雨を告げる漂流団地のレビュー・感想・評価
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現状今年で一番印象に残った映画
寿命を迎えた思い出の建物と、その建物に付いているいわゆる付喪神が、その役割を終え、此岸から彼岸に向かう際に子供達が巻き込まれてしまうという展開です。 広大な海にぽつんと団地が浮いているのが印象的ですが、その海はいわゆる三途の川ですね。 海の底には、沈みかけているものを喰らう何かが存在しているようで、海もずっと天候が良いわけではないので彼岸にたどり着ける建物は限られているようです。
食糧も限りがあり、そんな過酷な状況を子供達は生き抜きます。 子供向けな雰囲気の絵柄とは対照的に、ヘビーなシナリオになっており、劇伴も重厚感があり大人でも楽しめました。
主人公とヒロインの間にあるわだかまりを解消していく物語でもあるのですが、1段、2段と解消されていく(わかり合う)さまが見ていて気持ち良かったです。クライマックスで完全に解消されるシーンは本当に素晴らしいです。泣けます!
ツンツンな少年少女の話
取り壊し間近の自分達が元住んでいた団地。
団地に出るという幽霊を捕まえようと無断侵入するアホな少年達。
何故か取り壊し団地に住んでいる謎の少年、通称ノッポ。
突然の豪雨の後に少年少女のいた団地の一棟だけ大海原に放り出され…
いやシュールだ。何故団地の一棟だけ海の真ん中で進んでいる(流されている?)。
要するに漂流物の冒険譚だ。そこから彼らのサバイバル生活が始まるのだった。
メインの少年少女は小さい頃からご近所さんで近しい関係故にお互いの想いとは裏腹にツンツンだ。まあ小学生のガキだから仕方ない。
他の少年少女もお互い助け合いいがみ合いながらも生きていき成長する。
さて彼らの運命や如何に?
少年文学作品みたいなアニメ。
話のテンポも良く作画も良い。悪くは無いがよくも無い。
なんだか同じ様なシーンや印象のあるシーンがあるしくどく感じた。もっと色々削って良かった。有っても無くても映画自体や主人公達が受ける印象は何も変わらない。もっと整理して良かった。無駄に細かく作りすぎた。
なのでテンポが良くても無駄に上映時間が長いと感じる。
ネタバレにならない程度に、団地や他の漂流物や海は意味があり謎の少年ノッポも含めて見ていけばああそう言う事かと分かる作りは良いのだが、
壮大なスケールの割になんか内容がこじんまりしている。少年少女が冒険で成長しました、それだけ。それが悪いとは言わないが構成的に物足りなさを感じてしまう。何というかちょっと残念。
のっぽくんから主人公へ引き渡されるものが欲しかった
話の展開を、のっぽくんに頼りすぎたのでは、と思います。
「のっぽくん」が活躍すること自体は良いと思いますが、
そもそも超常的存在なので、彼の制約がどこにあるかわからないので、
「なんでもあり」にも感じてしまいます。
それと、何もかも、のっぽくんが抱えたまま、消えていった感が否めなかった。
何を抱えていたのか、想像をめぐらすことも難しく、
置いてきぼりにされた感がありました。
どこかで主人公たちに何かを引き渡す必要があった気がします。
そうすれば、前向きに主人公たちが物語をドライブする感じが出たのでは、と思います
主人公が苦手
小学生の夏芽は取り壊しの決まった団地内で同級生と共に一面が海の世界を漂流することになり…。
スタジオコロリド制作の長編アニメ映画。小学生と言う設定にしては全体的に大人びている風に感じるが、すぐに開き直る夏芽の性格が苦手で主題に集中出来ませんでした。
突き放されてモヤる
子どもたちの感情の起伏、その絵と声の演技など、実に豊かな表現はさすがの石田監督作品。
『ペンギン・ハイウェイ』の海の中や水だらけの街を進むシーンを120分みたいな異次元迷い込み冒険系で、世界はファンタジーなのに、子どもが次々と傷ついていき、生死ギリギリの冒険になっていくのが、『メイド・イン・アビス』にも似た残酷なリアリティを伴うものでした。
