「愛と名誉と金の欲望渦巻く勝者のいない悲劇」ハウス・オブ・グッチ ミニ映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
愛と名誉と金の欲望渦巻く勝者のいない悲劇
それぞれに大切なもの、譲れないものは何だったか。愛情と憎悪が交錯し共倒れしていくグッチ家の実話を基にしてつくられた作品。
かといってセンセーショナルに描くのではなく、高級ブランドらしく品位を保ってスマートに重みを持って展開する。
クラシックやオペラから幅広い年代の音楽が効果的に使われており、欲しいところでグッと惹きつける役割を担っていた。それに合わせてシーン代わりの映像演出も工夫されていてお洒落。
存在感の強い俳優揃い。特にアル・パチーノはさすがの貫禄で「そこに生きている」という感覚だった。ジャレッド・レトの怪演も見どころ。
強いて言えば、パトリツィア(レディー・ガガ)とマウリツィオ(アダム・ドライバー)のふたりに距離ができていく過程がさらっと流れてしまい、冷めていく感情があまり伝わってこなかったのが感情移入しづらかった。
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