茶飲友達のレビュー・感想・評価
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地に足のついた高齢者の姿
なんとなく、世間は高齢者に対して性的な存在であってほしくないと思っている気がする。しかし、そんな勝手な「理想像」を押し付けていていいのだろうか、人間はいつまでも性的な存在ではないかと、この映画は静かに語りかける。
孤独な高齢者が新聞の三行広告で「茶飲友達募集」の文字を見つける。これは実際にあった出来事から着想を得ているそうだが、実際の事件でも「茶飲友達募集」の文字だけで、わかる人には性的な何かだとわかったらしい。実際に売春グループが摘発された時、1000人ほどの会員が登録していたという。
人のぬくもりというものは、いくつになっても価値あるものだと思う。この国では高齢者は、もう数的にはマジョリティとなっている。この映画が描いたものは、多くの人にとって他人事ではない。いつか誰もが老いるのだから。
本作は、貧困にあえずぐ若い世代の物語でもある。社会の足元が確実に崩れてきていることも実感させる作品だった。ややシナリオが散らかった印象もあるが、現代日本にとってとても大切なことを描いた作品だ。
煎茶コースから玉露コース
どんな内容なのだろうと思っていたら、単なるデリヘル業の老人版。それでもティーガールのほとんどが独居老人なので、お客さんの老人男性ともWin-Winの関係と言えるかもしれない。三行広告で釣るというのも昭和的で面白い。
しかし、ストーリーの大きなテーマは「家族」についてだった。特に、半額おにぎりを万引きしそうになったマキコさん=わかばさん。立派な家に住んでいるので生活に困っていたわけではないのだろうし、孤独という環境がそうさせた。佐々木マナは彼女に売春させるというより、おおきな家族に誘ったに過ぎないのだ。
70歳を超えても8割の老人には性欲がある。基本的には本番禁止。お茶から始める茶飲み友達でよいのだ。ただし料金はかかる・・・家族から疎遠にされた者たちとファミリー。本当なら金銭の絡みのない家族だったらもっといいのにな。
個人評価:3.3 シニア層の恋愛と性を描いた映画と思ったが、若者目...
コレは現代日本人が陥る陥ってる現実の問題〜暖かい人と冷たい現実とく...
裏には
茶柱
このレビューは834文字と長いです。
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なんとなぁ~く観た作品。
孤独な高齢者が新聞の3行広告を通して
お互いの隙間を埋めていく何気ない映画と思っていた。
しかし、隙間の埋め方よ....
何となく痛々しく観始めたんだけど
少しずつ、少しずつだけど何となく共感する自分が居て。
若いころは友達が沢山いて、彼女もいてただ一緒にいるだけで
満たされて
しかし、歳を重ねるごとに環境は変わって
友達は仕事仲間に変わっていったり彼女は奥さんになったり。
自分一人を考える事が少なくなって、時間が経ち
子供は巣立ち衰えていき気が付けば周りに話せる人がいなくなり
孤独になってしまった。
そんな人は今後どのように隙間を埋めればよいのだろうか?
快楽だけを求めるのではなく、人肌の温かさの向こうにある
快楽に手を伸ばす。
お金を払って。
それがタブーと知っていても。
レビューを書く前に、他のレビューをさらっと読んでみたが
「悪」とする人。
「気持ち悪い」とする人。
良く分からん人www
が居て。
当然千差万別十人十色。
色んなレビューが出て当然だろう。
しかし、読んでいて「なんだかな?」と思ってしまう。
恐らく自分が人生100年であるとしたら半分を過ぎた男だからであろう。
何となく老後を考える事がある。
自分が孤独にならない保証はどこにもない。
その時自分はどうするだろうか?
高齢化社会。
経済の低迷。
若い人は頑張ればなんとかなるかもしれない。
しかし、折り返しを過ぎた身としてはそこまでのモチベはない。
まあ、今現在の人間関係を大切にしようとは
今まで以上に思ったけど。
と、675文字使ってレビューと言えるかどうかわからない事を書き綴ってしまった。
若い世代がこの作品を観た時にどのように思うのだろうか?
若くても孤独な人はいると思うのか?
年寄りのくせに汚いと思うのか?
それとも.....