ただ、子どもを描いているから仕方ない部分もあるけれども、意地の張り合いや、気まずさからの逃避が長すぎる。
対して、団地が漂流した理由や、のっぽの正体などを説明せずに、「感じてね」と突き放したところが、「わからない」「モヤっとする」みたいな感覚を生んでしまう。
主題は、子ども同士がちょっとした言葉の行き違いで、お互い謝れずに気まずくなることと、それを突破して分かり合えることにあり、漂流の理由は明確じゃなくとも快感ポイントはあり、映画として成り立ってはいますが……
脚本の拙さ、刈り込みの甘さが際立ち、後半がダレてつまらなく感じてしましました。
感情のやりとり部分の段階を区別し、漂流の理由をきっちり描き(例えば「落下して死にかけた女の子を助けたいと願った『付喪神』の神通力とかでもいいんだ)、85〜90分に収めたら、多分名作になっていたと思う。
それだけに、もったいなかった。
このままだと配信で倍速再生向き。
かつて無いクラスの駄作
🎥ペンギンハイウェイを作った人間と同じ人間の作った映画とは思えない❗こんなもの世に出してはいけない。怒りすら覚える。映画館で見たらどこかに八つ当たりをしていたことだろう。解釈しようと思えばできなくはないが、それにしても支離滅裂。シナリオの回収はお粗末以外の何物でもない。絵コンテの段階で破棄すべき代物。日本アニメ史の栄光を汚したと言って良い。どうしてこれを発表したのか首をひねってしまう。猛省してほしい。
団地やジュブナイル・ファンタジーに乗ったのはいいが、漂流したまま…
『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』に続く、スタジオコロリドの長編最新作。
『ペンギン・ハイウェイ』は好きで、本作も魅力的な要素をたっぷり。何より気鋭のアニメスタジオの最新作。期待していたのだけれど…
タイトルからも分かる通り、団地が舞台。『ペンギン・ハイウェイ』に続いて監督した石田祐康が最もこだわった点だという。
確かに団地って、何か描ける。『団地』『海よりもまだ深く』『クロユリ団地』『中学生円山』などなど、団地を舞台にした作品は様々なジャンルを基に意外とある。
団地って、何か思い出が詰まってる。これは『海よりもまだ深く』のレビューに書いたと思うが…、私自身は団地に住んだ事無いが、その昔、祖父母が団地に住んでいて、日曜になると両親と共に会いに行っていた。近くに公園もあり、団地自体が格好の遊び場であり、団地は私の幼少期の思い出の一つになっている。
ノスタルジーを感じさせるだけなら、何も実写でいい。劇中でも触れられていた祖父との思い出とか、かつて住んでいたが今は取り壊しが決まった団地とか。
そこにアニメーションならではのファンタジーとジュブナイルを加味。
題材や設定だけなら、これはもう“当たり”!
夏休み。小学生の男子女子6人が、とある事から“おばけ団地”と呼ばれる団地へ。すると不思議な現象が起こり、大海原の異世界へ。ここは一体…?
この団地は航祐と夏芽がかつて住んでいた思い出の“家”。かつては姉弟のように仲良かったのに、航祐の祖父の死をきっかけに関係がギクシャクし、団地からも引っ越し…。訳ありの仲。
そんな団地に乗って、大海原を行く。冒険というより確かに漂流という言葉の方が合っているが、その風変わりな設定に童心ワクワク。
この団地にずっと居るという謎の少年・のっぽ。異世界で出会った謎めいた同世代は、ジュブナイル・ファンタジーの王道。
少年少女たちが織り成す友情、喧嘩、協力、淡い関係。出会いと別れ…。
団地漂流は快調なものだけではない。食糧調達、漂流団地だけではなく、“漂流学校”や“漂流デパート”の近接でピンチ。行く手を阻む嵐…。漂流ジャンル必須のサバイバル。
不思議な体験や危機を乗り越えて、少年少女たちは元の世界に戻れるか…?
