ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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「獣人」の作り方、恐ろし〰️
『シェイプオブウォーター』はあまり入り込めなかったけど、この『ナイトメア・アリー』のほうが面白かった。
見世物小屋や都会の建物やオフィス等々、セットが完璧で美しく、独創的でどこか異形なギレルモ・デル・トロ監督ワールドだった。それこそナイトメアみたい。ケイト・ブランシェットはパンフレットのインタビューで『3Dのロールシャッハテストのようなセット』と表現していた。
その、ケイト・ブランシェットはメフィストフェレスみたいだったし……。
『人は必死で自分を表現し、自分をみてほしいのだ』読心術を教えてくれたお師匠さん、ピートが言っていた台詞……
確かに、観察力と洞察力で人の心が読めたら、的中したら……、そして、そこにお金がからんできたら、なかなか抜け出せないかもしれない。
『シェイプオブウォーター』や『ナイトメア・アリー』みたいな映画を撮るギレルモ・デル・トロ監督自身を心理分析したら面白いかも。
ラストで貨物列車に乗り込んだ時点で予感はありました。
予感はあったけど……、自ら受け入れたんですね…………。
『映画のラストは、スタンにとってハッピーエンドなのでしょう』とスタン役のブラッドリー・クーパーが言っていました。
鑑賞中は、いろいろ考えが浮かんできたけれど、単純に娯楽映画として楽しんで観ればいいんだ、と思った。
ダークな世界観にどっぷりと浸る傑作
ギレルモ・デル・トロ‼︎
そしてこれは傑作だった。
欲に溺れ、愛を捨て、堕ちていくブラッドリー・クーパー。
ダークな世界観に深く浸った。
悪夢の小路に迷い込み逃げ出すことができなかった。
女性陣も良かったなぁ。
トニ・コレット、ルーニー・マーラ、ケイト・ブランシェットがバトンを繋いだ。
バスに浸かるブラッドリーの傍らに座ったコレット。ゾクゾクした。
メンタリストと奇術師のハイブリッド
この映画を観た日本人のうち、DaiGo(メンタリストの方)を思い浮かべる人は多い気がする。相手の状況を観察しながらどんなことを考えているのか、どんなバックグラウンドがあるのかを推察する。本作で読心術と呼ばれているワザは、彼のおかげで結構馴染みのものになっていた(いや、もちろんその前からそんなものは存在して、テレビをはじめいろんなところで披露されていたけど)。本作のスタンは心理学的なアプローチもあるけど、パートナーとのサインを交わす手法は奇術的なものもあわせたハイブリッド。伝統的な騙しのテクニックとも言える。
でも、心理学的なアプローチで人のことを推察する段階からならまだしも、霊能的なメソッドで人の心の隙に入り込もうとするとそれはもう詐欺になる。それで救われる人もいるかもしれない。そんなシーンもあることにはあった。でも、それをそのままにしないのがデル・トロ監督(単純に原作がそんな話なのかもしれないけど)。あの夫婦のくだりはちょっと驚いた。
何の話なんだろう?って思いながら、後半の展開で目が離せなくなり、最後のシーンでなるほど!と唸ってしまった。個人的にこんな話が好きだから評価が少し高めだが、万人受けするとは思えない。
でも、DaiGoがスタンの衣装を着て、試写会で読心術的なワザを披露する姿を見れば、もっと一般受けするかもしれない。もちろん、そんな試写会は開催されていないのだが。
怖いです。心療内科に通っている人は観ない方がいいです。
怖かった。最近心温まる映画とかオシャレなフランス映画を観ていたからドストライクの怖さ。第二次世界大戦中、フリークショーにやってくるブラッドリークーパー、なんかうす汚れていて、?。最初全然喋らないし、不審者の匂いプンプン。行ったフリークショーも(エレファントマン)を彷彿とさせる暗い画面、荒れている天候、怖い見せ物人間達。ずっとフリークショーの話かと思いきや、思わぬ展開でグイグイ引き付けられる内容に。心療内科のカウンセラーのドクターと診察室を彷彿とさせる展開に。戦争も怖い、天災も怖い、でも人間の心の闇から産まれる恐怖が一番怖い。憎しみ、羨み、妬み、お金や名声への野望。それから依存症への恐怖。普通に仕事をして普通の生活ができるって幸せ!と思ってしまった。心が弱くなっている方、体調悪い方にはお勧めしません。
もっとほしい
サイコスリラーと聞いて想像してたほどは怖くなかった。映像美はすごかったけど、もう少し深みがほしいなと。伏線も回収できてるような、もうすこし掘ってほしいところがあったような。ちょっと物足りない映画でした。ケイトブランシェットも最高にクールやったけどもっともっと!って、観終わったあと思っちゃいました。
ケイトの部屋とホテルの内装、とっても素敵でした。
「俺には、それが宿命なんです」
もっとホラーっぽいかと思ったら、あんまりホラーっぽくなかったです。
1940年代のアメリカが舞台で、僕の大好きなオールドアメリカン。
サーカスのネオンなどが綺麗で印象的、オシャレな映像美。
ケイト・ブランシェットの存在感がスゴイです。
でも、長い…
もっと短かったら、もっと点が良かった。
2時間30分ぐらいありますが、
前半1時間と最後30分が面白い!
