ダ・ヴィンチは誰に微笑むのレビュー・感想・評価
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ボンドのように面白い❗世界的な裏!
私見です
白人のエリートは、グローバル仲間以外や、有色人種が優位を得ることを許さない。
だからロシアの富豪や、中東の富豪が、ダ・ヴィンチの秘宝を得ることを許せなかったのでしよう。
米より英のほうが、グローバル勢力の力は強い。
ナショナル ギャラリーがミスしたのではなく、アラブの富豪から大金を得てもなお、ダ・ヴィンチを手放させたかった。
だから大統領が動いていても、グローバル白人は平気で失礼な事をする。
そして今、そのルーブル美術館検証で本物と言うレポートが出ている。
凄い二枚舌ですよね。
つまり、アラブ側が偽物だと言われて手放せば、買いとって、本物だと所有するつもりなのでしよう。
最高に楽しいドキドキの実話です❗
サウジアラビアの博物館に行きたくなりました❗
サウジアラビアのプリンス
悪い人の作戦に負けないで!
この絵の前で僕は泣けない。
僕にとって見る価値のありそうな映画が無くなってしまったので、また、家でスポーツ観戦も嫌なので、仕方無しに日比谷に見に来た。言うまでもなく、でかい画面で見るような映画では無いし、結論も言わずもがなである。
誰に微笑むか?答えは誰にも微笑まないのだと思う。
僕は芸術とは自分の直感にあると思っている。だから、言い換えれば、好みの問題と言う事だ。ダ・ビンチの絵画であっても、つまらない絵はつまらないと僕は言う。また、その作品の作者では無いのだから、値段がいくらか?なんてどうでも良いし、その観点から先入観は持ちたくないと出来るだけ思っている。まぁ、この映画はその点を再確認させてくれたかなぁ。ちなみに、この絵が誰の作品であろうと、僕はこの絵の前で泣けない。最大の理由は宗教観の違いだと思うが、色使いも普通の絵だし、ベターとして、ハッキリしていない。と僕は思う。
但し、
自分の好みの問題だと申したが、審美眼を養おうとする努力や気持ちも大事だと思う。
べつに映画館で観なくてもいいような……
史上最高額の絵画『サルヴァトール・ムンディ』は、果たしてダ・ヴィンチの作なのか? その購入者は誰なのか?
それらの謎に迫っていく過程はスリリングでしたが、多数の証言を字幕で追って、込み入った事情を理解していくのは、なかなか集中力のいる作業でした。
ちょっと油断してたらたちまち置いていかれます(僕は置いていかれました。寝不足気味だったので)。
理解した範囲だけで言うと、べつにスクリーンで観なくてもいいような作品でした。扱っているテーマは1級品だけど、映画作品としては平凡な出来だと思った。正直言って、予告編のほうがワクワクした。
同じ題材を、NHKスペシャルあたりでやってくれた方が、わかりやすく観ることができたかもしれません。
何でも鑑定団なら?