実際にあった高齢者デートクラブを題材としたこの作品。
何となく考えさせられる作品でした。
人類最古の職業について、自分なりにもう一度考えてみてください
老人相手の売春組織の話なんですが、根本的には売春自体が是が非かが問題なんですよね
老人は寂しさとか心の繋がりとか言うけれど、若者だって、溢れる性欲をもてあましているんです
映画というものは、是枝裕和を観ていてもそうですが、特殊なシチュエーションを切り取って観せるので、今回は老人に限って切り取った作品というだけです
売春が是か非かと言うなら、今の日本では非です
国によっては違いますがね
女性解放の手段として、売春禁止法が施行された
男性の風俗しかなかったからね
男も女も区別がなければ、矛先は違ったかもしれない
生物学的にいうと、優秀な遺伝子を残すためには、優秀な遺伝子以外は淘汰されます
結果、少数のオスがメスを独占するのです
人間も生物ですから、根本は変わらない
しかし、人間には感情があります
モテない人は、一生独り身で過ごすなんて、悲しいですよね
これは男も女も変わりません
モテない人、歳をとって見向きもされなくなった人を救済する事は出来ないのだろうか
昔のようにお見合いとかじゃだめだ
無理やり制度として結婚してもストレスになるだけ
でも自然なに任せれば、必ずたくさんのアブれる人が出てくるんです
お金を払って身体を重ね合う
そこには愛は無い
本当は愛こそが欲しいんだけれど
でも、身体の欲求だけはみたされる
せっかく生まれてきたんだから、それくらいはいいのではと思う
これは、男女共に恵まれない人の本音ではないですか
ヒロインが自分はプライドを持ってやっていると叫ぶけど
それは一理あると思う
ただ、管理し利用する人が、誇りをくすぐりながら利用しているのも事実
違法であるせいで、当事者は搾取される
違法のまま放っておくのがいちばん良くない
合法であれば、公的機関や大企業のもと、誇りをもてる職業になれるんじゃないだろうか
作品はそれぞれ事情があるんだと、いやに組織(ファミリー)の味方になるような場面を入れ込むんだけれど、そういう切り込み方はなんの解決にもならない
でも、問題提起にはなった
年寄りは日向ぼっこしてろ
裏を返せば
若くても恋愛下手(精神的なだけじゃないですよ。ビジュアルやら障害も含めます)は
じっと一生我慢してるか、趣味や仕事に没頭して忘れなさいってか
これが健全な人生ですか?
最近は一生誰とも付き合わず、独身のままで過ごす人が増えてきましたが、これは生物学的なアキラメなのかなあと思うことがあります
これは、感情が退化しているんじゃないだろうかとも思う
人間らしさが失われていくなんていうと、バッシングをもらいそうで怖いですが、あえて言うなら、抑えきれない感情があるから人間なんじゃないだろうか
わかる年齢になってきた
暇を持て余して暇つぶしになる映画を探していた。おもしろいタイトルに惹かれて何となく鑑賞してみたのだが…。
暇つぶしでは片付けられない内容だった。高齢者売春という実話にもとづいた内容なのだが、「買う側」の年齢にどんどん近づく自分に重ね合わせていたからだと思う。
若い人には気持ち悪く映るかも知れない。爺さんと婆さんの性行為なんて…。
人生100年時代などと言われるようになって久しいが、心臓が動いて呼吸しているだけでは意味がない。高齢者だって温もりがほしいはず。だが、ドンファンでもなければ相手をしてくれる人なんていない。自分ならどうするんだろう?と自問自答してみたが、答えは見つからなかった。いや、怖くて見つけようとしなかったのかも知れない。
陽のあたらない場所に追いやられていく高齢者たち。いつか自分も同じ道を辿ることも知らず嘲笑する若者たち。この国の少子高齢化と人口減少に歯止めはきかず、いつか立場が逆転する日が来る…。
思い返してほしい。芸能界での性スキャンダルの多さを。毎年誰かが画面紙面を賑わしている。一般人とて同じなはずだ。むしろ文春のようなハイエナがいない分ハードルは低いだろう。
それにしても役者さんって大変だ。高齢で売春、買春の役を演じるってどういう心境なんだろう?顔を知っている役者さんは二人だけなのだが、名前までは知らなかった。松子役の方も文字通り体当たりの演技が素晴らしかった。
若さだけの自由と高齢者の孤独なんて紙一重だなって思った。
孤独の居場所で
誰かの忘れもののような時間に力が満ちていく瞬間。
それがたくさんあったのは事実だ。
そして、家族との確執から抜け出せないでいる主人公が仕事を運営する姿はたしかに生き生きとしていた。
だがそれは社会的なルールを越えていた。
自分の寂しさを他人の孤独で埋めている行為だと言われても反論できず、築きあげてきたものは簡単にくずれ去って消えた。
「次はねぇ。」のを本当は誰よりも知っているはずの彼女が終わらないわだかまりのなかでもがく姿は辛く、そこをつなげられる存在の弱さの残念さ、正しくいかされなかった経営の才能がもったいない。
知らない世界だったが実話がベースという。
孤独の居場所を蛍や星のように光らせてみたら、この世の中の暗闇はどんな眺めになるんだろう。
行政では救えない“スキマ的な需要”それを満たすティー・フレンド
性風俗を描いた映画には独特の、
好奇心を刺激するスキャンダラスな一面があり、
その点では、かなり面白いと思いました。
見たことのある役者は渡辺哲さんのみ。
主演のデルヘリ「茶飲友達」のオーナーのマナ役の岡本玲さん
以外はオーディションで選ばれた役者だと聞き驚きました。
女性の場合、高齢者の方が、ヌードシーンに抵抗があるのでは?