真ん中1時間は退屈で、ウトウト居眠りしてしまい、最後30分で目が冴えた。
最後は衝撃でした!!
エンドロールが流れる中…夜中の帰り道…家に着いてから…考えこんでしまった。
長いのが、もったいない…
居眠りしたし、もう1回観たい。
怖い
映像、配役が素晴らしかった。
もうホラーだよね。
野心を持った男が、のしあがって落ちていくまでが良く描かれていて、それを演じる役者さんが圧巻で。
長いんだけど、それを感じさせない演技と演出だった。
らしさ全開で良作でした。
カーニバルの裏側にひろがる果てしない闇の向こう…
同じショービジネスの話でも、「グレーテストショーマン」のような明るさはもちろん期待してなかった
けど!
それにしても、暗くて、救いのない映画だった
「シェイプ・オブ・ウオーター」のようなファンタジックなところもなくて、リアルに闇へのみ込まれて破滅する男の人生…
ストーリーの時代背景から、雨か雪か夜といった天気に時間、カーニバルの裏側のおどろおどろしい雰囲気…
徹底してダークなイメージに作り込まれている
そこで唯一、光を放つ謎の心理学者
彼女は救いの天使なのか、
はたまた闇へと引きずり込む悪魔なのか…
と、いったところに惹きつけられて最後まで観たけど、結局、ラストシーンまで徹底的に闇の物語
これこそがギルレモ監督の世界なのか⁉
人間の心って、そっちはヤバい!とわかっていながらも、闇の向こうに成功した自分を見てしまうのかも…
見せ物小屋
最近では、グレイテスト・ショーマン、古くはエレファント・マンが、思い出されるが、人間は興味本位や怖いもの見たさでこの世にも珍しいものを見たいと思ってしまうが、見たらなーーんだ、ガッカリ😮💨ってことばかりだと思う。
さて、本作の中でも、ギークと呼ばれる野人がメインエベントとして登場。
檻に入れられた野人が違うんだ、なぜだ!とささやいていたが、エンディングで主人公がまさかのギーク候補とはこりゃまたビックリ‼️
人生色々ありますなぁ
怖いもの見たさに群がる一員として
伏線の予測変換が作動しだすが、良い意味での裏切りを期待しつつ見たけれど やはり…
ケイト・ブランシェットとトニ・コレットの役としての色気のなんと凄まじきかことかな。
エンドに流れるラフフェイクな「スターダスト」が
締めのデザートにぴったり。
ブラッドリークーパーの演技!
ブラッドリーとわからないシーンもあって、なぜアカデミーノミネートされなかったのか、不思議!こんな声だっけ? もちろん周り全員すごい俳優ばかりで圧巻です。ストーリーは単調な感じはするけど、まぁ、委ねて見る笑 凝った世界観はデルトロ味(美術、撮影、衣装 ノミネート納得!)
答えを押し付けず、見てる側に投げかけるエンディング良き!
期待しすぎました、、、
雰囲気やルックなどで結構期待して見たのですが意外と普通の映画でした。話しはかなりわかりやすかったのですが、何より主人公に魅力を感じず、ストーリーに入り込めず冷静に見れてしまいました。ラストも想像通りでちょっと残念でした。
リリスもなぜスタンを裏切ったのか?とかエノクの存在はどこまでを示唆しているのか、原作には書いてあるのか興味があります。
にしてもこの監督にはもっと考えさせる作品を撮って欲しいものです。
ギレルモ・デル・トロ監督とはそれほど相性が良いわけでなく、 『パン...
