「ガガ様が最高にゴージャス!でもグッチに興味ないと厳しいかも。」ハウス・オブ・グッチ 頼金鳥雄さんの映画レビュー(感想・評価)
ガガ様が最高にゴージャス!でもグッチに興味ないと厳しいかも。
見るつもりはなかったのですが、映画館に行くたびに予告を見せられ。ガガ様のムチムチボディ&ギラギラファッションに興味がそそられ見に行ってしまいました。
ガガ様はめちゃくちゃゴージャスでした!
ゴテゴテしたアクセサリー、派手な色のドレス、けばけばしいメイク。YouTubeのファッションチャンネルでは絶対勧めない組み合わせばかり。でもパトリツィアにはすごく似合ってました。マウリツィオと出合う前から彼女はとてもおしゃれなんですが、真のファッショニスタは何でも着こなすんですね。これみよがしな胸の谷間も見れて大満足です。(おしゃれとダサイの境界線がさらにわからなくなりましたが。)
ただガガ様に見慣れてくると退屈になりました。とにかくグッチそのものに全く興味がなかったので…。そうならないように予習したつもりでしたが勉強不足でした。商売を長く続けていくのって大変なことなんだなと思うばかりです。どんな企業も時代に合わせて変化しないと売り上げが下がる。それはグッチのようなハイブランドも同じ。ちょうどグッチが時代の転換期に差し掛かり、伝統と革新がせめぎ合ったときの話なんだなと感じました。
ストーリーはパトリツィア側に同情的な作りになっているかなと思います。映画の冒頭からしばらくはロマンチックコメディみたいで和み、結婚式の後もすごく円満。円満ながらも徐々に不穏になっていき、やがて決定的に食い違うまでがすごく自然だなと思いました。
彼女は「グッチの偽物に対して手を打つべきだ」等、真っ当なことも言っているんです。でも毎回「君はグッチじゃない、口を出すな。」と言われて相手にしてもらえず。「いやいや、今のはパトリツィアが正しいよ?そりゃパトリツィアも怒るよ。」と思いましたよ。
それから家族について考えました。お金と地位を求めすぎるとみんなバラバラになってしまうものなんでしょうか。会社での影響力に固執せず、一族が一枚岩になることはできなかったんでしょうか。訴訟したりされたりの繰り返しで寒々しいですね。この映画だとグッチ一族はバラバラ、パトリツィアの家族もバラバラ。自分の家族を大切にしようと思いました。
ところでハイブランドのデザイナーってなぜそのブランドに仕えているのでしょうか。自分で「ラガーフェルド」とか「トム・フォード」というブランドを作ってもいいように思えるのですが。そう簡単な話ではないのかな?