一つのジュブナイル・ファンタジーとして悪くはない。
アニメーションならではの世界観や表現も活かされている。
が、難を感じたのは演出や脚本、キャラ描写、今一つ釈然としない描写などなどなど。
キャラにどうも感情移入や共感出来ない。
特に、夏芽。「大丈夫」と顔で笑うが、実際は大丈夫じゃない事ばかり。航祐との関係、クラスメイトとの関係、母親との関係。何もかも過去の思い出の中に残ったまま。
それが原因で時折皆を危機にさらす。団地が沈み始め、当初はイカダに乗り換えて避難しようとするも、残ると言い出したのっぽを見捨てられず、土壇場になって自分も残る思わぬ行動に。出会った友達を見捨てられない純粋な気持ちからかもしれないけど、それが原因で皆を危機に。迷惑な自分勝手少女に感じた。
航祐のキャラも焦点が定まらない。クラスメイトもステレオタイプ。令依菜なんて夏芽を邪険にし、人一倍ギャーギャーうるさい。
お決まりのように喧嘩して、仲直りして、また険悪になって、絆を深めての繰り返し。イライラすらした。
何か、何も学んでないと言うか、それでご都合主義のように友情物語を見せられても…。要は、キャラ一人一人に魅力が薄いのだ。
最たるは、のっぽ。掴み所が無い。人間でない事は展開していくにつれ分かるが…、正体は謎のまま。
終盤に登場した遊園地の少女も、そもそも漂流団地や大海原異世界も、謎のまま。
青い光や辿り着いた地も、“?”。
一応何となく予想は付くが…、のっぽや遊園地の少女は子供たちを見守ってきた存在の具現化。異世界大海原は現実と虚構の境。漂流団地は過去にしがみつく思い出のメタファー。最後の地は、別れ。
見る人に解釈を委ねているのかもしれないが、そんな知的なものは感じられず、丸投げ状態。
もうちょっとこの部分、しっくり来る理由付けが欲しかった。
だって見た後も拭い切れないこの不完全燃焼感。
う~ん…。
題材や設定はいいだけに、何か非常に残念。惜しい。
作品自体が漂流し、見ているこちらも漂流してしまったような…。
古い団地が2人の仲を取り戻した
唯一無二のAKAねちゃんの歌声を楽しみに鑑賞しました。
夏休みに航祐や夏芽達が、2人が以前、安爺と一緒に育った古い団地を冒険する物語です。
古い団地は突如、海に漂流することになります。
このアニメの素晴らしい所は、最初少年や少女の関係がギクシャクしていて、いがみ合っているんですが、この冒険を通して助け合うようになっていく所です。
のっぽという少年が出てくるのですが、夏芽や航祐をずっと見守っていた地縛霊か木の精霊なんでしょうね。
後半は命がけの冒険で、胸に迫るものがありました。
ずとまよの「消えてしまいそうです」が、スルメのように味わいがあって最高でした。
抽象的なアニメですが、大作で良作だと思います。
かもなく不可もなく、、?
好きなアーティストが主題歌だったので鑑賞!
個人的には好きだけど、最終的なテーマがなんだったのかなーって思う。
少し場当たり的に感じたりする部分もあったり、、んー、、
小説とかでもっと尺かけたら違う感想なのかなぁ、と。
まあ、楽しめはしました!
62/100
冒険探検
本当良い作品だった 探検ゴッコ、おじいちゃんとの思い出 様々な事が思いだされ懐かしくなりつつ
しっかりとした物語として進むストーリー展開で成長する子供たち これ、できればテレビシリーズとして12話前後で新たに追加で作ってもらいたいなぁと
「声優さんがすごい」
今年104本目。
令依菜役の水瀬いのりさんは「心が叫びたがってるんだ」、今年5月の最高過ぎた映画「五等分の花嫁」の三葉役、2つの少し控えめな役とはうって変わって今作は快活な女の子。びっくりしました。今までにない役だったので。実際お会いした事もあって一番好きな声優さんです。そして花澤香菜さん、田村睦心さん、瀬戸麻沙美さんと声優陣が凄かった。
諸行無常に漂流団地
同スタジオ制作の「ペンギン・ハイウェイ」が好きだった私は、本作品にも興味が湧いて鑑賞した。ティザー等では子供達の絵柄もかわいいように観えたが、映画内容の対象年齢は明らかに高い。20代以上が対象だと思う。「子供がメインの夏の冒険ファンタジー」というテーマから信じられない奥深い考察が得られるのだが、この点が広報にて伝わっていないのが大変残念で、広報戦略として失敗だと思う。よって★4.5を付ける。