ギレルモ・デル・トロ監督とはそれほど相性が良いわけでなく、
『パンズ・ラビリンス』が最も良く、まだるっこいけど良いのが『デビルズ・バックボーン』で、意外と好きなのが『ミミック』。
どちらかというと、まだるっこしい演出だなぁと思うことの方が多いです。
1930年代末の米国。
独身男のスタントン・カーライル(ブラッドリー・クーパー)は、一体の死体を処理するため、家に火をつけ故郷をあとにした。
大陸バスでたどり着いた先ではカーニバルが催されていた。
出し物のひとつ「獣人」を観たスタンは、小屋に入る前にチラ見した美女モリー(ルーニー・マーラ)が気になり、そのままカーニバルの一座に居つくようになる。
下働きのスタンであったが、読心術を売り物にするジーナ(トニ・コレット)とピート(デヴィッド・ストラザーン)に気に入られ、彼らを手伝ううちに読心術のトリックを身に着け、ある日、モリーを連れて一座を抜け出し・・・
といったところからはじまる物語で、ここまでが前半。
その後は、一流ホテルでのショウを演じるまでになったスタンが、上流階級の大物をペテンにかけようとする物語へと転じ、最終的にはカーニバルへと舞い戻らざるを得ない羽目となるという運命論的なクライム映画。
この映画で描かれるところでは、いわゆるスーパーナチュラル・ファンタジー的要素はなく、純然たるクライム映画。
『シェイプ・オブ・ウォーター』などでファンタジー要素を取り入れてきたギレルモ・デル・トロ監督なので、そこいらあたりを期待すると当てが外れる。
前半のカーニバル部は、美術的にノスタルジーとしての面白さがあるので、演出のまだるっこさはあまり気にならないのだけれど、後半の純粋犯罪映画部になると、まだるっこしさ全開で、観ていて苛々してしまう。
特に、女性精神科博士リリス・リッター(ケイト・ブランシェット)が登場してからは、ブラッドリー・クーパーとの演技合戦の様相を呈して、ちょっと暑苦しい。
ふたりが丁々発止とやり合うシーンでは、部屋の外に雪が降っているにもかかわらず、である。
(唯一、出番の短いメアリー・スティーンバージェンが印象的で儲け役といえる)
ということで、こってりの2時間30分で見ごたえはあるけれども、ちょっと胃もたれしました。
この内容だと、95分で撮れるんじゃないの? なんて思ったりもしました。
なお、タイトルの『ナイトメア・アリー』を「悪夢を見るアリー(女性名)」と勘違いしていて、アリーって出てこないなぁ、なんて馬鹿なことを思っていましたが、「ALLEY」はシルベスター・スタローン初監督作『パラダイス・アレイ』の「アレイ」と同じで、「悪夢横町」という意味だったんですね。
自らの欲望に翻弄され、皮肉な運命をたどる男の物語。
ギレルモ・デル・トロ監督作品ということで、映画として、まったく問題はありませんが、ここまでくると、男が、なぜ父親に恨みを持ったかというところまで描かないと、見ごたえに欠ける部分があるかもしれません。
しかし、そうなると上映時間が3時間前後になり、個人的には旧作を観たことも、原作も読んだこともないため、それができるのか、できないのかは、考察することができません。
旧作から変わっているのは、ラストシーンだけのようです。
映像に、ストーリーに、まったく問題になるところはないのですが、何か、もの足りなさがある…、そんな感じでしょうか。
…とはいえ、完成度は高いといえる作品です。ぜひ、劇場でご覧ください!
ギレルモの世界(暗い絵画のような影像)満載 闇・夜・時代・・
映画は全編、独特の色合い(ホラー映画にでてくる館内部のような古い館の中のトーン、壁に掛けられた絵画)の世界の出来事のような画像で進行していく。前半は、主役スタンがカーニバル市座(悪辣な見世物小屋)に入って、タロットカード、読心術などなど闇の世界での処世術を身に着けていくサマをホラーサスペンス的に描き、後半はそれら処世術でランクアップしていき、リリスなる精神科ケイト・ブランシェット登場より、闇ホラーからサスペンス路線になり、本映画の見せ場、大富豪からの最大の詐欺へと結末へ進んで成功か?駄目か?→後、終わりかと思いきや→イレギュラーな事が・・・。サスペンス・ホラー要素がありますが、本作の本質は人間のドロドロした欲の極みに近づいた者(スタン、カーニバル舘の主など)の末路(因果報酬)を本人と、欲に近づく者、その者達にに巻き込まれた人(モリー:もう少しスタンとの生活をえがいてほしかった)を観せていく。
★Digital5.1ch観賞
★重低音 △
★音圧 △
★分離度 ○
★移動音 ○
★サイド、後(活躍度)△
★サラウンド ○
近代の泥濘
この作品の時代背景は1939年頃である。近代という時代が人間の欲望を目覚めさせ、近世までの牧歌を駆逐し、人を欺いてまで欲を満たそうとし、戦争を繰り返す泥沼の時代だ。その欲望に突き動かされて主人公は父を殺し家を捨てて街に出てくる。そこで彼を待っているのは激しい雨と泥濘(ぬかるみ)である。私の子どもの頃までそうだったが道路や地面はまだ舗装されていなかった。雨が降ると砂利の敷いてないところは泥濘になった。主人公は泥にまみれて見世物小屋の天幕を畳む手伝いをする。そこに泥にまみれた傷だらけの獣人もいるのだ。「宿命だ」と最後に声を振り絞って自嘲する主人公を通して描かれたものは虚飾の泥濘にまみれた近代の断末魔の姿なのだ。
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