ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
全280件中、141~160件目を表示
千里眼小悪党因果応報ノ巻
良くも悪くも、トロ監督のグランギニョル趣味炸裂の作品でした。凝りに凝ったクラシックなセットや魅力的な映像で、序盤の見世物小屋のシーンからすんなり映画の世界に入れます。ただ、監督の趣味だけに見世物小屋の世界は面白いけど、やや冗長で主人公が何をしたいのかお話の方向性が見えづらいです。主人公が千里眼の達人になる後半からノワール色が強くなり、ファムファタルのケイト・ブランシェットも加わり俄然面白くなってきます。前半で散りばめられた伏線を回収しながら、周囲の警告や助言を無視して運命の暗転からおぞましいラストまで一直線でした。役者では、ブラッドリー・クーパーがドンピシャのハマり役。ケイト・ブランシェットは、魔女かと思うような迫力ぶりでした。
「外さない」
映像は素晴らしかった!
とても良いダークサスペンスだったけど、最初の獣人の話でなんとなくラストの予想が付いただけに、予想通りのラストを期待してしまい、あの微妙などちらともつかないオチには消化不良でした。
でもデル・トロ監督にそんな世にも奇妙な物語みたいなオチは求めてないしテーマともあまり関係ない気がするので、単に世にも奇妙な物語的なものが好きすぎるだけという好みの問題で残念に思っただけでしょう。
個人的には芥川龍之介の羅生門を思い出しました。
「獣人」の作り方、恐ろし〰️
『シェイプオブウォーター』はあまり入り込めなかったけど、この『ナイトメア・アリー』のほうが面白かった。
見世物小屋や都会の建物やオフィス等々、セットが完璧で美しく、独創的でどこか異形なギレルモ・デル・トロ監督ワールドだった。それこそナイトメアみたい。ケイト・ブランシェットはパンフレットのインタビューで『3Dのロールシャッハテストのようなセット』と表現していた。
その、ケイト・ブランシェットはメフィストフェレスみたいだったし……。
『人は必死で自分を表現し、自分をみてほしいのだ』読心術を教えてくれたお師匠さん、ピートが言っていた台詞……
確かに、観察力と洞察力で人の心が読めたら、的中したら……、そして、そこにお金がからんできたら、なかなか抜け出せないかもしれない。
『シェイプオブウォーター』や『ナイトメア・アリー』みたいな映画を撮るギレルモ・デル・トロ監督自身を心理分析したら面白いかも。
ラストで貨物列車に乗り込んだ時点で予感はありました。
予感はあったけど……、自ら受け入れたんですね…………。
『映画のラストは、スタンにとってハッピーエンドなのでしょう』とスタン役のブラッドリー・クーパーが言っていました。
鑑賞中は、いろいろ考えが浮かんできたけれど、単純に娯楽映画として楽しんで観ればいいんだ、と思った。
ダークな世界観にどっぷりと浸る傑作
メンタリストと奇術師のハイブリッド
この映画を観た日本人のうち、DaiGo(メンタリストの方)を思い浮かべる人は多い気がする。相手の状況を観察しながらどんなことを考えているのか、どんなバックグラウンドがあるのかを推察する。本作で読心術と呼ばれているワザは、彼のおかげで結構馴染みのものになっていた(いや、もちろんその前からそんなものは存在して、テレビをはじめいろんなところで披露されていたけど)。本作のスタンは心理学的なアプローチもあるけど、パートナーとのサインを交わす手法は奇術的なものもあわせたハイブリッド。伝統的な騙しのテクニックとも言える。
でも、心理学的なアプローチで人のことを推察する段階からならまだしも、霊能的なメソッドで人の心の隙に入り込もうとするとそれはもう詐欺になる。それで救われる人もいるかもしれない。そんなシーンもあることにはあった。でも、それをそのままにしないのがデル・トロ監督(単純に原作がそんな話なのかもしれないけど)。あの夫婦のくだりはちょっと驚いた。
何の話なんだろう?って思いながら、後半の展開で目が離せなくなり、最後のシーンでなるほど!と唸ってしまった。個人的にこんな話が好きだから評価が少し高めだが、万人受けするとは思えない。
でも、DaiGoがスタンの衣装を着て、試写会で読心術的なワザを披露する姿を見れば、もっと一般受けするかもしれない。もちろん、そんな試写会は開催されていないのだが。
怖いです。心療内科に通っている人は観ない方がいいです。
怖かった。最近心温まる映画とかオシャレなフランス映画を観ていたからドストライクの怖さ。第二次世界大戦中、フリークショーにやってくるブラッドリークーパー、なんかうす汚れていて、?。最初全然喋らないし、不審者の匂いプンプン。行ったフリークショーも(エレファントマン)を彷彿とさせる暗い画面、荒れている天候、怖い見せ物人間達。ずっとフリークショーの話かと思いきや、思わぬ展開でグイグイ引き付けられる内容に。心療内科のカウンセラーのドクターと診察室を彷彿とさせる展開に。戦争も怖い、天災も怖い、でも人間の心の闇から産まれる恐怖が一番怖い。憎しみ、羨み、妬み、お金や名声への野望。それから依存症への恐怖。普通に仕事をして普通の生活ができるって幸せ!と思ってしまった。心が弱くなっている方、体調悪い方にはお勧めしません。
もっとほしい
サイコスリラーと聞いて想像してたほどは怖くなかった。映像美はすごかったけど、もう少し深みがほしいなと。伏線も回収できてるような、もうすこし掘ってほしいところがあったような。ちょっと物足りない映画でした。ケイトブランシェットも最高にクールやったけどもっともっと!って、観終わったあと思っちゃいました。
ケイトの部屋とホテルの内装、とっても素敵でした。
「俺には、それが宿命なんです」
怖い
映像、配役が素晴らしかった。
もうホラーだよね。
野心を持った男が、のしあがって落ちていくまでが良く描かれていて、それを演じる役者さんが圧巻で。
長いんだけど、それを感じさせない演技と演出だった。
らしさ全開で良作でした。
カーニバルの裏側にひろがる果てしない闇の向こう…
同じショービジネスの話でも、「グレーテストショーマン」のような明るさはもちろん期待してなかった
けど!
