劇場公開日 2022年1月14日

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「華やかで激しく哀しい」ハウス・オブ・グッチ Ordinary Guyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5華やかで激しく哀しい

2022年1月26日
iPhoneアプリから投稿

単純

知られていそうで意外とそうでもない、なかなか強烈なグッチのお家騒動の顛末を、発端となった出会いから破滅まで順番に積み上げる、可もなく不可もないお話運び。これをスムーズと評するか凡庸と言ってしまうかは意見が分かれそう。遡ったり、捻ったり、別の描き方はなかったのか、とつい想像してしまった私は、後者です。

拍手すべきは、やっぱりキャスティング。
英語の台詞でも違和感なくイタリア風を醸し出せる面々。それぞれの個性が、強烈でどこか残念な独特のキャラクターに見事にハマっています。そんな演者たちの表現力と、時代ごとのファッションや車など象徴的なアイテムの映えるビジュアルに彩られたおかげで、フラットな展開も退屈せずに済みました。

ただし、没入するというところまではいかず。史実のインパクトを映画では超えていない印象。感情移入させず、冷静に愚かな人たちを見つめさせる仕上がりは、意図的なものかもしれませんが。

Ordinary Guy