スヘルデの戦いのレビュー・感想・評価
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リ ア ル
戦争映画の過剰演出は、常態化してます。でですよ。戦争の悲惨さを伝えるために、多少の誇張は認めるとしても、その誇張が長年積み上がると、現実からの乖離距離が大きくなり過ぎて、歴史認識まで狂わせる。ってのはマズイです。
例を挙げると。
ベトナム戦争の映画は、全世界で6000と数百本製作されています。ベトナム政府が、戦勝プロパガンダで6000作以上を作ってる、ってのが効いてるんですけどね。でも、数々のベトナム戦争映画を観てきた皆さんの印象は「あの戦争は悲惨だった」「五体満足で帰って来れたらラッキー」ぐらいなもんでしょうが。
エール大学の統計では、現地で敵との交戦を経験せずに帰還した兵士の比率は67%。3人に2人は、敵兵に抜かって、一発の銃弾も撃たず、また撃たれることもなく帰っています。これが事実。
欧州戦線におけるナチスの振る舞いも同様に、積み上げられた誇張が蔓延しています。ナチスの残虐性は、おそらく皆さんが思っているよりも、ちょっとだけマシです。また、実交戦の状況も、印象ほど頻繁じゃないかと。
と言う観点から、すごくリアルに感じた作品でした。
ノルマンディーに上陸した連合国は、ナチス崩壊後に台頭が予測されるソ連の封じ込めの為にも、アントワープを補給基地にする必要が有りました。つまり、このスヘルデ川の戦闘は、歴史的な意味も小さく無いってことなんです。
それを映画化した事自体が、リアルに歴史を見てるよな。って事で。
良かった。
結構。
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