それにしても、暗くて、救いのない映画だった
「シェイプ・オブ・ウオーター」のようなファンタジックなところもなくて、リアルに闇へのみ込まれて破滅する男の人生…
ストーリーの時代背景から、雨か雪か夜といった天気に時間、カーニバルの裏側のおどろおどろしい雰囲気…
徹底してダークなイメージに作り込まれている
そこで唯一、光を放つ謎の心理学者
彼女は救いの天使なのか、
はたまた闇へと引きずり込む悪魔なのか…
と、いったところに惹きつけられて最後まで観たけど、結局、ラストシーンまで徹底的に闇の物語
これこそがギルレモ監督の世界なのか⁉
人間の心って、そっちはヤバい!とわかっていながらも、闇の向こうに成功した自分を見てしまうのかも…
見せ物小屋
怖いもの見たさに群がる一員として
ブラッドリークーパーの演技!
期待しすぎました、、、
雰囲気やルックなどで結構期待して見たのですが意外と普通の映画でした。話しはかなりわかりやすかったのですが、何より主人公に魅力を感じず、ストーリーに入り込めず冷静に見れてしまいました。ラストも想像通りでちょっと残念でした。
リリスもなぜスタンを裏切ったのか?とかエノクの存在はどこまでを示唆しているのか、原作には書いてあるのか興味があります。
にしてもこの監督にはもっと考えさせる作品を撮って欲しいものです。
タイトルなし(ネタバレ)
ギレルモ・デル・トロ監督とはそれほど相性が良いわけでなく、
『パンズ・ラビリンス』が最も良く、まだるっこいけど良いのが『デビルズ・バックボーン』で、意外と好きなのが『ミミック』。
どちらかというと、まだるっこしい演出だなぁと思うことの方が多いです。
1930年代末の米国。
独身男のスタントン・カーライル(ブラッドリー・クーパー)は、一体の死体を処理するため、家に火をつけ故郷をあとにした。
大陸バスでたどり着いた先ではカーニバルが催されていた。
出し物のひとつ「獣人」を観たスタンは、小屋に入る前にチラ見した美女モリー(ルーニー・マーラ)が気になり、そのままカーニバルの一座に居つくようになる。
下働きのスタンであったが、読心術を売り物にするジーナ(トニ・コレット)とピート(デヴィッド・ストラザーン)に気に入られ、彼らを手伝ううちに読心術のトリックを身に着け、ある日、モリーを連れて一座を抜け出し・・・
といったところからはじまる物語で、ここまでが前半。
その後は、一流ホテルでのショウを演じるまでになったスタンが、上流階級の大物をペテンにかけようとする物語へと転じ、最終的にはカーニバルへと舞い戻らざるを得ない羽目となるという運命論的なクライム映画。
この映画で描かれるところでは、いわゆるスーパーナチュラル・ファンタジー的要素はなく、純然たるクライム映画。
『シェイプ・オブ・ウォーター』などでファンタジー要素を取り入れてきたギレルモ・デル・トロ監督なので、そこいらあたりを期待すると当てが外れる。
前半のカーニバル部は、美術的にノスタルジーとしての面白さがあるので、演出のまだるっこさはあまり気にならないのだけれど、後半の純粋犯罪映画部になると、まだるっこしさ全開で、観ていて苛々してしまう。
特に、女性精神科博士リリス・リッター(ケイト・ブランシェット)が登場してからは、ブラッドリー・クーパーとの演技合戦の様相を呈して、ちょっと暑苦しい。
ふたりが丁々発止とやり合うシーンでは、部屋の外に雪が降っているにもかかわらず、である。
(唯一、出番の短いメアリー・スティーンバージェンが印象的で儲け役といえる)
ということで、こってりの2時間30分で見ごたえはあるけれども、ちょっと胃もたれしました。
この内容だと、95分で撮れるんじゃないの? なんて思ったりもしました。
なお、タイトルの『ナイトメア・アリー』を「悪夢を見るアリー(女性名)」と勘違いしていて、アリーって出てこないなぁ、なんて馬鹿なことを思っていましたが、「ALLEY」はシルベスター・スタローン初監督作『パラダイス・アレイ』の「アレイ」と同じで、「悪夢横町」という意味だったんですね。
全280件中、141~160件目を表示