ダ・ヴィンチは誰に微笑むのレビュー・感想・評価
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レオナルドも観に来てた(デカプリオ)
2021.12.1(水)
吉祥寺オデオンで「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」を。
「サルバドール・ムンディ」は本当にダ・ヴィンチの作品か?そして2017年にクリスティーズで何故4億5千万ドルの値段で落札されたのか?に迫る、関係者本人が続々登場するドキュメンタリー。中々面白い。
「TENET テネット」でも出て来たフリーポートが登場する。なんであんな所に美術品をおいておくのかと思ったら税金対策なんだね。高額な美術品を持ち込むと関税がかかるって知らなかった。500億の絵画っていくら関税掛かるんだろう?
結局、金と政治が絡んで、芸術に対するリスペクトが無い奴らが値段を釣り上げているんだよね。
「サルバドール・ムンディ」は、誰が買ったのか、何処に保管されているのか、いつ見られるのか?全然判らない。そういう名画等が数多くあるようですね。美術界の秘密と闇を垣間見る事が出来た。
淡々と進むから興味が無い人は寝るかも。
一番受けたのは、クレジットタイトルの横に登場するパロディ。グレタからジョーカーまで、私的に大ウケでした。あれで☆0.5アップだな。
色んな思惑が行き交っている。
自分が興味を惹かれたのは、サウジアラビアがルーブル美術館にモナリザの隣に展示してほしいとお願いしたところです。
絵そのものより、絵にどれだけ価値を与えるかというのが伝わってきます。しかもその権威としてイスラム社会が利用したいのが西洋文明というのも興味深いです(というか絵そのものが西洋のものですが)。
社会的な地位を得るために、新規参入する者たちはグレーなものに手を染めなければいけない。どの世界でもある気がします。作中に出てきたロシアの新興財閥もそうでした。
ダヴィンチという巨人にすがり名誉を得たい人たちの欲望渦巻く世界がそこには描かれていました。面白かったです。
実に興味深いドキュメンタリー
レオナルドの幻の絵画「サルバトール・ムンディ」の、「再発見」から最終所有者の手に渡って現在も物議を醸している様を丁寧に描いたドキュメンタリー。「アートゲーム」「マネーゲーム」「国家」の3パートで構成されている。
「アートゲーム」編では、最初ボロボロで醜く加筆されたこの絵を「これは本物だ」と見抜いて(?)$1175で購入して復元を画策した画商、この絵をレオナルドその人の作品と信じ(?)「モナリザのように」復元した凄腕の絵画復元家、本物として展示したロンドンのナショナルギャラリーのキュレーター、ルネサンス絵画の専門家などが各々にこの絵について語る。真偽については諸説あるということだ。ある鑑定家の「これは現代作品と言ってもいい。85%は復元家の手になるものだから(本物の部分はあったとしても15%)」というのには説得力があった。先述の「(?)」は本人が「世間に向けて『本物だ』と語っている」ということであり、本心であるかどうかは不明なのだ。たとえ信じていなくても本物である方が彼らにとって都合がいい理由もあるのだ。
「マネーゲーム」編ではエグイ金儲けをする仲介業者、ブームを煽ってオークション価格を釣り上げるサザビーズのしたたかなキャンペーン。4億5千万をポンと出す国家(というか皇太子)。なかなか醜いマネーゲーム。「美術商の世界はドラッグ売買などの裏社会のようにいかがわしい」と語られる。本物だろうが偽物だろうがその金を出す価値がある、と思ったんなら買えばいい。芸術を買うというのはそういうことだろう。だけど現実はそんなもんじゃない醜いマネーゲームだということがわかる。サザビーズに謎の参加者が現れたので、冷やかしでないことを確認するためにサザビーズがオークションに出せる最高額の10%を入金してくれ、と要求したら即座に1億ドル入金された、というエピソードが笑えた。さらに、高額で販売されれば復元家にもリベートが行くということもここで明かされる。復元家は真面目で実直そうな人であったが、「本物と信じている」と言い続けたい理由(ウラ)もあるのだ。
「国家」編では金を飽かして買った最終所有者がサウジアラビアの皇太子であることで、この絵が国家間の取引に使われることが明らかになる。自分の絵をモナリザと同等の価値があるとしてルーヴルへの展示を要求する皇太子。サウジからのオイルマネーを自国の武器の購買に呼び込みたいフランス大統領。結局ルーヴルにこの絵が展示されることはなかったが、その理由は様々に憶測されていることも示される。この絵を飾ることはルーヴルの威信を棄損することだ、と大統領に手紙を書く鑑定家。「本物だ」というルーヴル館長の一文を掲載しながらも出版されなかったパンフレット....