510億かー、スッゴイ値段の絵だなぁ。で、気になって調べてみた。ドラマ版のロードオフリングが製作費500億、鬼滅の刃の興行収益が500億、思いやり予算500億追加、アベノマスクほぼ500億、学校通学路に500億計上‥はー、キリが無い😮💨
絵画に携わる人々の思惑により、真贋はともかく⁉️オークションで あっと言う間に値上がる驚き。そして、その絵が、そんなに高いにも関わらず、諸事情により未だ公開されない不幸。絵が泣いてるな、いや、何年もの間、人知れず埋もれていたんだ。それが、補修を得て『ダ・ヴィンチ』の手によると言うお墨付きを得てたちまちアヒルが白鳥になってしまい、白鳥は顔を突っ込んだまま顔を見せてくれないって感じ。なんだかなぁ😩
作者や絵画にまつわるストーリー、そして何と言っても圧倒的な価格に惑わされて 純粋に絵画を愛でることができない状況があるとわかった。高い絵=良い絵ではなく、作者の名前。ま、確かに、絵画全体を見るよりも、作者名を見て、納得してしまう事って大いにあるもんなぁ。映画だって、監督名や役者に釣られて見て、中身はスカって事もママあるし🤔ついつい御題目に踊らされてしまう自分をも感じた。
ブランディング
この映画は吹替が良かったなぁ。人名とトークが両方字幕だと、目が追いついていけず、あわわわとなってしまった。
最初に絵を見つけた人は、確信まではなかったと思うが、期待していたのは間違いない。だけど、修復というより、お化粧って感じにしちゃったのは、どうなんだろう。なんか、てっかてかになってたよね。
絵は長い時を過ごしながら、今の世に残った。残ったということは、人を惹きつけるものがあったわけだ。ロマンがある。だけど、莫大なお金が動くと、リアルになってしまい、興が冷める。
いろんな人が、それぞれの思惑を持って、ダヴィンチの作品に仕立てた(と私は解釈した)。絵の来歴がはっきりしない以上、ダヴィンチの手によると、証明はできないのに。スフマートや文献などから、可能性があると言うのがせいぜいだと思うけど、真偽は明らかでない方が、都合のいい人がいるんだよなぁ。天才ダヴィンチは、老舗のブランドである。ブランドは安心だ。
ロシアの実業家を騙した人が、堂々と顔出しているけど、報復されないのだろうか。強力なバックが付いているのか? うーん、裏社会のにおいがする。
BGMのジャズっぽいドラムが渋い。クールでスリリングな雰囲気がした。
絵画に振り回される人間て。
絵の真偽をめぐり、レオナルド本人が描いたのかどうか、そんな後世の人間が正確に分かるものなのか微妙なのに、これに振り回される「人間」というものが滑稽に思えました。もちろん当人にとって価値があればお金を払うのが芸術だし、当人が満足してるならいいんじゃないのか?とも思いつつ。
こういう、映画鑑賞だって人によっては家で充分では?と思う人もいるし、みんな、それぞれ自分が満足する時間や物に対価を払って愉しめば、満足すればそれでいいと思う。
過去に本当にこの絵を描いた人、レオナルド本人でも弟子でも誰でもいいんですが、今あの世から見ててどう思うのかな〜と思いました。
全ての字幕が白で、背景が薄い色でも白のままだから時々読みづらく、すみませんまた途中で少し寝てしまいました。。
ドキュメンタリー2時間モノとしてなら、まぁまぁ良かったのかな?と思います。しかし高値がついて驚きです。。
闇に踊る赤鬼たち
チラリとめくった所で薄暗い淀みしか伺い知る事の出来ない美術界。そんな世界の胡散臭さを、余す所なく覗かせてくれるナイスな作品でございました。
もーね。全員胡散臭い!しかも、全員自覚してるときたもんだ(笑)(笑)(笑)。
ちょっとゾゾッとする様な事もあるのだけれど、秀逸なブラックコメディを観ている様で楽しい時間でした。
「話題こそが正義」であり、事の真偽など実は大した事ではない。コレは我々一般人の世界にも言える事なので、振り回されず呑み込まれず生きていく為の糧としても良いのかも知れませんね。
へ~、ふーん、それで・・・
へ~、そんなことがあったんだ。
ふーん。
それで、何が?
