「◯塚家具… と比べると怒られそうだけど笑」ハウス・オブ・グッチ Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
◯塚家具… と比べると怒られそうだけど笑
GUCCI には正直あまり興味のない人生を今のところ送っている自分ではあるが リドスコ最新作だし ということで鑑賞。
映画の構造自体はオーソドックスに 栄光と没落 みたいな枠組み(グッチという会社目線で見れば没落⇨栄光の順だけど)になんだけど、最後まで見ると え?そこから冒頭に繋がるの? という飛躍があり面白い。
最後の最後で映画冒頭に戻る と言う仕掛けに関しては個人的には 栄光も没落も関係なく、最初っからそうだったんだよ! と言うメッセージなのかなと思ったり…
ようするに
レディーガガ演じるパトリッツィアのキャラクターは結局は最初から首尾一貫して グッチ という栄光(金目当てはまた違うと言うところが味噌な気もする)に囚われていたと言うことが映画を通していくとよくわかるようになっており、時制をあえて冒頭と最後で繋げたのはその現れ… かなと。わからんけど。
例えばマウリツィオ と出会の場面も今思えば彼の苗字を聞いて え!こいつグッチなの⁈ って一瞬固まっているようにも見えるし、冒頭の父親の会社への出勤シーンからして車やたらぶっ飛ばしてくるわ、男性陣からのヒューヒュー!に普通に喜んだりとか、とにかく彼女の中にある 栄光・賞賛への野心 みたいなものは始まってから終わりまで一貫しているように見える と言うのは本作の重要なテーマかなと思う。
また、個人的に読み解いた今作のテーマに絡んでのレディーガガの出立ちについて。
ミュージシャンとしてはエキセントリックな存在感が売りではあるものの、今作の役者としての佇まいは一言で言うと 生々しい。あまり体型のことに言及するのは時代遅れかとは思うけど、いわゆるモデル的な方向のスタイル作りはしていない、要するに 浮世離れ した出立ちになっておらずそこもまたポイントだと思う。
つまり これはグッチに象徴されるゴージャスな世界だからこそ起こった事件 ではなくて
お前ら!観客たちにも全然関係ある話だぞ!(リドスコなら お前ら! とか言いそうだし)
という事を表す演出の一つなのかなと思う。
某ラジオで宇多丸氏はリドスコの作品にある一貫したテーマとして 神なき世界 つまり 今我々が生きるこの世界や社会とはなんなのか?(正確じゃないけど) というのを挙げていたが、今作もそれに当てはまると言える?かなと。
なぜ、こんなに自信なさげにレビューするかというと、
個人的には今作で起こる事、内容としては飲み込めるしよくできてるなぁと思ったりもするんだけど、基本的には あんまり興味が持てない… というテンションが最後まで拭えず入り込めなかったのが正直なところ。
◯塚家具のお家騒動の強化版というと少し違う かつ 何なら面白そうな気もしてくるが、基本的には最初に書いた 栄光と没落 的な枠組みから大外れもせず進んでいくので起こる事一つ一つが予定調和というか、
そのうちレディーガガが野心全開なせいでグッチ家が崩壊していくんでしょ?
というのが特に裏切りも映画的な見せ方の飛躍もなく進んでいくので個人的には若干退屈…
個人的には
生々しく自分の人生と地続きな何か
というよりは
ぶっ飛んだゴージャス一家に巻き起こったぶっ飛んだ事件!しかも実話!
みたいなものの方が見たかったかな。
まあそういうのはスコセッシが生きてるうちにまた撮ってくれればいいんだろうけど笑
ジャレッドレト とはとてもわからない、パオログッチの突き抜けた馬鹿さは見てて楽しかった。
アルパチーノも狸親父感満載で良いし、アダムちゃんの
良い人なんだけどダメ男感も好き。
と、別にそんなに下手な所とかも特に無く全てうまく行ってはいる けど俺好みの映画では無いかな という映画だった。
もう少し周辺情報を勉強してから見たらまた違うかな。