「タネも仕掛けもあったほうがいい」ナイトメア・アリー Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
タネも仕掛けもあったほうがいい
ギレルモ・デル・トロ
メキシコ出身の
今隆盛を極める映画監督
特殊メイクから映画の世界に
飛び込んだ変わり種で
ファンタジーからホラー
まで幅広く日本のアニメ
漫画にも造詣が深く
「ロボット」と「カイジュウ」の
激突を真っ向から描いた
「パシフィック・リム」でも
広く知られる事となった
世界情勢は不安定だとなかなか
映画も観に行く気が失せてきますが
デルトロ監督のやつだしという事で
重い腰を上げて観に行きました
話的には
不況のアメリカで
不思議な興行師旅団に入り
読心術に興味を持った野心的な
主人公スタンが出世するごとに
深みにはまってどんどん
堕ちていく
笑ゥせぇるすまんや
世にも奇妙な物語の
話にあるようなやつ
感想としては
原作が古いだけあって
シナリオが与える印象はあたかも
古典的に感じます
終盤のめまぐるしい展開は
見ごたえあったんですが
そこまでがちょっとモタモタ
した感じもありましたが
さすがの作りこんだ世界観
には圧倒されます
要は興行ってのは
タネも仕掛けもあってそれで
お金をもらってるんだけど
見る側の心を奪って
のめり込ませてしまう
ところがあるという事
ホストにいれあげてしまう客
マジックのネタバレした
Mr.マリックに本気で怒りだす客
テレビのやらせに怒る視聴者
いるんです
テレビやゲームをやり過ぎると
現実と空想の区別がつかない
とか言ってるジジババがまだ
いますがその昔
「おしん」の両親役をやっていた
泉ピン子や伊東四朗に
なんであんなかわいそうなことを
するんだと食って掛かる人が
いたそうなので
分別が付かない人は昔から
つかないのです
まあケイト・ブランシェット
演じる心理学者もいまいち
何がしたかったのか怪しいところ
だけど心理学を通じて
スタンの奥底にある
父親への負の感情とかが
出てきちゃうとことかは
押井守っぽかったね
ちょっと前に園子温監督の
プリズナーズオブゴーストランド
も予算がちゃんとつけばこういう
のをやりたかんだろうなぁ
と思ってしまうほどガッツリ予算
かけたセットは素晴らしかった
コロナ禍もあって本国では予算に
対してコケちゃったらしいけど
こういう映画作れるってのはやっぱ
強いですね