私には、そのように映った「記録映画」でした。
感動はなく、面白くもなかったです。
よくできたドキュメンタリーの小品
原作の本は読んだのですが、ドキュメンタリーとして、ちゃんとまとめたなぁ、と思いました。ただ、ダ・ヴィンチ作ではないかという、この『サルバドール・ムンディ』に対しては、本を読んだ時と映画を見た後とでは、私の中で、印象が変わりました。まさに、百聞は一見にしかず、ですね。
真贋がはっきりしなくとも、アートの値段が釣り上がっていくカラクリも、よく分かりました。テンポも良い。
映画半ばには、少し退屈なところもありますし、結局のところ、映画の中では、この絵の真贋については言及していないので、モヤモヤが残るかもしれません。
アート好きな人には面白いと思いますが、ダ・ヴィンチの作品はモナリザくらいしか知らない、という方は、どうかな。絵の値段って一体何なの?と不快に思うかもしれません。
いつの日か、この絵が、日本の展覧会にでも出品されるようなことがあれば、ぜひ見てみたいと思いました。
肝心のとこが無い
ドキュメンタリーを映画館でみることはあまり無いのだけど、ダビンチ作が新たに発見されたと日本でも大いに話題になったサルバドールムンディって結局どうなったんだ?と気になったんで観た。
正直よく分からなかったところが多い。僕自身の知識不足の面もあるけど、分かりやすいようにするという配慮にやや欠けていたと思う。
まあ、NHKスペシャルとかの子供からお年寄りまで誰でも分かりますよという分かりやすいドキュメンタリーに慣れすぎてるのかも知れない。
美術品が投資の対象になってからというもの、絵そのものの価値と売買価格が乖離した異常な現象が起こり、金にまみれた世界になったということには今更驚かないが、真贋の鑑定がこんないいかげんなんだ?ということには驚いた。
終盤でルーブルに展示を検討する段階ではじめて科学分析されたみたいな話だったが、えっ! まさかそれまでやってなかったん?という感じ。いやいやいやいや、まさかそんなはずないよね…。
この映画で不満なのは、絵がダビンチ本人のものなのか、そうではないのか、いろいろな立場の人がいろいろな意見を言っているが、ほとんどその意見の根拠をこの映画の中で示していないこと。
もちろん実際には言っているんだろうが、この映画ではなぜかそこをばっさりカットしている。話が専門的すぎて分からないからカットしたのか? 変な話。そこが一番大事なのに。
もしかしたら本当に、名画のオーラがあるとか、技法がダビンチのものと同じだとか、直感だとか、客観的証拠にならないようなもので真贋を見てるのが絵画の世界ってことなのだろうか?
科学的分析の何を見て、この作品が工房のものでダビンチは貢献したに過ぎない、という結論を出したのかきになる。
門外漢だからそう思ってしまうのかもしれないが、ダビンチ本人の作と思われる根拠はこれこれこうで、工房作と思われる根拠はこれこれこうで、と並べて、本人作の可能性は現時点で65%です、みたいに確率であらわしたらダメなんだろうか?
真か贋かとどちらか二者択一になるからこそ、どっちに決めるにしても外れるリスクが生じるわけで…。今真作だとされているものも、本当はグレーなものがけっこうあるんじゃないかと思う。
美術界の暗部をえぐる快作
2017年11月15日、クリスティーズの競売にて4億5000万ドルで落札された1枚の絵。レオナルド・ダ・ヴィンチがイエス・キリストを描いたとされるものだ。
本作はこの作品がいかにして見出され、どのような経緯で史上最高額まで跳ね上がったかを時系列を追って描くドキュメンタリーだ。元々は1,000ドルそこそこの値段だったものが人手を経るうちに雪だるま式に高額になる。このからくりこそが美術界最大の問題なのかもしれない。
政治が絡んでくるなんて!
1958年ダ・ヴィンチの複製だとされ13万円て売られていた絵画が、真作?だとわかり、2017年、510億円でオークションで取引されたアート界の裏を描くノンフィクション。
最後には政治が絡んできて、ドロドロの映画。
美術館に、個人蔵の作品をなぜ飾るのだろうと、思っていました謎が解けました。
最高に面白ったです。
投資と政治の材料としての美術品
日本企業がゴッホの「ひまわり」を53億円で購入したのはバブル期のこと。元は取れるのだろうかと心配した記憶がある。損得勘定ではないではないのかもと。
本作に登場する「サルバトール・ムンディ」の売却金額は文字通り桁が違う。どんな仕組みでそんな金額になったのか気になっていたので鑑賞することに。でも、美術界に詳しくないので、序盤の絵画の修復や落札までの流れの説明が多くて若干退屈だった。ところが、「サルバトール・ムンディ」をロシアの富豪(マフィアみたいな風貌なのも笑える)が購入したあたりから俄然面白くなった。ロシアの富豪の代理人として購入の交渉を行った男が、実際に購入した金額よりも高額で購入したと嘘をつき、差額で4400万「ドル」儲けたという話がとにかく衝撃的だった。ちゃんと手数料も請求して。ただの詐欺じゃんか!ロシアの富豪もそりゃ訴えるわ!