と思うが、無名俳優の芝居への情熱と層の厚さを思い知った。
(このことは「侍タイムスリッパー」でも、同様の事を感じました)
この映画のデートクラブというかデルヘリは、
オーナーのマナが「大きな家族の家」を理想としていて、
自分が風俗嬢で働いて感じた《怖い世界》を、
ユートピアにしようと日夜頑張っている。
万引きしている老女・松子を、咄嗟の機転で
助けて、仕事に誘う。
松子は意外と適応性がありNo.3の指名が付く売れっ子になる。
松子は両親の介護に青春を費やし、解放されたと思ったら
喪失感と虚しさで生きる意欲を失くしていた。
主催者のマナは厳格な母親との確執からか?
風俗嬢をして来たが、自分が立ち上げた「茶飲友達」を
ユートピアにしたいと願い擬似家族のように松子にも接する。
演じる岡本玲はとても美しくて演技も上手くて、
素晴らしかった。
(wikiを読むと近年は上質の舞台に多く出演しているようだ)
会員数が1000人を突破して、
マナと男性スタッフの誕生日のお祝いで盛り上がる。
そんなすぐ後でアクシデントは起こる。
松子がホテルで落ち合ったよ客が、松子がシャワーを浴びてる
間に自殺したのだ。
死ぬ客を助けもせずに、死ぬのを見届けて、部屋を抜け出す松子。
松子は《死なせてあげる》ことを正しいことと、頑なに正当化する。
このことで、「茶飲友達」は摘発されてマナは逮捕される。
婦人警官とのやりとりが、面白い。
「ルールはルール」という警官と、
「ルールで助けられない“孤独な老人たち“がいる」と、
自分は悪くないと自説を話すが、逆上して殴りかかり
マナは素顔を晒してしまう。
マナが重病の母を見舞って修羅場になる場面。
そして母と娘のように信頼しあって見えた松子の裏切り。
売上金もシルグルで出産する覚悟の若い女に持ち逃げされたり、
信頼するに足る、信頼に値する人間は、このメンバーの中に
何人いるのか?と訊ねたくなる。
「茶飲友達」はマナの仮想ユートピア」でしかなかったのか?
マナの実母への憎しみ、毒ばかり吐く母親。
毒親は子供をスポイルする。
高齢者の客は金を払い、その対価としてサービスを受けた。
孤独を慰め、人肌で温め、仮想の“愛の時間“を受け取る・・・
性風俗は必要悪?
(悪というか?いいえ、悪ではない、)
公衆トイレのようになくてはならない?ものかもしれない。
気持ちよく見ていたら
最後のしっぺ返しがキツイ。
ガッツリ持ち上げて、ドーンと真っ逆さまに落っことされる・・・
これが現実なのね。
マナはきっとまた復活する・・・
「大きな家=シェルター」を売春ではない方法で
作ってほしいと、願う。
孤独 家族 老後 ルール 絆 売春 だめなことだとしても、それのお...