実に面白いドキュメンタリーでした。個人的にはあの絵にはあまり魅力感じないんで、本物だとしても出して5万円くらいかなあ(笑)。この映画を観ての私個人の判定は「偽物」。というより根拠が薄すぎて(復元の加筆が多すぎて)とても本物とは言えない、というところかな。「真偽判定には10年20年のスパンがかかる」というもっともな発言もあった。方々の美術館にオファーしたが実際に購入に踏み切ったところはなかった、というのはそういうことだろう。
レオナルドには最近(といっても「サルバトーレ・ムンディ」を画商が安値で買ったころ)発見された(?)「美しき姫君」という作品もあってこちらも真偽が話題になっている。デジタル鑑定で本物と鑑定されたとされる。決め手はレオナルドっぽい指紋があることと、ハッチング跡から左利きの特徴がみられる、ということらしいのだが、贋作者にはそんな特徴を模倣することは容易らしい。所有者は高額で売り飛ばすようなことは考えていなくて、所有することで満足しているらしいことが救いだ。本物と信じて(あるいは本物と信じさせて)商売にするなら、それこそ数億ドルレベルの取引になるんだろう。私にはこちらの方が魅力的な絵だ。さほど修復もないようだし、10万円くらいまでなら出してもいい笑。(ただし現所有者が古美術商から買った値段は2万ドルくらいらしい。もし本物だったとしたらその古美術商は枕を涙で濡らしてるね)
芸術って何だったんだろう?
ゲイジュツへの投資の闇。
誰もダ・ヴィンチなんて愛してないし、この作品に心打たれるかどうかなんてかんけいない。
投資物件として価値があるか無いかだけ。
そこにドラマチックなバックグラウンドが有ればあるほど値はあがるし、あげやすい。
下世話なゴシップとは少し趣が違うけど、怪しげな美術商、ロシアの新興成金、アラブのオイルマネー、研究者、美術館etc…
これだけ「役者」が揃って、この出来レースが面白くないわけがない。
インタビューに答えている皆さんだって、全員が本当の事を言っているようにも思えないし。
だって最初に13万円程度でこの絵を入手した彼、これが本物だって思ってたなら、あんな雑な修復師に絵画の修復を依頼しないでしょ?なのにあのコメントは腑に落ちないなぁ…
そんなとこから始まって、みんな華麗に踊り踊らされ、巻き込まれた感じのナショナル・ギャラリーはちょっとかわいそうだった。
1枚も2枚も上手の猛者を相手に、利用しようなんて考える方がちょっと浅はかだったのかも。
とにかく最初から最後まで楽しめます。
作品の真贋よりも、こういうところで人間の真贋が問われるんだろうな。
ボンドのように面白い❗世界的な裏!
私見です
白人のエリートは、グローバル仲間以外や、有色人種が優位を得ることを許さない。
だからロシアの富豪や、中東の富豪が、ダ・ヴィンチの秘宝を得ることを許せなかったのでしよう。
米より英のほうが、グローバル勢力の力は強い。
ナショナル ギャラリーがミスしたのではなく、アラブの富豪から大金を得てもなお、ダ・ヴィンチを手放させたかった。
だから大統領が動いていても、グローバル白人は平気で失礼な事をする。
そして今、そのルーブル美術館検証で本物と言うレポートが出ている。
凄い二枚舌ですよね。
つまり、アラブ側が偽物だと言われて手放せば、買いとって、本物だと所有するつもりなのでしよう。
最高に楽しいドキドキの実話です❗
サウジアラビアの博物館に行きたくなりました❗
サウジアラビアのプリンス
悪い人の作戦に負けないで!
