劇場公開日 2022年1月14日

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「GUCCIのバッタもんみたいな映画。レディー・ガガが下品なイタリア女を熱演している以外には見るべきものがない。」ハウス・オブ・グッチ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5GUCCIのバッタもんみたいな映画。レディー・ガガが下品なイタリア女を熱演している以外には見るべきものがない。

2022年1月16日
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鑑賞方法:映画館

①全盛期の燃えかすみたいなリドリー・スコットの演出のお陰で、ドラマ性も面白味もないソープ・オペラみたいな映画になってしまった。マウリッティオとパトリティアの新婚夫婦とがグッチ家に迎えられる処までは何とか観れるが、後はだらだらと長いだけ。②味のない演出のせいで豪華俳優陣の演技も空回りが多くキャラクターに深みがない。実にwasted. ③レディー・ガガ(因みに私は大ファンです)は熱演しているが、今まで色んな映画で散々描かれてきたゴールドディッガー(財産目当ての女)の域を出ていない。レディー・ガガはもともとお嬢さん育ちなので、あの下品さが演技ならそれはそれで大したもの。④アダム・ドライバーも好演と言えば好演と言えるが、パトリティアと衝動的に結婚したりグッチ家のCEOとなった途端贅沢を始めたりと少し緩い性格や、「家族を切り捨てたくない」とパトリティアに良いながら家業を独り占めする様に画策したりと裏表のある性格を演じるには腹芸が足りない。真面目な性格ばかりが面に出て複雑な人間像になっていない。演技プランを間違ったのかも。⑤ジェレミー・アイアンズのみがロドルフォ・グッチというキャラクターの造型に成功していてどういう人間かを良く伝えている。さすが。⑥アル・パシーノとジャッド・レトの役作りはほぼギャグみたい。最盛期のアル・パシーノを知るものとしては、こんな映画に出てほしくなかった。⑦結局、ジャック・ヒューストン(ジョン・ヒューストンの孫だってね。そうするとアンジェリカ・ヒューストンの甥。曾祖父の名優ウォルター・ヒューストンからすると芸能一家ヒューストン家の四代目でバリモア家と並んだな。ひいおじいちゃんみたいな名優になれるといいね。)演じるロドルフォの腹心の部下だったドメニコが一番したたかだったわけで、同じグッチ家のよそ者ではあってもパトリティアを出し抜いたわけね。⑧ロバート・ロドリゲス映画のミューズだったサルマ・ハエックも『エターナルズ』はともかくこんな映画にあんな役で出てはいけません。⑨最後の方にグッチの新しいデザイナーとしてトム・フォードが登場するのは数少ないこの映画で興味深い点だが、トム・フォード本人はこの映画に否定的だと言う。でも、現実とは少し違っていても映画として面白ければ良いが、残念ながら映画として感心できるところは殆んど皆無。⑩そうそう、ソフィア・ローレンがNYのGUCCIの店を訪れるシーンがあるが演じる女優が全く似ていないのにもガックリ。あと、日本人がGUCCIの上得意だからとアル・パシーノが簡単な日本語の挨拶を話し、御殿場のモールにGUCCIを出店する話題も出てくるのが日本人としてこそばゆいが、そう言えば当時の日本はちょうどバブル期でお金がじゃぶじゃぶ有ったんだよね。

もーさん