「相変わらず荒いよ、アダム・ドライバー」ハウス・オブ・グッチ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
相変わらず荒いよ、アダム・ドライバー
ファッション×狂っているは勝ち確の映画の予感。
クルエラ臭がするのです。期待値高め。
鑑賞してみるとやはり、予告通りの重厚感と高級感のある質の高い映画でした。期待は超えなかったけど、なかなかよく出来た作品。うん、面白い。
レディ・ガガとアダム・ドライバーの好演が光る。
レディ・ガガの演技は初めて見たけど、歌手としてだけでなく役者としてもこんなに安定感があるんだな。25歳という設定はさすがに無理があったけれども、庶民的な服も高貴な服も着こなしていて、尚且つ幅広い演技力で圧倒。アカデミー賞候補でしょ、彼女。
アダム・ドライバーは「最後の決闘裁判」とはまた違った役柄で、今回も流石の演技力。あの作品では悪意を働いたのに凛として立っている姿が不気味で恐ろしかったのだけど、本作では安心感はあるもののどこか頼りない男性という全く違ったキャラクターなのに、彼の笑顔がグッチの雰囲気と見事にマッチしていてとても良かった。笑った時に口周りにシワができるのが愛おしい。好きな俳優です。
そんな2人の掛け合いが絶妙。
レディ・ガガとアダム・ドライバーを見るだけでも価値のある映画だと思う。もちろん、周りを固める俳優陣との絡みも面白く、主人公が次々とグッチに染まっていく様は見ていてニヤリ。アル・パチーノ演じるアルド・グッチのちょっとした発言には笑えた。日本人の話したり、あなたにはそれをオススメしないとか言ったり笑
約160分の大作なので、長いかなぁと懸念していたが全くそんなことは思わず。テンポがいいし、映画に宿る品のあるオーラが美しいし、長さを感じさせない作りでリドリー・スコット流石だなと。引き込み方が完璧。でも、監督はアダム・ドライバーの荒いベットシーンがお好きなようで。
ただ、中盤終わりぐらいから大失速。
なんというか、ひとりじゃ結局何も出来ないんだぜってことを描きたかったのだろうけども、にしても見応え無いしなんかとりあえず感が出ていて正直つまらなかった。無駄なく緻密に描いていた前半の勢いはどこにいったの?と。字幕で解説するところをもっと描いて欲しかったな。めちゃくちゃ眠たくなった。
まぁまぁ、そこそこって感じですかね笑
アメリカかどっかの映画評論家が、演者は素晴らしいけど映画自体は面白くないみたいなこと言っていて、面白くないとまでは言わないけど分からなくもないな〜と思いました。