絵画に振り回される人間て。
絵の真偽をめぐり、レオナルド本人が描いたのかどうか、そんな後世の人間が正確に分かるものなのか微妙なのに、これに振り回される「人間」というものが滑稽に思えました。もちろん当人にとって価値があればお金を払うのが芸術だし、当人が満足してるならいいんじゃないのか?とも思いつつ。
こういう、映画鑑賞だって人によっては家で充分では?と思う人もいるし、みんな、それぞれ自分が満足する時間や物に対価を払って愉しめば、満足すればそれでいいと思う。
過去に本当にこの絵を描いた人、レオナルド本人でも弟子でも誰でもいいんですが、今あの世から見ててどう思うのかな〜と思いました。
全ての字幕が白で、背景が薄い色でも白のままだから時々読みづらく、すみませんまた途中で少し寝てしまいました。。
ドキュメンタリー2時間モノとしてなら、まぁまぁ良かったのかな?と思います。しかし高値がついて驚きです。。
へ~、ふーん、それで・・・
へ~、そんなことがあったんだ。
ふーん。
それで、何が?
私には、そのように映った「記録映画」でした。
感動はなく、面白くもなかったです。
肝心のとこが無い
ドキュメンタリーを映画館でみることはあまり無いのだけど、ダビンチ作が新たに発見されたと日本でも大いに話題になったサルバドールムンディって結局どうなったんだ?と気になったんで観た。
正直よく分からなかったところが多い。僕自身の知識不足の面もあるけど、分かりやすいようにするという配慮にやや欠けていたと思う。
まあ、NHKスペシャルとかの子供からお年寄りまで誰でも分かりますよという分かりやすいドキュメンタリーに慣れすぎてるのかも知れない。
美術品が投資の対象になってからというもの、絵そのものの価値と売買価格が乖離した異常な現象が起こり、金にまみれた世界になったということには今更驚かないが、真贋の鑑定がこんないいかげんなんだ?ということには驚いた。
終盤でルーブルに展示を検討する段階ではじめて科学分析されたみたいな話だったが、えっ! まさかそれまでやってなかったん?という感じ。いやいやいやいや、まさかそんなはずないよね…。
この映画で不満なのは、絵がダビンチ本人のものなのか、そうではないのか、いろいろな立場の人がいろいろな意見を言っているが、ほとんどその意見の根拠をこの映画の中で示していないこと。
もちろん実際には言っているんだろうが、この映画ではなぜかそこをばっさりカットしている。話が専門的すぎて分からないからカットしたのか? 変な話。そこが一番大事なのに。
もしかしたら本当に、名画のオーラがあるとか、技法がダビンチのものと同じだとか、直感だとか、客観的証拠にならないようなもので真贋を見てるのが絵画の世界ってことなのだろうか?
科学的分析の何を見て、この作品が工房のものでダビンチは貢献したに過ぎない、という結論を出したのかきになる。
門外漢だからそう思ってしまうのかもしれないが、ダビンチ本人の作と思われる根拠はこれこれこうで、工房作と思われる根拠はこれこれこうで、と並べて、本人作の可能性は現時点で65%です、みたいに確率であらわしたらダメなんだろうか?
真か贋かとどちらか二者択一になるからこそ、どっちに決めるにしても外れるリスクが生じるわけで…。今真作だとされているものも、本当はグレーなものがけっこうあるんじゃないかと思う。
ありがとう
あの絵画を誰が落札したのか気になっていたんだ。結局、限りなく真作に近い贋作みたいな作品だったってことだ。
それを詐欺師達が巧妙に真作に見せてプロモーションし馬鹿な金持ち達から金を巻き上げたのが事の真相ってことか。
長期的な視点に立ったルーブル美術館の判断は英断でしたし権力者に迎合しない態度は素晴らしかったです。フランスは偉そうにしているので嫌いでしたが見直しました。さすがに自国の文化に誇りがあるだけはあります。
面白い!
本人作品か工房作品か。
真偽やいかに!
アートに全く縁のない自分でも途中からぐいぐい引き込まれる。
口先だけで飯を食うバイヤーと、ある意味食い物にされる富豪…
魑魅魍魎が渦巻く芸術の世界って怖い!(凄い!)と思わせる意外な世界を垣間見れる作品!
