「その名はかくも甘く、魅惑的な響きを持つ。」ハウス・オブ・グッチ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
その名はかくも甘く、魅惑的な響きを持つ。
いやあ贅沢な配役と豪勢な映像。それだけでも観賞の価値あり。とくに、周りを固める名優に引けをとらぬレディー・ガガ演じる、グッチ家を崩壊に導いたファムファタル、パトリツィアの魅力。若き頃の溌剌とした姿から、次第に欲望が濃くなっていく様が、その加齢を重ねていく容姿からみなぎっている。最後には「あの人」が殺されるっていう事件を知っていながら観る映画だけど、ファミリーの間で渦巻く愛憎のスリルは増すばかりで、画面に惹きつけられて興味が途絶えない。
そして今、グッチにはグッチ家の人間は一人もいない。なんとも上質のミステリー感。
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