ジャンヌのレビュー・感想・評価
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スケールの大きい作品
ジャンヌ・ダルクを描く2部作の後編にあたる本作では、ジャネットだった田舎の少女が甲冑を着てジャンヌ・ダルクとなり、やがて味方陣営から裏切られ、イングランドに捕縛される。協会の異端審問にかけられる彼女の悲劇的な運命を様式美のある映像で捉える。奔放な『ジャネット』とは異なり、荘厳さを感じさせる内容になっているが、想像力を刺激させるミニマリズムは健在。例えば、大きな岩の塊に旗を刺して城と見なしたりとか、戦闘シーンは馬術のショーのように見せるなど、ありのままを映すのではなく、観客の脳内に画面にないものを思い描かせる。映画よりも舞台劇の演出に近いが、『ジャネット』と同じくスケールの大きい聖性を感じさせることに成功させている。映画よりも舞台の方がしばしばスケールがでかく感じるのは、見せるよりも、観客の脳内に思い描かせることを大事にするから。この映画は本当にスケールが大きい。
予想を裏切る内容 良かったのかなあ?
ミラ・ジョボビッチのジャンヌダルクっを見たことがあったので同様の内容で役者が変わるだけかなと思って見たら大間違い。
先頭シーンは全くなく、始まるかなと思ったら始まらない。
敵と向かい合っている場面でバックに時としてダンダンという太鼓の音が緊迫感を盛り上げる。
ただ、そこまでで後は教会内で被告人ジャンヌと裁こうとするおっさんたちの激しいやりとり。
ジャンヌの意思は強くかたくなな中でおっさんたちは救いたいのか罰したいのかよくわからない議論を続け最終的には火あぶりになる。
結果はジャンヌダルクと一緒だったがそこまでの持って行き方は全然違うがジャンヌという人間の性格は同じのようにも思えた。
もちろんミラのジャンヌの方が気が荒々しかったが。
比べたらあかんけれどジャンヌの方がかなり安上がりじゃないのかなあ?
場面や登場人物の数だけでなく衣装も安そうで。
個人的には戦闘での彼女の活躍を見たかった。
同じ火あぶりの結末なんだからちょっと残念も彼女のしゃべり方や表情は嫌いじゃなかった。
とはいうものの期待してみたので消化不良もあります。
どこがアクション?
2部作の2部。「ジャネット」ほど歌やダンスはなかったけれど、、、、
前作で成長していたジャネットが、時は過ぎているのに何故また少女に戻っている?
戦闘シーンは全くない。まあ、一般に知られているジャンヌの戦いに関わる場面は敢えて省いたのか、予算の都合か。
戦いに向かう前の部下や神父との話し合いや、罪に問われ裁判にかけられた様子で話が進む。たまに歌も。
1部2部合わせて、なんとも独創的な映画。宗教的な会話もよく理解できなかったし、なんと言っていいのか、、、私には合わなかった。
デフォルメの極致
『ジャネット』から見覚えのある土地が引き続き。でもパリは目の前らしいです。そこに建つ掘っ立て小屋のドアを開けたら中は大教会っておい
まるで小劇場でお芝居を観てるような感じでした
ちなみに前半戦で意味ありげに出てきてた目つきの悪い傷だらけで髭面の元帥兄ちゃんは『青ひげ』のモデルになったと言われるジル・ド・レだと思われます
なんとも不思議な二部作。観て、よかった。
「ジャネット」「ジャンヌ」を劇場で一気観することができた。観てよかった。
なんとも不思議な2作品だった。
「ジャネット」は、百年戦争が続く中、フランスの疲弊しきった農村の一少女が、自分が指揮官になるしかないと思い立ち、戦場に赴くまでの話。
「ジャンヌ」は、百年戦争がほぼ終結した状況下で、当時の教会の知識人であり権威である人々が、ジャンヌダルクを裁く話。
両作並べるとわかるように、ジャンヌの挙兵や戦闘シーンは時間的には両作の間に位置し、ほぼ映像化されない。わずかに、二作めの冒頭で、ジャンヌが唯一敗れるパリの戦いへの出馬シーンが描かれるのみ。一作め同様に、そこら辺にいくらでもありそうな小さな丘の上で、状況報告が行われるだけで話は進み、次のシーンでは教会に移っている。これがまた、拍子抜けのようにも思えるが、見終わってからあらためて考えると、なんかいい感じ出しているんだよな。はるかな昔という感じも含めて。