そして終盤、誰が何のために購入したのかって話と、ダ・ヴィンチ展を開こうとしていたルーヴル美術館・フランス政府との水面下での交渉の話もまた面白かった。その際に「サルバトール・ムンディ」を誰が描いたのか、ルーヴルが行った科学的な検証結果についても。もうこうなったら誰が描いたのかはどうでもいいから、政治的・投資的な交渉材料として利用されていくということなんだろう。そこまで価値のある絵だとは思えないのは所詮素人感覚だ。
こんな映画を観ると、53億円で買ったゴッホの「ひまわり」ももしかしたら100億円以上で売却ができるのかもしれない。なんだ、ちゃんと元は取れるじゃないか。美術界の闇は深いな。
なんで13万円の画が510億円になったの!?!?
実話なんですよね!
実話だと知っていたらもっと楽しめるかも。
なんで13万円の画が510億円になったの!?!?
と考えながら観たら、
めちゃくちゃ面白いです。
インタビュー形式でつながっていくからこそ
リアリティがあってよけいにワクワクしました。
アートが好きな人は必見です^^
リアル"藁にもすがる獣たち"
新たに発見されたダ・ヴィンチの「救世主」という作品。真偽を疑われながらも美術商や富豪の目に留まり、最終的に4億ドルの値が着く経緯を追ったドキュメンタリー。
そもそもこの「救世主」の絵、ダ・ヴィンチの絵だという根拠が薄いまま、各人の「絶対にダ・ヴィンチの絵だ」という願望によって展覧会に出したり美術商が売り買いして、さらに怪しげなロシアの富豪やある国の皇太子なんか出てきて見れば見るほどメッチャ面白い。
その富豪だけじゃなく、金の匂いに群がるいかがわしい仲介人"右腕の男"に皇太子の"傭兵"なんて男まで出てきて(呼称のセンスが最高)、普通にめちゃくちゃ面白いサスペンスになってくる。しかも出てくる登場人物の行動原理は単純明快、富と名声への欲望。
1つの絵画をめぐる金の亡者たちの感じ、今年観た韓国映画の『藁にもすがる獣たち』と同じだなと。
ダ・ヴィンチの絵じゃなかったとしても、このストーリーだけでいわく付き絵画としてそれなりの価値はもう出てる気がする(笑)バンクシーの絵がシュレッダーにかけられて高額で落札されたように、現代アートってパフォーマンス含めて価値がつくものかなと思うので、「救世主」もそういう意味では価値があると思う。
でもそれは現代アートであって、決して古典的な権威のあるアートではないよなぁ。
ありがとう
あの絵画を誰が落札したのか気になっていたんだ。結局、限りなく真作に近い贋作みたいな作品だったってことだ。
それを詐欺師達が巧妙に真作に見せてプロモーションし馬鹿な金持ち達から金を巻き上げたのが事の真相ってことか。
長期的な視点に立ったルーブル美術館の判断は英断でしたし権力者に迎合しない態度は素晴らしかったです。フランスは偉そうにしているので嫌いでしたが見直しました。さすがに自国の文化に誇りがあるだけはあります。
時間が、解決することになる。
ドラマ性はなく、ドキュメンタリー映画です。
原題は、「The Savior for Sale(販売者のための救世主)」という意味で、
2017年11月15日、クリスティーズのオークションで、絵画「サルバトール・ムンディ」を
史上最高額の510億円で購入した人という意味です。
日本では注目されませんでしたが、西洋では注目されました。
邦題は、「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」で、意味不明なタイトルです。
原題の方が、映画の内容を表しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチが1500年ごろに描いた「サルバトール・ムンディ」は歴史的
には存在します。
贋作は後から作成することはできますが、本物はきちんと保管されていない限り、
いずれは朽果てます。
この映画に登場する絵画「サルバトール・ムンディ」はきちんと保管されるので、
後世にまで残り、真作と評価をいずれ受けることになるでしょう。
