「サスペンス要素は薄め…」ハウス・オブ・グッチ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンス要素は薄め…
役者たちの存在感がとにかくすごい。
レディ・ガガの貫禄にも驚きなんだけど、アダム・ドライバーの「なんだかデキそうで、結局何もできない感」やアル・パチーノ御大の現役感にジャレッド・レトのダメダメ感。
あと、音楽。
現代的なポップスと、オペラを印象的に配し、おそらく作中でGUCCIというブランドが暗中模索する「伝統か流行か」を見せながら、エンディングテーマでは…という辺りもニクい。
一度は豪族の名を捨て、市井の生活に入ったマウリツィオが同僚達やパトリツィアと過ごした楽しげなシーンが、後になって皮肉に思い浮かぶ。
どの時代のどの国にも存在する「同族組織」の内紛を、さすがの大巨匠だけあって上映時間の長さはほとんど気にならないくらい、ドラマとして見せてくれるが、楽しみにしていたサスペンスというよりは、社内(家族内)政治ドラマって印象が強くて、少し物足りなさを感じてしまった。
【蛇足】
以前も書いたコトがあるけど、あの有名映画評論家は、ラジオ番組の映画紹介コーナーで、公開前にこのストーリーのほぼ全てを話してしまった。
「当時ニュースになった事実だからネタバレにならないと思うけど」って、どういう感覚で映画紹介してるんだろう。
皆さんもお目当ての作品を観る前は、M氏の映画紹介にはくれぐれもご注意下さいませ。
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