世界まる見えやアンビリーバボーのTVの尺では見せきれない闇?謎?の世界を見れます。
【ダヴィンチの皮肉な微笑みと仲介者の高笑いが聞こえて来るような作品。ダヴィンチ(作と思われた・・)の「救世主」に群がる有象無象の姿をミステリータッチで描いた辛辣なドキュメンタリー作品。】
- アメリカの田舎の一般家庭で発見された"ある絵画"。
当初、25$で売りだされた作品が、美術商人、学芸員、歴史家のコメントと、仲介人が介入する事で、ナショナルギャラリーに展示され、オークションにかけられたら、ナント4億$に!。
オークション風景を見ると、金銭感覚がオカシクなる・・。
バブル時代に、日本のある会社が、ゴッホの”ひまわり”を53億円で落札し、世界の美術界を唖然とさせた事は記憶に新しい。
あの出来事は、顛末も含め日本人として恥ずかしかった。
あの会社の偉いさん達は、絵画を投機の対象と、自分達の会社の繁栄を誇示したいだけだったから・・。-
◆感想
・"ある絵画”がダヴィンチの長年行方不明になっていた「救世主」ではないか!ともっともらしく語る絵画を発見した美術商のどや顔のコメント。
- で、多額の金を手に入れる・・。-
・ナショナルギャラリーに展示された事で、更に事態は過熱して、ロシアの新興富豪やサウジアラビアの王子まで、乗り出して来て・・。
- ダヴィンチの、真の作品なのか、ハッキリしないのに・・。-
◼️ダヴィンチの作品なのか、ダヴィンチ工房(つまり、弟子の作品)の作品なのかハッキリしないまま、作品を競り落としたサウジアラビアの王子の思惑が徐々に明らかになる過程がミステリータッチで、描かれる。
・ルーブル美術館の詳細な分析の結果。
マクロン首相まで出て来て、サウジアラビアに恥をかかせないための、政治的な絵画に対するコメント・・。
<美術業界の闇の実態を露にしたシニカルで、ミステリー要素を絡ませたドキュメンタリー作品。
ルーブル美術館の詳細な調査の結果、表明されたコメントもかなりシニカルだ。
さて、この作品はサウジアラビアの新たに出来る美術館に展示されるのであろうか?
それにしても、この作品がナショナルギャラリーに展示された際の、観客(含む、レオナルド・ディカプリオ)の感激の涙を隠し撮りした映像も、非常にシニカルであり、絵画の真偽などは、科学的分析なしには、素人には到底分からないのであるなあ、と思った作品でもある。>
朝ドラカムカムエブリバディで上白石萌音ちゃんが「キュウリって何じゃろね?」っていっていたのを思い出しました
キュウリ 骨董
美術商は the curio dealer でしたっけ?
骨董市って胡散臭いおっさんがいっぱいで、おっさん達の体臭もきつくて窒息しそうになる。
しかし、嬉しそうでしたね、あのおじさん。ちょっとナイツの塙に似てた。
モナコのロシア人。本物のマフィアですよね。怖~
オークション。落としても保管・警備などの維持経費が馬鹿にならないな~
アラブの王子の顔はちょっと親近感を感じました。友人に似てる奴がいる。
厳重な警備。
下手なマフィア映画より臨場感あってよかったです。
自ら傭兵といいなさるジーパン姿のフランス語のかっこいい謎のおじさん。
魑魅魍魎の世界。
アラブの石油は出なくなったらおしまいだし、これからの時代は化石燃料は流行らないので、早めに手を打つ必要があるというのには、まあ賛成。
それには最後のダ・ビンチ作の【救世主】が是非とも必要なのね。
あのお姉さん。ピーター(池端慎之介)に似てて、かっこよかった。
パリのルーブル美術館もあてにならんわ!
またひっくり返すかも。
救世主の価値をめぐって、アラブ世界がもめる火種になるかも。
イギリスがやらかしたあとの次はフランス?
モナリザを見に並んだことだけは覚えております。もう並ぶのは嫌でございます。
真作ではない
500年以上も前の腐った絵画、手直しされた薄汚れた絵画に作家の命脈などないのは明らかなのに、
真作でなければ価値がないように価格を決める。
それはもう芸術作品では無く、政治的な取引の貴重品でしかない。
アートというものは、そんな政治的に人間の欲望によって貴重品に仕立て上げられた贋作であることがわかる。
今回の作品も、ダヴィンチの貢献があったということで真作でないことを遠回しに言っている。
不気味な微笑みのモナリザも冷静に観れば自分の寝室に飾れるようなものでないことで、作品価値と価格と好みには何の相関関係がないことがわかる。
フランス国王のイタリアへの憧憬の象徴なので芸術とは異なる価値が上乗せさせられた貴重品の一つで今を生きる私には理解できない。
嫌な業界だ。足を洗ってよかった。
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