個人的には、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた絵画には見えませんでした。
いかにもという、手の形や水晶玉が、信憑性を損なっています。
絵画の売買に興味がない人には、全くお勧めできません。
レオナルド・ダ・ヴィンチは画家として有名ですが、残されている絵画は、20点ほどで
少ないです。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたキリストは、絵画「最後の晩餐」が有名です。
13万円で購入した絵画を、修復し、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた絵画として、
510億円で売れるまでの物語です。
サブタイトルが付けられて、物語が展開されるので、分かりやすいです。
大金が動く絵画取引は、目的などを含めて、理解できません。
クリスティーズが行った宣伝の手法は、上手いと感心させられました。
MBSは、ムハマンド・ビン・サルマーンの略で、王族サウード家の一員で、サウジアラビアの
政治家で、王太子兼第一副首相兼国防大臣兼経済開発評議会議長ですが、サウジアラビアを
支えてきた石油資源に依存しない経済・社会を目指した改革を進めています。
2021年4月14日、米紙ウォールストリート・ジャーナルなどは、絵画「サルバトール・ムンディ」が
紅海近くの新都市ネオムのヨットハーバーに停泊していたムハマンド・ビン・サルマーンのヨットの
中にかかっていたと報道しました。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「サルバトール・ムンディ」であるかどうかは
分かりませんが、多くの人を魅了したのは確かです。
映画を鑑賞しても理解できない人には、パンフレットが良くできているので、購入をお勧めします。
【謎の男/アイルワースのモナリザ】
正直、この作品が制作されたのは、この「サルバトール・ムンディ」の最終所有者が、500億円なんてはした金のサウジアラビアの王子だったことへのやっかみもあるのではないかと思っていたし、映画を観た後、よく考えて、やっぱり、そういう部分は多少なりともあるような気がしている。
偶像崇拝を禁じているイスラム教スンニ派の国の王族が、長年、十字軍と戦い、今でもイスラム教過激派がキリスト教やユダヤ教を攻撃しているのに、なんでキリスト像の「サルバトール・ムンディ」を所有するのだ!?と笑
やっぱり、この「サルバトール・ムンディ」が世に知られたタイミングが、まず悪かった。
(以下ネタバレ)
リーマン・ショックなど金融危機の後で、欧州は、ギリシャをはじめ複数の欧州周辺国を中心に財政破綻寸前まで追い込まれていた状況で、たとえ、大きな美術館であっても、当初に提示されていた150億円前後の金額だって支払えるはずはなかったのだ。
その間、最初にうごめいたのがロシアの石油王ってところも、なんか、昨今の原油高も手伝い、とにかく腹立たしい笑
当初アメリカのディーラーが、「サルバトール・ムンディ」の塗り重ねられた部分を独自に洗浄したりしたことも、もっとちゃんとしたプロにやらせろと腹立たしく感じる。結局、その時は、レオナルド・ダ・ヴィンチ作と確信がなかったから、そうしたに違いないのだ。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」もそうだが、西洋絵画には勝手に修復されたり、描き加えらものは少なくない。
こんな中、西洋絵画の世界最高峰の調査・修復技術を持っているのは、間違いなく、ルーブル美術館だ。
これは、レンブラントの映画でも触れたが、もう、反論の余地はない。
そして、レビュータイトルに書いた「謎の男」
この作品の中で、一人だけ、名前も顔も明らかにならない男がいる。
全ては、この男の「レオナルド・ダ・ヴィンチが”貢献した”作品」という発言がベースなのだ。
