが、この高級ブランド・ビジネスは、過去に日本の商社が展開を図ろうとしたことがあるはずだ。
しかし、企業文化の違いやノウハウの不足で撤退することになったように思う。
産業構造が偏っている日本の最も不得意な分野だ。
冒頭で高級ブランドは儲かると書いたが、それぞれのブランドは、そのブランド価値を維持、或いは、高めるために、相当な努力を払っている。
(以下ネタバレ)
だから、マウリツィオもパトリツィアもダメダメだったのだ。
この事件は有名で、いろんな記事で取り上げられたので、知っている人も多いと思うが、こうして映画で観ると、昔読んだ記事や特集よりも”軽い”感じがする。
ただ、これは、リドリー・スコットの意図したことのように思う。
バカな3代目社長と、欲に目が眩む強欲嫁、叔父も従兄弟も阿呆、低下するブランド価値。
バカに企業の経営はムリ!って、唖然とすると同時に、ちょっと笑って欲しいのではないかとさえ思える。
アダム・ドライバー演じるマウリツィオはそんな感じは少ないが、本当にダメな放蕩息子タイプの経営者だったらしいし、パトリツィアは詐欺まがいの法律の裏を行くような策略には長けていたようだが、デザイナーとしても経営もめちゃくちゃだったらしい。
殺人事件まで発展したゴタゴタの背景にあったバカな人たち。
“ファーザー、サン、アンド、ハウス・オブ・グッチ”なんて十字を切ってる段階でおかしげな人たちだったという示唆のような気がする。
最後に、相変わらずアダム・ドライバーは良い俳優だし、アル・パチーノは楽しんでいるように見えた。
そして、レディ・ガガの悪妻っぷりも板についている感じだった。
GUCCIの歴史が垣間見られる人間ドラマ
リドリー・スコット監督が描くGUCCI一族の栄枯盛衰。ラストの一文...
リドリー・スコット監督が描くGUCCI一族の栄枯盛衰。ラストの一文でハッとさせられる、家族という運命、呪いに身の毛がよだってしまった。
レディー・ガガ(ここでは唯一GUCCI家ではない他人のポジション)が一番GUCCIについて熱くなってしまうのも皮肉が効いていた。しかしパトリツィアが悪女であるとは決して思えなかった。自分たちもハイブランドの服やバッグ、車を欲してそれをある種のステータスにしている。この映画のパトリツィアを嫌悪し、嫌うことは前述した価値観自体を否定する行為であり、それは少なからず自分の中にある価値観である。
この映画は、美術や服飾、演出等も素晴らしい出来ではあるが、表面上の面白さ以上に感じ取ってしまうものがある作品だった。
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