「レディー・ガガはもうちょっと悪くてよかったと思う」ハウス・オブ・グッチ たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
レディー・ガガはもうちょっと悪くてよかったと思う
私が18歳だった1978年から始まるこの物語は当時大流行したディスコの懐かしい曲に乗って年寄りに青春回顧させてくれる。レディー・ガガの演技が見事でオスカーがダテでは無かったことを証明して見せたしリドリー・スコットがこの配役でグッチのスキャンダラスな犯罪事件を撮るのだから面白くないわけがない。巨匠であるが故にむやみな尺調整から免除されるので159分という長尺もありがたいのだ。あたりまえのことではあるが夫婦間を含めて全ては利害関係が一致もしくは対立するもしくは謎の人の間の会話交渉やり取りによって進行する。余計な省略はして欲しくないし演者のすべてのアウトプットを逃さず観たい。刑務所から出たアル・パチーノがダメ息子の家へ戻ってまずエプロンを着けて流しに溜まった洗い物をするのだ!そしてそのバカ息子が売却してしまった新規株主との交渉の席でサインをするゴッド・ファーザーよ!ほぼ同年代のリドリー・スコットは彼に老いぼれた自身を投影していると思われ感慨深い。ブロンディーのハート・オブ・グラスが沁みる。
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