あなたの人生がつまらなくても恥じるな。
「希望を持ちたかったから死にたくなった」
高齢化の問題
茶飲み友達募集、て広告見たら素直に茶飲み友達と思うよね。でもこの広告は希望者には売春買春の斡旋。確かに、高齢化する世の中、切実な問題なんだろう。
ただもうそんなことはどうでもいいけど、寂しさを感じてお茶飲みながらお話しする友達が欲しいと思う人ももちろん居るだろうし、まだまだ現役〜だけどもう相手がいない、受け入れてもらえない人にとっては欲しいシステムなのかも。
経営者のマナは実の母と確執があり、茶飲友達に募集してくる老人や社員と家族のような繋がりを求めている。
映画を観ているだけでは冷静に深入りしすぎでは?と思える。妊娠してしまった社員の女の子に、みんながいるよ、一緒に育てれば、、、と言っていたけど、甘いよね。
1人のコールガールの事件からマナは逮捕されてしまうが、警官の女性とのやりとりが面白かった。マナの言っていることもわかるが、警官の言っていることも正しいと思った。確かに母との確執から寂しさを埋めるためということもあったんだろうな。面会に来たマナのお母さん、もっと早くあの言葉を言ってあげてたら良かったのに。
高齢者の性の問題、シングルマザーになることの大変さと社会の問題を突きつけられる映画。
渡辺哲さん以外がオーディションということも驚き。
コールガールを演じた方々、すごいね!
自分の寂しさを他人の孤独でうめるんじゃないよ
寂しさを癒す=性欲を解消するという公式が成り立つ限り、茶飲友達(ティーフレンド)の売春行為は正当化される。
妻に先立たれたり、妻から相手にされなくなったり、話し相手がいなくなったりと、理由は高齢者の男性の孤独に起因する。孤独感は動物的本能とマッチングし、性欲の解消の提供側の運営側の若者たちとコールガールたちの孤独感とも微妙に連鎖していく。
寂しさを癒す手段はこれしかないのか。他に解消する方法があるだろう。この昔から受け継がれてきた大人の問いは、この空間では、「正しいことだけが幸せじゃないんだよ」という主宰者の若い女性の言葉でかき消される。
この主宰者は元風俗嬢で、余命いくばくもない母親とはそりが合わず、親子関係は決裂している。
でも、主宰者は、正しいことではないということは認識しているようにも見える。
善悪や幸せの輪郭が、性欲による快楽によってボーダレス化していく世界。
「自分の寂しさを他人の孤独でうめるんじゃないよ」
主宰者を取り調べる女性警察官の言葉。この言葉が正解とはけっして思わない。だが、少なくとも眠気眼が、一気にカッと見開くような衝撃が走ったことは間違いない。
高齢者の性を描くことで、若者の生を浮き彫りにする
茶飲友達の紹介と題してコールガールを斡旋する高齢者風俗を営む若者と、そこで働く女性、そしてお客さんとの繋がりを描く。
高齢者の性に興味があって、軽いノリで見ようと思ってるそこのあなた。
想像を絶する展開で、吐き気がする程胸糞悪いから安易に手を出さない方がいいと思う。
私は既に「子宮に沈める」以来の引きずり方してますwwww
見ない方がいいわけじゃない。すごく元気つけられるシーンもあるし私は後悔していない。
ただ、色々な方向から裏切られ一人ぼっちにされた気分なんだよ。
これがまさに高齢者、若者の抱える孤独の重みなのかもしれない。
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高齢者の性。なるべく目を背けたいテーマであり、どこかタブー視された問題に切り込んだ作品でもあるんですが、その反面、現代を生きる若者の生活も浮き彫りになる社会派な映画だった。
妻に先立たれ生きる目標もなく孤独に生きる高齢者に”茶飲み友達”を紹介し、ひと時の安らぎと快楽を与える。
彼女たちはそれを”ホームヘルパー”ないしは”人助け”と呼ぶ。
確かに作品に登場するお客さんで不幸になっている人なんてひとりもいない。
風俗嬢も必要とされる喜びと、有り余る大金を手に入れる。
そんな高齢者の新たな幸せを描く光があれば、若者のくすぶる闇もあるのがこの映画。
夢は?、子どもは?、家族は?
人助けと言う名のマスターベーションで課題を見てみぬふりする感じがリアル。
家族とのつながりが希薄になってきた我々には、仲間という新たなファミリーがあって
それを作り上げようとしたひとりの女の子の話なんだよね…
でも完成したのはバベルの塔であり、それがあまりに浅はかで、脆くい。
現代における家族が何なのか、その儚さと残酷さまでが詰まりに詰まった映画。
135分は長いようで、あまりにもこのテーマを扱うには短すぎる。
映画の冒頭とラストのシーンが、彼女の信じた正義へのアンサーだよ。
映画としてのバランスが 完璧に近いと思った。 考えさせられるところ...
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