誰しも「忘れられない記憶」があると思うが、本作品ではその記憶を喚起する形見として「建物」が大きく採用されている。この点は長編アニメとしては初めての内容ではないかと思う。例えば「柱に身長を刻む」のは典型的で分かりやすいモチーフとなっている。
大切な人と関わる時、当然ではあるが、人は離別するのだから、その形見を残して手元に置きたいと思う。ここでその候補として「物」が挙がる。その1つが「団地」だ。「記憶が残るその瞬間(劇中では例えば夏芽と安じいが関わる時、など)」に「団地」は明らかに背景だが、鉄筋コンクリート造の無骨さら屈強さは、短期間には不変の物に見え、形見としても適当に思える。
しかし人が考える程、建物は強くない。のっぽくんの足から鉄筋が現れたり、髪が草に覆われたりするように、建物も我々と同じ時間尺度を生きている。現実、鉄筋コンクリート造(RC)建築の耐用年数が47年であるように、日本人の平均寿命よりも短命だ。更に、リフォームや再開発等を踏まえると、この年数を全うする(寿命を迎える)建物の方が少ないのではないか。建物としての熟成は「利用する人の世代との乖離」や「性能の遅れ」を呈する原因となる。すると、のっぽくんや観覧車の少女が若いことも説明が出来る。彼らは老いる(建物として機能不全を呈する)ことが出来ない存在なのだ。
脱線したが、こうした建物にアイデンティティを残す人に、この映画は現実を突き付ける。大切な人との思い出を失う事を恐れるのならば、建物は形見として必ず適当とは言えない(そもそも、団地は個人所有ではないのだから尚更だ)。そこで「カメラ」が出てくる、というストーリーに私は観えた。
私は懐古厨なので、この映画の終盤以降で涙が止まらなかった。大切な人との思い出を失いたくないならば、その形見は適切に選ばなければならない。しかし夏芽のように形見(の団地)を失うことも、今後に向き合うための良い経験の1つなのかもしれない、とも考えた。
尺の割に内容が薄い
夏芽が、取り壊し中の団地に何十食ぶんものブタメンや飲み物を備蓄していた理由は?
過去にも漂流してたとはいえ、毎回一晩で戻ってきてたのに。
金銭的にも不自然だし、そこを無くして食料問題を前倒した方が、纏まりがよかったように思う。
また、何度も同じ内容で言い争い、事あるごとに誰かが落ちかけて助けるなど、同じような描写が多すぎる。
のっぽくんが団地の化身か何かなのは分かるが、台詞も少ないし、役割も薄かったように思える。
唐突に出てきて雑にお別れした、観覧車の化身はなおさら。
本作は航祐と夏芽が自己や他者との関わりを見つめ直し、成長するところに主眼が置かれており、そのため他キャラの変化は薄い。
令衣菜は多少変化するが、逆に言うと(落ち着きのない太志含め)他が円熟しすぎているところもある。
最後も、協力して戻るのではなく、終点まで着いたから戻る、という呆気ない幕切れで拍子抜け。
(協力したからそこまで辿り着けた、と解釈するにも諍いが多すぎた)
作画も雰囲気も良かったし、声の演技も素晴らしく後半溜め込んだものを吐き出すシーンは涙腺が緩んだ。
けれどやっぱり、この内容なら90分程度でまとめるか、他キャラなり設定なりメイン二人なりを深く描いてほしかった。
全く引き込まれない
簡単に言ってしまうと
急に異世界に飛ばされ仲間とケンカしながら生きる為の食料探し
気付いたら現実に戻っていた
終盤、頑張って泣かせに来るが全く泣けない
理由は実在していないであろう妖精のようなキャラに全く感情移入出来なかったから
一体2時間も何を見せられていたのだろうか
作画も普通で新海作品には遠く及ばない
1つ良かった点は声優に俳優陣を使わなかった事ぐらい
キャラクター重視なら楽しめる
航祐くん、どストライクでした。
ツンデレ思春期男子って感じですごく可愛かった。
小6くらいの年代は女の子の方が精神的に大人で、その辺の描き方がリアルで良かったです。
僕も引越しを経験しているので、夏芽の寂しい気持ちが理解できました。今でも夢に昔住んでた家が出てくることがあります。
航祐が夏芽に自分の気持ちを伝えるシーンは声優さんの演技力もあり泣けました。
令依奈はうるさくて少しくどかったのでマイナス。
ラストが少し間延びしたのと、尺が長い割に説明不足が否めないのは残念。
個人的にはストーリーよりもキャラに期待して観たので満足です。
もしあるから中学生編も観たいです。
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