ところで、「アイルワースのモナリザ」という作品がある。
ルーブル美術館が所蔵する「モナリザ」の他に、もう一つ「モナリザ」があるということが長年言われてきた。
フィレンツェの文献や、新たに発見された手紙のやり取り、そして、なんといっても、レオナルド・ダ・ヴィンチを敬愛していた、巨匠のラファエロの模写のラフスケッチがあったからだ。
そのラファエロのラフスケッチのモナリザは、ルーブル美術館の「モナリザ」とは異なる雰囲気なのだ。
そして、「アイルワースのモナリザ」が世に出る。
”大枚をはたいて”複数のシンガポールのビジネスグループがこれを購入し、現在は、シンガポールの、おそらくフリーポートのどこか一角に厳重に保管されているはずだ。
「アイルワースのモナリザ」は、一応調査は行われ、顔以外の絵の具は、レオナルド・ダ・ヴィンチが使っていたものと一致するという見解がなされていた。
しかし、その顔が、ラファエロのラフスケッチより、ルーブル美術館のモナリザの顔に似ていることから、これは後年、書き換えられているという疑問が付きまとっていた。
このビジネスグループは、顔部分の絵の具の調査を拒否し、ここまでくると、「サルバトール・ムンディ」と似た状況を想像しそうになるが、X線や解析技術が格段に進歩し、経年劣化が激しい「モナリザ」を後世にできるだけ、このままで残す方法を探るために、ルーブル美術館が「モナリザ」の再調査を行った際、出てきたのだ。
二枚目のモナリザが、モナリザの下から。
予想されていたことではあったが、ラファエロがラフスケッチした”あの”モナリザの上に、レオナルド・ダ・ヴィンチが、「モナリザ」を描いていたのだ。
だから、冒頭で、親指が二本あるけれども、レオナルド・ダ・ヴィンチは、こうしたことをよくやるというのはうなずけることでもある。
あえなく「アイルワースのモナリザ」は、もう一枚の「モナリザ」ではなくなってしまった。
もう、人目に触れることはないかもしれない。
この作品のエンディングのテロップに、「サルバトール・ムンディ」はレオナルド・ダ・ヴィンチの作品だとルーブル美術館が確認したと出てくる。
僕は、これをもって、レオナルド・ダ・ヴィンチ作だということにならざるを得ないと思っている。
映画でも触れられるが、フスマートの精緻さから考えると、もう一枚の「サルバトール・ムンディ」が登場するなんてことは考えにくいし、レオナルド・ダ・ヴィンチが貢献したのか、レオナルド・ダ・ヴィンチ作なのか二つに一つのチョイスしかないのだ。
近年、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の肖像画か否かを判断するときに、目線に注目するというユニークなアプローチもある。
むかし読んだ「モナリザの目」という詩があって、そこには、モナリザは、どこにいても、自分の方を向いていて怖いというような内容が謳われていた。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、両目で対象物を見た時と、それぞれ片目をつぶって見た時の違いを、人体の構造として注目していて、顎を固定し、片目を隠しながら、対象物を見る機材を開発しているのだ。
「サルバトール・ムンディ」の目線には、そんな揺らぎを感じますか?
感じませんか?笑
近年、同様にレオナルド・ダ・ヴィンチ作とされた、「糸巻の聖母」は、その雰囲気は薄いように思う。
ただ、長年、弟子の作品とされてきた「レオナルド・ダ・ヴィンチ像」があって、これは、本当はレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「自画像」ではないかと言われている。
見た時の揺らぎがあるのだ。
これからも、レオナルド・ダ・ヴィンチほど、世の中を惑わす画家は出てこないだろう。
小説はちょっとくだらないと思ったが、これこそ、「ダ・ヴィンチ・コード」だ。
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