「ガガとアル・パチーノの演技を楽しむ映画」ハウス・オブ・グッチ ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
ガガとアル・パチーノの演技を楽しむ映画
非常に貴重なヴィンテージグッチの衣装や小物はグッチ全面協力!すごいな。このストーリーで笑
リドリー・スコット監督の最新作で、前作「最後の決闘裁判」から日も浅く相変わらず仕事が早いなと思いつつ観賞。
前半までの印象としては何だかリドリー・スコット先生っぽくないなと思いきや、終盤でやはりこの不気味な世界の大きな流れといいますか不条理な歯車に巻き込まれて詰んでいく人々を冷徹なカメラで捉えていくというこれぞリドリー・スコット作品!という内容になっていた。
ざっくり言うと、これはガガ演じるパトリツィアがグッチファミリーに残る4人を崩壊させるという作りになっていて、例えばロドルフォ・グッチだと、肺癌のような症状が出ていて咳込む彼の隣で平然とタバコをふかす描写、そしてパオロを騙しアルド・グッチをCEOから引き摺り下ろす描写、そしてマウリツィオの殺害へと至る。
しかし、この崩壊劇の裏にはグッチを乗っ取る大きな大きな流れがあり、(パトリツィアはドメニコ・デソーレが怪しいと気付いていたが、)、マウリツィオが気付いた時には手遅れだった。
(高級レザーグッズで創業したグッチの魂とも言える牛さんを食わされそうになるという描写がエグ過ぎる。)
"テキサスから来たトム・フォードによって復活したグッチですが、その後トム・フォードとドメニコ・デソーレは共にグッチを辞めて"トム・フォード"ブランドを立ち上げます。
"
野心家なのかただ純粋なだけなのか、賢いのか馬鹿なのか、全くわからない。このパトリツィアの人物の二面性・複雑さをそのまま演じたレディ・ガガの演技は素晴らしい。
また、アルド・グッチを演じるアル・パチーノも素晴らしかった。久々にパチーノの咆哮を聞けました笑
ストーリー事態は地味で長ったらしいので、アクターズスクールのこの二人の演技を楽しむ映画だと思います。
ジャレッド・レト演じるパオロも特殊メイクでレトだと気付きませんでしたが、あの演出だとただの頭のおかしな人になっているので、これは本人怒るんじゃないかなと思いました笑