「ジャネット」は、抜けるような青空、真っ白な雲、きらめく陽光が降り注ぎ、きれいな小川がせせらぐ美しい自然の中で、ジャンヌは毎日思い悩む。「なぜ神は人を苦しめるのか。永遠に続く苦しみも神の思し召し。あなたは正しい。でも考えずにはいられません。冒涜でしたら、お許しを。地獄の亡者を救いたいのです」と。「私達は働いて今あるものを守り続けるのよ」と語る友人、「それは神の役目、人間のものではありません、滅びを止めたいなら、祈りなさい。力の限り苦しみを味わうのです」と説教する修道女たちと日々話しながら、ある日とうとう思い立つ。話はただこれだけ。
原っぱにいる主人公のところへ、一人ずつ現れて、主人公と話し歌い踊る、その繰り返し。
それを多くの現地採用俳優(つまり素人)が朴訥に演じる。ミュージカル風に、ロックミュージックに合わせて、ヘッドバンキングしながら歌い踊るシーンすらある。このヘッドバンキングが素人だからまたなんとも言えないノリ。しかし、それがまた観終わった後に忘れられない味として心に残る。ホント、変な映画だ。癖になりそうだ。決して嫌いじゃない。
「ジャンヌ」は、指揮官として戦ったジャンヌを神への謀叛として裁くことは決まっているのだが、魔女として火焙りにするのか、反省を引き出してごく軽い刑とするのか、を権威者として、知識人として決定すべき男たちの話。
「私が神から聞いたことは話しません。私へのお言葉なので。聞かないでください」と頑なに言わないジャンヌに対し、「お前は異端だ。正しい神に叛いていた。それを認めて反省しろ」と繰り返す男たち。話は、ただこれだけ。
前作とは全く異なり、(屋外ではなく)ほぼ、荘厳なる大教会の中で進む展開。
1430/5/30に執行されたジャンヌの火刑から、フランスの勝利で終わる百年戦争の終結1453/10/19までには、さらに23年の期間が必要だった。
おまけ
これ、もしも日本で作るとしたら、ジャンヌ役は黒島さん(結菜)だな。こんなピッタリな俳優、なかなかいないぞ。でも作られる訳はないなあ、ホントに残念だ。
難しい内容の映画でした! でも、映像は凄い!
1400年代のキリスト教(カトリック)社会、宗教性は、こんなだったのだろうなぁー。
体制、社会倫理、宗教、は、道理では正解なんだを、改めて思い知らされた!
この映画は、何を見た人に感じてほしいのか?
を、考えながら見てると、わからなくなってしまった。
日本人には、無理なのかも?
ジャンヌの伝記ではないはずだから。
・・・
ジャンヌが
イギリス人司教に言った
「フランス人は、目を見て話す
イギリス人は、目をさらして話す」
の、フレーズが
フランス人の哲学、論議好きの本質を知れた感じがしたのは、収穫です。
運動系部活で、午前午後と二部練習したみたいにクタクタです
毒をくらわば皿まで。
本来の意味とは違いますが、同じユーロスペースで連続上映かつ二本目は割引料金ということで、えーい、ままよ❗️
ということで鑑賞。
一作目よりは〝普通〟でしたが、がなりあうだけで、一向に盛り上がらない審問場面…
やはり、わたしにはお手上げ🤷♂️でした。
汚れなき魂
指揮官となったジャン・ヌダルクの闘いと信念をみせる話。
ジャンヌを中心に指揮官や元帥と教皇達の戦いの合間のやり取りをみせつつ、イングランドに捕まり異端審理にかけられて行く様をみせていく展開。
戦闘シーンがあるにはあるけど、シンクロナイズド乗馬!?と、独特の空気感はあれど前作とは異なり歌うことはないし、物語としての動きもかなりある。
ただ、異端審理や尋問の前振りが、ト書きを全て会話で説明したかの様で非常にダルい。特に異端審理前の件は正直苦痛w
ジャンヌが登場してからの教会とのやり取りはかなり面白かったんだけどね。
今作をみると「ジャネット」はそれこそ全てが上述と同じ前振りだったんだなと。
結末は判っているけれど、戦争の愚かさや哀しさを受け止めると共に、自身を貫くジャンヌが素晴らしかった。
…それにしても最早教会ではなく協会で、これってカトリック批判じゃないですか?大丈夫なんでしょうか、と少し心配になった。
回帰篇
良い映画だった。昨日見たジャンヌダークと元ネタが一緒だと思うので、ジャンヌダークを見たおかげで、一つ一つのシーンやセリフが良く理解できた。
戦闘シーンの太鼓はボレロでしょう。
モネの積み藁の中で回帰する。
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